ヒトとアヤカシの噺
2013/06/10
診断結果
牙声さんは『怖い』と『日常』と『脚』と『紫』を使ってSSを書いてください!!頑張ってね(・ω・)ノ
ブログ【久しぶりにMH3Gのはなし。】(http://ameblo.jp/kisei728/entry-11549313052.html)にて公開。加筆修正済。
例えば足音が聴こえたとか、誰も居ない筈の所から物音がしただとか。
普通だったら『怖い』なんて思うのかもしれない。でもそれは“普通だったら”の話で、なにも絶対に怖がらなきゃいけない事じゃないと思うんだ。
紫紺に融ける丑三つ時、目が覚めて聴こえるのは足音や物音だけじゃなくて。楽しげな話し声が襖の向こうから聴こえてくる。
行燈の灯りが漏れるその襖に、ゆっくりと手を掛けた。
普通の人間には俺達の姿は視えないんだぞ、なんて言われた時には心底驚いたのだけれど、私の目にはしっかりと彼等の姿が視えていた。人間とは違うけれど、彼等はそこにちゃんと居るのに変なの、と思ったのはもう大分昔のように思える。彼等に怯え毛嫌いする人達の気持ちが、私にはさっぱり解らなかった。感情も愛情も優しさも、彼らはちゃんと持ってるのにね?
「ねぇ、今日も楽しい噺を聞かせてよ!」
その他大勢の“普通”なんて何の役にも立たないもの、私には要らないわ。普通ならば“在り得ない”この『日常』が、私なりの“普通”なんだ。
部屋に入ってきた私に気付いて手招きしてくれる彼等の元へ向かう。脚を伸ばし畳に座り込めば暖かな空気が身体を包んだ。ほら、こんなに暖かいじゃないか。
この楽しい時間がずっと続けばいいのに、なんてまだ眠い目を擦りながら思った。
“違う”から嫌う、怖がるなんて間違ってると思うんだ。ちゃんと理解して、そしたらきっと何かが変わるような気がする。共存だって出来るよ、きっと。




