護りたかった楽園の噺
2013/06/19
診断結果
牙声さんは『止める』と『歌』と『裁き』と『金』を使ってSSを書いてください!!頑張ってね(・ω・)ノ
ブログ【平和なはなし。】(http://ameblo.jp/kisei728/entry-11555978592.html)にて公開。加筆修正済。
峠を越えて谷を過ぎて、いくつもの高い山を越えたその先の深い深い樹海を抜けた先、誰も知らない楽園があった。
夜露に濡れた柔らかな草が朝日に煌き、散らばる華が世界を彩る。吹き抜ける風に波打つ草花の中を舞う色とりどりの花弁。その花弁は意志を持つかのように舞い踊り、やがて蝶へと姿を変える。どの季節の中でも喩え嵐の中でも、その美しさは変わらない。文明が踏み入る事の無い、世界と動物達だけが知る楽園。
そんな楽園はひとつの罪を背負った。
世界の理に叛く事と知りながら、楽園はその時を止める事を選んだ。立ち止まる事は、進まない事は、罪だ。それでもその楽園は立ち止まった。その美しい“世界”を護る為に。
そんな楽園を、世界は赦さなかった。どんなに美しい場所でも、護るための選択だったとしても、それは罪。
今、裁きの歌を奏でよう。
空から金色の雨が降る。美しかった楽園が醜く変わっていく。
――護りたかった世界が、崩れていく。
楽園はその“世界”を護る為に禁忌を冒した。その選択は間違っていたのだろうか。
罰を受けた楽園は、もう此処には無い。楽園が世界の理に叛いてでも護りたかった“世界”は崩れ跡形も無く消える。
忘れ去られた楽園は、やがて世界からも拒絶された。
時を止めた楽園はきっと、今もどこかの夢の片隅に生き続けるのだろう――――。
護る為の選択は間違いなのかそれとも。




