ここまでの登場人物一覧
注)online編、offline編のネタバレあり
最終章前におさらいとして自分用に登場人物一覧を作成しました。また、総集編みたいな感じにもなっています。約17,000字ありますので、適当にお読み下さい。
また、作者の認識がベースなので「ここおかしくね?」等のツッコミがありましたら、感想欄にオナシャス!
【フィオナ】
本名:岩井 フィオナ
本作の主人公である。17歳の高校2年生、女性。
主な乗機:F-5E タイガーⅡ、F-14D トムキャット(後にAMRAAM対応型へ改修)、JAS39E グリペン(後に艦載対応型、加えて推力偏向パドル装備型へ改修)
日本人の父親(岩井 圭一)とアメリカ人の母親(岩井 ソフィア)を持ち、現在は母親と2人で暮らしている。
気は強いが、意外と涙もろい。
ソフィアから圭一は死んだと言われていたが、ある事件を切っ掛けにして再会する事となった。
昔から圭一の書斎にあった古いPCでフライトシミュレーターを好んで遊んでおり、そこにソフィアがVR機器一式を持ってきた為にLazward onlineの世界へ足を踏み入れる事となる。
全て、彼女の父である岩井圭一の陰謀である。
とはいえそんな環境に流されていた訳ではなく、あくまでも自分の意志で動いているという考えが彼女には強い。
直感と閃き、書斎から得たオタク知識によって様々な戦場を駆け抜けた。
ゲームを初めてすぐの頃は対NPC戦闘機との空戦、戦闘地域に飛び入り参加しての対地攻撃、スキマ潜りといった事をして遊んでおり、一部のプレイヤーから「変な奴がいる」と思われていたようである。
そしてやってきた最初のやらかしは、F-5EによるF-22の撃墜である。
ふとした思い付きから装備したAIM-9Xによってジャイアントキリングを行ない、スリポリト奪還作戦に貢献をした。
その後に転戦して行った各地はどれもがこのゲームにおける重要な地であったのだが、本人がそれを考えて参戦場所を決めたのではなく、大抵は後述するマリーのせいである。
最終的にスポンリオ山における敵基地破壊を以て同陣営のランキングトップへと昇り詰めるが、本人はランキングには興味がなく、それが別の人間の興味を惹いてしまってある騒動へと巻き込まれてしまう。
その割にはフェザー隊内では一番被撃墜数が多いのだが、それには後述する無人機と、低コスト機体での戦果の多さが関係している。
また撃墜された結果としてだが地上戦の経験もある。M4とグロック17を所持しているが、どちらも一発も撃った事は無い。
猫科のペットネームが付いた機体を乗り継いでいるが、本人曰く特に意識しての事では無いらしい。
その中でもF-14D トムキャットを好きになった理由は、某映画と俳優を好きな母親のせいである。
尾翼に羽根のマーキングを入れており、後述のジャックと共に結成したフェザー隊の隊章にもなっている。それを理由に、他のプレイヤーから"羽根付き"と渾名されている。
渾名はフィオナ個人の事を指している場合もあるが、フェザー隊の全員が同じマーキングを入れているので隊自体の事を指す場合もある。
日本人と白人のハーフである為、その見た目から英語が堪能だろうと勘違いされるのだが、発音はカタカナ英語であり成績もとても悪い。
ただし飛行機オタクなので航空関連用語だけは詳しい。
学校では後述する友人の英里と仲が良く、二人の絡みは男子生徒のオアシスとなっている。大抵は英里が一方的にべたべたと絡んでいるのだが。
よくコーラを飲んでいる。Aカップ。
【ジャック】
本名不詳。
フェザー隊の2番機を務める。29歳、男性。
主な乗機:F-4E ファントムⅡ、F/A-18C ホーネット、F/A-18E スーパーホーネット、JAS39E グリペン(フィオナ機と同一の仕様)
Lazward onlineを始めたばかりのフィオナにちょっかいを出しつつ、(一応は)先輩としてのアドバイスなどで彼女を助けていたプレイヤー。
その後フィオナが隊を結成するとそれに志願し、彼女のウイングマンとなる。参加の動機は、危なっかしい彼女の飛びっぷりを見ていられなかったからとの事。
実はゲームを始めた時期はフィオナと大して変わらない。彼女が色々と遊んでいる内に彼はローコスト機であるF-4でのスコアを積み重ねていて、それなりのランクに位置していた。
それもその筈、その正体は元空軍のパイロットである。更に現在はNSA職員であり、その経歴からLazward onlineにてある調査を行なっていて、フィオナに近付いたのはその為でもあった。
しかしフィオナには「いつもログインしている、働いてるんだかよく分からないおっさん」と思われている。
フィオナと出会った当初は「まぁ適当にからかって遊んでやろう」という程度の気持ちであったが、彼女と行動を共にする内にそれだけでは無くなった部分も出来たようだ。
フィオナが意外と無防備な部分があるので、そこにほだされたというのもある。チョロい男である。
年齢の割に軍務経験が長いようだが、それは彼はVR機器の発達によって訓練期間が短縮された最初の世代である為だ。
またそれが、彼がこの一件の担当に抜擢された理由でもある。
愛機はF/A-18E スーパーホーネットだがそれには現実世界で乗り慣れているという理由が強く、状況によってJAS39E グリペンと使い分けている。
メロンソーダが好き。男にモテる。
【ナオ】
本名:佐々木 奈央
フェザー隊の3番機を務める。16歳の高校1年生、女性。
主な乗機:F-4E ファントムⅡ(艦載対応型へと改修済み)、F-14D トムキャット(AMRAAM対応型へと改修済み)、JAS39E グリペン(フィオナ機と同一の仕様)
航空機モノのドラマを見た事で空を飛びたくなり、よく考えずに数あるVRゲームの中でもマゾいとされるLazward onlineを選択してしまったと言う残念な理由によってフィオナ達と出会うことになった少女。
だが初フライトでフィオナによる口頭での指示と誘導の元、無事に着陸を成功させるという結果を出した。
その後、フィオナから一緒にゲームをやらないかと提案され受諾。その出会いの経緯から、ジャックには"拾った子犬"扱いされている。
当初は男性との関わりが苦手であると言っていたが、フィオナとジャックのやり取りやこのゲーム特有の男性だらけの環境からすっかり慣れてしまったようだ。
しまいには自分から模擬戦を吹っ掛ける始末である。"拾った子犬"どころか狂犬化してきているが、多分どころか間違いなく身近にいるお手本が悪かった。
乗機はT-4、F-4E、F-14D、JAS39E、Ver2.0へのアップデート後にジャックから奪ったF-86と、フェザー隊メンバーの中で一番多くの機種に乗っている人間でもある。
その為かメキメキと知識と実力を付けてきており、グリペンの推力偏向パドル実用化に当たっては不具合の特定から完成までを自力でこなしてしまった。……恐ろしい子ッ!
チーズケーキが好き。Bカップ。
【ベル】
正式名称:無人航空機制御システム(Unmanned Aircraft Control System)
フェザー隊の4番機を務める女性型AI。
乗機:JAS39E グリペン(フィオナ機と同一の仕様に追加して、専用のクローズドコクピットを装備)
フェザー隊が空母マリーゴールドでの模擬戦を開催した際に、そこへ乱入してきた無人機である。
属性としてはフィオナの所持するアイテムという扱いになっているのだが、NPCのように高度なコミュニケーションを取る事が出来る。
プレイヤーとは別の専用機を使用し、その機体自体が本体である。その後にボール型のコミュニケーション用プローブを使えるようになり、最終的にはフィオナの幼少期そっくりの見た目をした人型インターフェースが出現した。
ベルに関しては使用機体がJAS39に限定されており、更にキャノピー部は装甲に置き換えられていてそこに光学センサーを備えている。
なお、射出座席は装備されていない。
ベルと同様の無人機は他のプレイヤーも入手が可能であり、報告もされている。
しかしフェザー隊以外では運用の難しさから大きな戦果報告はされておらず、産廃扱いすらされているようだ。
AI単独では状況に合わせた判断が出来ない事から、いくら単体での性能が高くてもそのレアリティの高さもあって、使い捨てるような運用が実質的に不可能である事が理由として挙げられている。
フェザー隊においても同様の考察がなされたが、フィオナはベルが無人機であっても一人のメンバーとして扱う事でその欠点を受け入れた。彼女を単なる武器では無く、お互いに守るべき対象としたのだった。
しかし「合計で2機分の運用コストを、所持しているプレイヤーが払わなければならない」という弱点については克服が出来ず、その直撃をフィオナの財布が受けている。
このUACSを実装したのはフィオナの父である圭一であり、それはプレイヤーを介して様々な人間的思考を学習させる為であった。
しかしそれが娘の手に渡ったのは偶然であり、所持者が自身の娘であると知ったのは彼女が一連の騒動に巻き込まれた後である。
このAIに目を付けたのが後述するチャールズである。彼はこれを軍事利用する為に運営会社を買収し、AIを利用したB.E.L.L.SとP.G.S.SをUACSの外付けモジュールとして実装した。
フィオナの外見を模した人型インターフェースの出現は、その実装に際して別人格データを埋め込まれた為である。
チャールズによって埋め込まれたデータは純粋無垢な子供のような物であったが、本来のベルの人格はジョーク混じりで会話をするようなフランクな物である。
本人はよく「ジョーク生成エンジンが……」と口にするが、本当にそんな物が組み込まれているのかは彼女の仕様書を読まないと分からない。
***
【マリー】
主な乗機:ニミッツ級航空母艦 マリーゴールド、ジェラルド・R・フォード級航空母艦 ローズマリー
ナイスバディなルックスと面倒見の良さから、みんなの憩いの場となっている空母の艦長である。
年齢を知っているのはヒューレットとジャックのみだろうが、言うリスクが高すぎるので二人共黙っているらしい。
このゲームにおいて空母とはとんでもない金食い虫であり、どのようにその運営費を捻出しているのか分からないのだが、鼻の下を伸ばす連中も多くいるのでその辺から搾り取っているのかもしれない。
だが既婚者であり、旦那であるヒューレットもこのゲームのプレイヤーである。言動がセクシーなのだが、あまり旦那から嗜められる事も無いようだ(諦められているのか、ヒューレットの懐が半端なく大きいからなのか……)。
彼女の空母はフェザー隊の活動拠点となっており、逆にフィオナ達も彼女からの依頼を受けたりとお互いに協力関係が出来上がっている。
ただその依頼内容がなかなかシビアであり、よくフィオナの墜落原因になっている。
また交友関係が広く、彼女の呼び掛けでイージス艦所有者が集結する事もあった。海側の人間からは「彼女を信じてついていけば大丈夫」とまで信頼されているようだ。
映画やゲームのような格好良いブリーフィングが好きであり、よく真似をしている。が、彼女の見た目的に威厳がある訳でもなく、加えて本人の性格もあってすぐに雰囲気は崩壊している。
戦闘機の使用はしないが、移動の為にT-2 バックアイを飛ばす事は出来る。これにはヒューレットの協力があったようだ。
だがそれだけでなく、SR-71 ブラックバードすら必要とあれば飛ばす事が出来る人間である。
これには彼女のリアルスキルが関わっており、航法を行なうにあたって天測(天体の位置から経緯度を割り出す事)が必要であったからである。
彼女も元軍人(米海軍)であり、その関係でジャックとは昔なじみである。
当時乗っていた船は小規模なものであるのだが、演習で派手にやらかした逸話がジャックから暴露されている。
フィオナに構うのは彼女に自分と似た匂いを感じ取ったからなのかも知れない。
退役理由は寿退社である。
両手で収まりきらないカップで、お湯に浮く。
【ヒューレット】
サイクロプス隊のリーダーであり、マリーの夫である。愛称はヒュー。
主な乗機:F-16C ファイティングファルコン、F-15C イーグル、ラファールM、F/A-18E スーパーホーネット
フィオナが初めて大規模戦へ参戦した時につるんで飛んで以来、フェザー隊と関わりの深い部隊の一つである。
彼女との初の共同作戦では最後に出会ったラプターに彼以外のメンバーは撃墜されてしまうが、ジャックと彼の連携プレイでラプターを追い込み撃墜に至るまでのサポートを行なった。
その後もフィオナを誘いレアアイテム狙いで出撃したり(その時は難易度設定と当該地域での野良パーティーの戦闘という複合要因で全機撃墜された)、増援で駆けつけたり、一番槍でスポンリオの戦いに飛び込んだりと活躍している。
大抵は後述するバンシー隊と共に行動しているのだが、元々はサイクロプス隊が対空、バンシー隊が対地を担うという役割分担が行なわれていた。
その後にF-15Cを購入し対空に特化させようとしたのだが、前述のレア狙い時に新品を即墜落させてしまい、それを契機にマリーゴールド所属となった為にラファールMへと乗り換えた。
更にタルタロスへ向かうに当たってF/A-18Eへと変更したのだが、これには理由があり彼もまたジャックと同様に軍人だからである。
ジャックの同期であり、現在は米海軍に所属している現役である。派手な活躍はあまり無いのだが、堅実に敵を墜としていくのが彼のプレイスタイルである。
サイクロプス隊のメンバーは全員が幼馴染であり、また米海軍所属の軍人でもある。ヒューレットが軍人である事はフィオナは知っているのだが、他のメンバーについては知らされていない。
いわゆる「Need to knowの原則」である。
何故かメンバー間でヒューレットの元彼女の事がネタにされているが、それは容姿に拘らない彼の性格によるものである。
マリーの奔放な性格に実生活においてもついて行けるのも、それが理由なのだろう。
【レオ】
サイクロプス隊の2番機。
廃墟が苦手なチキン野郎である。しかも友人の妹をブサイク呼ばわりするクズ野郎である。
それらのノリは全て冗談であるのだが、それも彼等が幼馴染であるが故なのだろう。
だがそれはあくまでもヒューレットを除いた三人の中で通じる冗談であり、たまにヒューレットにそれが漏れると怒られている。
【マイク】
サイクロプス隊の3番機。
妹がヒューレットの高校時代の元カノであり、一歩間違えればヒューレットが弟になっていた可能性のある男である。
フィオナが彼に向かって、墜落時にレオが言っていた冗談をあろう事かヒューレットが居る前で漏らしてしまった為、一緒に怒られてしまった可哀想な男である。
【アンディ】
サイクロプス隊の4番機。
レア狙いの墜落時に足を負傷し、ヒューレットに支えられていた男である。負傷に関しては仕方がない物だとヒューレットも言っていたのだが、それでも彼に謝罪をするような気の優しい男である。
なんだかんだでサイクロプス隊の4人は仲が良い。
ジャックが彼等と知り合ったのは海軍入隊後であったのだが、その輪に彼を快く迎え入れて今の関係が出来上がったようだ。
【ダスティ】
バンシー隊のリーダー。
主な乗機:F-16C ファイティングファルコン、F/A-18E スーパーホーネット
前述のサイクロプス隊と対になって行動をしている部隊のリーダーを務める男である。
が、サイクロプス隊と違い対地攻撃を得意としている為、あまりフェザー隊が担当する空域と被らず、全てが終わった後にやってくる事もしばしば。
丁寧だが親しみのある性格で、危険な対地攻撃を主任務としている事も相まって他の人間からも慕われているらしい。
機体の遍歴は少なく、マリーゴールドへの所属時にF-16CからF/A-18Eへと変更した程度である。
理由としては彼等がサイクロプス隊とは違って民間人である事、任務による損耗率が高い事、またF/A-18Eへの機種転換の為に金を貯めていたからという物が挙げられる。
サイクロプス隊、そしてジャックとは隊の全員がリアルでの顔見知りであり、10年以上の付き合いがある。
経緯としてはサイクロプス隊とバンシー隊が幼馴染の集まりであり、軍へと進んだサイクロプス隊がそこでジャックと出会い、民間へ進んだバンシー隊メンバーとも絡むようになったという形である。
つまり彼等はプロ直伝の技で鍛えられているので、軍人のみで構成されているサイクロプス隊とも翼を並べて飛べるのである。
HARMを抱えて危険度の高いワイルドウィーゼルを好んで行なうのも、彼等の自信の現れなのかも知れない。
ただ、あくまでも民間人なのでジャックは彼等に現在の立場を隠しており、全員がジャックを無職のニートだと思っているようである。
タルタロスへの突入作戦に当たってジャックがリアル側で説明をした時に、一番驚いていたのはきっと彼等だろう。
基本的に外交面はダスティが行なっているので、他のメンバーが表に出て来る事は少ない。
【イーグルヘッド】
主な乗機:E-767、E-2D ホークアイ
早期警戒管制機に好んで乗るプレイヤーで、フェザー隊以外にも様々なプレイヤーがその管制のお世話になっている。戦闘が優位に進められるのも、彼のおかげである部分が多い。
Lazward onlineにおいてAWACSやAEW&Cを愛機として選ぶ人間は少ない。これらの機体には戦闘能力が無く、襲われれば逃げるしか手が無いので余り人気のない機種である。
みんな、前線でドンパチしたいのだ。
だがイーグルヘッド曰く「RTSみたいで楽しい」らしい。
なので彼のような人間は重宝される。どんなにプレイスキルが無くても、その存在自体が有り難いのだ。
しかし、これらの機種は敵にとっても重要目標であるので、ヘイトが集まりやすい。
そんな環境において真っ先に撃墜されるようでは意味が無い。その情報収集能力を活かす為にはしっかりと最後まで生き残る事が重要であり、それがプレイヤースキルの目安となる。
イーグルヘッドの場合はonline編38話で左エンジンが被弾した際に戦線を離脱しているが、それ以外では損傷を受けた事がない。ただ、彼は常に管制作業をしており操縦はNPCに担当させているとの事なので、育ったNPCを所持しているのだろう。
またそのNPC中にキャシーという名の女性がいる事が分かっている。彼女は操縦担当ではなく、管制作業の補助をしているようだ。
イーグルヘッドのような大型機乗りや、マリーのような艦船乗りという運用に複数人を必要とする物を扱うプレイヤーにとって、NPCは重要な物となる。
彼等の成長度合いが性能にも現れてくるので、単座の戦闘機乗りや地上部隊には無い成長要素という楽しみが味わえるのである。
なお、イーグルヘッドという名前ではあるが鳥頭ではない。
【ヴァルキリー隊】
主な乗機:SH-60 シーホーク、C-2A グレイハウンド
空母マリーゴールド、後に空母ローズマリー所属の飛行隊であるが、主に撃墜されたプレイヤーの捜索や大人数での移動を行なっている。
彼等のシーホークには、墜落地点へ強行着陸する為にある程度の武装がされているようだ。
フィオナも、何度も彼等のお世話になっている。
彼等がこのような活動を行なっているのには理由がある。
救難捜索自体はNPCによる物も存在しているのだが、精度が悪く時間が掛かってしまうのだ。故に、プレイヤーによる活動が商売として成り立っているのである。
勿論、その分NPCより費用は掛かるのだが。
ヴァルキリー隊はマリーゴールドにおいて所属プレイヤーの信頼を得ており、彼等に重宝されている。
***
【フジト】
グール隊のリーダー。
スリポリト奪還作戦にてフェザー隊と出会う。フィオナ達が空港上空で戦っている間、彼等は地上施設の占拠に励んでいた。
その後、給油の為に降りてきたフィオナと出会い、そのドッグファイトによって興奮した思いの丈を早口でぶつけまくった。
後述するムラキとはその前の作戦で出会っており、彼とはそれ以来の付き合いである。
そしてフィオナ・サイクロプス隊合同でのレア狙いによる墜落時に偶然フィオナと再会し、彼女らの脱出を手伝った。
その際にムラキと息の合った連携プレイを見せており、10人のNPCをたった2人で、しかも無傷で片付けるという技量の高さを見せている。
その後もスポンリオ攻防戦では偵察・観測を行なっていたり、ベルの機体捜索の際にはフィオナ達より先に見つけていたりと活躍の幅は広い。
【ムラキ】
グール隊所属。後述する英里の兄である。
キャラネームは自身の名字そのままである。そんな所からも分かるように、性格は至って雑である。
良く言えば拘りが無く、持ち歩く銃も戦場で拾ったAKだったりでアイテムに対する愛着が無いようだ。
戦場での武器拾いもレア狙いではなく金稼ぎの為であり、それもゲーム内で吸えるタバコ代へと消えていっている。超ヘビースモーカーである。
そんなプレイスタイルの彼だが、現実での趣味は車、釣り、作曲と言った「モノへの拘りが強い」ものであり、ゲーム内とは正反対であるようだ。
スロキス島攻略戦においては、その耳を買われて潜水艦のソナー手を依頼されたりもしている。その際に搭乗した潜水艦は、グラジオラスを電源喪失に追い込んだ敵の潜水艦を撃沈した。
フィオナがフェザー隊を結成する寸前あたりの時期から彼女とは戦場で出会ったりと縁があるのだが、当時の彼は後々ここまで絡む事になるとは思わなかっただろう。
【エイリ】
本名:村木 英里
フィオナと同じ高校に通う17歳の高校二年生。女性。
人呼んで"爆殺ポニーテール"。
臨時にフェザー隊の5番機を務めた事もあった。
フィオナの同級生であり、彼女が飛行機オタクであるという"リアル"を知る数少ない人間でもある。
ウザ絡みをしてよくフィオナにあしらわれているが、フィオナはそれが嫌いではなく、彼女もそれを知った上で絡んでいるようだ。
一応、フィオナ同様にLazward onlineをやっている事は隠しているらしいのだが、ウザ絡みによる会話で周囲にはだだ漏れている。
しかしフィオナが失踪した際には英里なりに彼女を心配し、素直にならないフィオナに対して怒るという優しさを見せた。
またドッグファイトという自分の守備範囲外である行動にも、最後までナオに付き合うという面倒見の良さもある。
テニス部に所属しており、黒髪をいつもポニーテールに編んでいる。
そこに"爆殺"が付いた理由は、彼女がスナイパーであるのにもかかわらず「運良く持っていたグレネード」で、「運良く一箇所に居た10人ばかりを爆殺」したからであるらしい。
本人が主張するように彼女はスナイパーであり、愛銃はステアー・スカウトである。これは彼女が中遠距離を常に移動しつつ狙撃をする、というプレイスタイルである事を理由にした選定である。
多くの人間が被弾を恐れて大口径ライフルによる超遠距離狙撃を行なうので、ここでは珍しいスタイルと言える。
そこから生まれた「機械は使い方次第」という信念を持っているようだ。
戦闘機に関しては完全に門外漢であるが、システムアシストを使ってA-6A イントルーダーを操れるレベルにはあるようだ。
敵の撃破記録は無いが、ナオのサポートを行なった。
【ジェイク】
スロキス島を根城にしている海賊のリーダー。ジャックの弟である。
主な乗機:F-35B(X-35からの改造機体)、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦
スロキス島はゲーム内マップにおいてほぼ中央に位置する島であり、大規模戦が行なわれていない時期においてはゲームを開始したばかりの初心者が配置される場所である。
ここを根城にしているのが"海賊"と呼ばれる人間達である。
彼等はゲームを楽しむ事よりも、対戦を楽しむ事を主眼に置く人間である。
場合によっては敵味方という区別無く戦いを挑み、PvPによって得られる高揚感をその報酬とするアウトロー達だ。
そんな過激な連中が、初心者の初期配置地点に何故いるのか。
それは「初心者をサポートする為」である。
一見矛盾する話だが彼等曰く、そうやって初心者が育ちプレイヤーとして一人前になると「狩り」の対象に変わるのだと言う。
ただし、その頃には初心者の行動範囲も増えている為、他の場所でそういった情報を得てスロキス島から離れる人間も多い。
平時に島へ近寄らなければそこまで害は無く、また討伐しようにも初心者への誤射で自分に賞金が懸けられてしまうリスクもある為、大きく問題視はされていないようだ。
また、大規模戦時にはどちらかの側に雇われる傭兵として彼等は動くようだ。世の中、金である。
それ以外の資金源は、主に大規模戦後に棄てられた兵器のサルベージである。ジェイクの乗機である「VIFFの出来るF-35B」は、それによって作られたようだ。
フィオナとの初遭遇はスロキス島攻略戦においてのドッグファイトであるが、この時の彼女はジェイクの事を知らなかった。
それは兄であるジャックが、彼の事を全く話題に出さなかったからである。
初めて顔を合わせたのは、マリーが電磁式カタパルト入手の為に受けたクエストによって、スロキス島沿岸にズムウォルトが出現した時だった。
撃墜されスロキス島に降りたフィオナは、お互いの利害の一致によって対ズムウォルトへの共同戦線を張る事となり、艦内での死闘を繰り広げたのだった。
その後、フィオナは彼等の海賊としてのスタンスを活用させて貰う事で、チャールズに対抗しようとする。その際、ベルの悪戯ともとれる行動によって兄弟間の誤解は解け、それ以降ジャックとは仲を取り戻している。
ジャックとのわだかまりを解消してくれた恩をベルに感じているようだが、それ以前にロリコンである。
兄弟の間では、彼等の祖母のミートローフは死刑に等しい物となっているらしい。
【佐々木 三郎】
プレイヤーネームは本名をそのまま使用。
ナオの曽祖父であり、Lazward onlineのプレイヤーでもある。88歳。
乗機:A6M 零式艦上戦闘機二一型
町内会で近所の友人を相手に己の武勇伝を語る日々を送っていた三郎だったが、曾孫であるナオがLazward onlineを始めた事を切っ掛けに彼もVRゲームの世界へと足を踏み入れる事になった。
過去の大戦経験者であり、その際に受けた傷で足が不自由となっている。
普段は杖を使って歩いているが、Lazward online内では身体機能が一律の物に合わせられる為、再び己の足で歩ける喜びを味わう事が出来た。
ナオのF-4Eに同乗してスオキ島へ向かった彼は、そこで過去の愛機であった零式艦上戦闘機二一型と再会する。
その嬉しさからか特に説明を聞かずに乗り込み機体を発進させるのだが、まるで機体が手足であるかのように操る姿を披露してナオとジャックを驚かせた。
三郎も、普段は与太話扱いされている武勇伝がジャックへ通じる事に喜びを感じているようであった。
その後、後述するグランツと出会い過去の因縁を清算。それからは町内会の人間も誘い、皆でゲームを楽しんでいるようだ。
フィオナと顔を合わせたのはベルの人格データが強制変更された時であり、グランツと組んでベルの乗るJAS39をWW2エリアへと誘い込み、零戦にて撃墜している。
これはスオキ島エリアの特色である「WW2参戦機のみが発砲出来、それ以外の全機体はシステム的に攻撃機能がロックされる」という物を巧みに利用した物だった。
左捻り込み、木の葉落としを使いこなす歴戦の勇者である。
【グランツ】
乗機:F6F ヘルキャット
スオキ島にてレシプロ機による空戦を楽しむプレイヤーである。
愛機のヘルキャットの両主翼には黄色い太線、尾翼に死神の鎌がマーキングされている。
そんな彼の機体を見た三郎は驚きと共に、その機体について問い掛ける。その結果、彼は三郎を過去に撃墜し、彼から足の自由を奪った人間の孫である事が判明するのである。
三郎はペイント弾による模擬戦をグランツに提案し、彼はそれを了承した。
模擬戦での彼は常に紳士的な態度であり、三郎に対しても敬意を持って旋回戦を挑んだ。
しかも一時は優位を取る程であったのだが、三郎が見せた木の葉落としにより背後を取られ被弾。勝負は三郎の勝利で終わった、かに見えたのだが……。
模擬戦の決着後、ペイント弾のみを装備した二人へとフォッケウルフ Fw190が襲いかかる。
Fw190のパイロットは二人が模擬戦の準備をするのを見ており、抵抗出来ない事を見越して襲撃したのだった。
F-4Eに乗って観戦していたナオとジャックであったが、割り込もうにもWW2エリアなので彼等には火器の使用が出来ない。
そうしている内に、三郎はラダーに被弾。
絶体絶命かと思われたその時、グランツは太陽を背にしてFw190へと襲いかかった。狙い澄ました彼のペイント弾はFw190のコクピットに着弾し、彼から視界と脱出の機会を奪ったのだった。
実は、これらの出来事をグランツは事前に察知していた。
Fw190のパイロットは賞金首であり、三郎の模擬戦の申し出を受けたのは彼を誘き出す為だった。
帰り道にその事をグランツは打ち明け、三郎もそれを受け入れた。着陸後、二人はフレンド登録をして友人となったのだった。
その後も二人の年齢を超えた良好な関係は続いており、ベルに対しても三郎との連携プレイで対処する活躍を見せた。
***
【岩井 圭一】
主人公の父親であり、ローリングキューブ社の研究室でAI研究の主任を務めている。
大体はこいつが悪い。自分は死んだ事にして、やりたい事を好き勝手にやってた屑である。
元航空自衛隊所属のパイロットであり、とある事故において僚機を失っている。それを切っ掛けにしてAI開発に打ち込むようになった。
本編ではこの事故の詳細は機密扱いになっているので詳細には話されていないが、その真相は「領空侵犯してきた某国戦闘機との戦闘」である。
それは現場レベルでの偶発的な物であり、当然のようにその事件は両国首脳の間で秘密裏に決着が行なわれた。
だが全てを事故として処理され同僚の命を闇に葬られた事に不満を抱いた彼は、その頃に始まっていた日米共同研究によるUCAV(無人戦闘機)開発計画へと参加する。
このような悲劇が再発する可能性を少しでも下げる為に、と。
しかし技術面でのハードルにより、その研究は打ち切りとなってしまう。
そこにAI技術を欲していたゲーム企業が白羽の矢を立てた。それがLazward onlineを開発した株式会社ローリングキューブである。
ローリングキューブは元々は軍事用のシミュレーターを各国に提供していた会社で、そのノウハウを生かして大規模戦場シミュレーターとも言えるこのゲームを開発し、それに彼が新規開発したAIを実装したのだった。
圭一は、自分の娘がこのゲームで遊んでいる事は把握していなかった。グローバル・エレクトロニクス株式会社による、ローリングキューブのM&Aと一連の事件が行なわれ、監禁状態から救出されるまでは。
彼女のログを見て呟いた「まだまだ甘ちゃんだな」と言う発言はフィオナに対しての物ではなく、ベルの出現からずっとその所持者のプレイヤーのログを追っていた事による発言である。
彼に、ベルの所持プレイヤー=フィオナであるという認識はこの時点では無く、単に匿名のプレイヤーがした行動への、率直な彼の評価である。
それ故に監禁時でも注目したプレイヤーのスクランブルミッションにおけるログを彼は把握しており、その後にフィオナと再開した際には彼女の誤解を解く事となった。
覚えていて良かったね、でなきゃきっと彼女に殴られた衝撃で死んでたよ。
M&Aの直後、グローバル・エレクトロニクス社の実働部隊によって拘束された彼は同僚と共にネバダ州にある研究所へと監禁され、ジャックの救出を待つ事になる。
そしてモニター越しに自身の娘と初めて顔を合わせるが、脱出の際に背中から胸への貫通銃創を受けて倒れてしまう。
しかし一命を取り留めた彼は、現在はネバダ州ネリス空軍基地内の医療センターで治療を受けている。
ちなみに監禁中であっても彼はチャールズの企みに協力させられており、スクランブルミッションや各種外付けモジュールに関わっている。それ故に、ログ閲覧とベルのバックアップ取得作業が可能であった。
ジャックの介入が無ければそのまま、事は秘密裏に終わっていたかも知れない。
【岩井 ソフィア】
愛称はソフィー。主人公の母親であり、彼女も悪い。
女手一つでフィオナを育て上げた人間であるが、仕事柄外出が多い。なのでフィオナの子守はフライトシミュレーターが行なっていたような物である。
おかげであんな娘に育ってしまった。
彼女は元米軍人であり、圭一との結婚を機に除隊。日本で結婚生活を送っていた。
圭一と別居するようになったのはフィオナが生まれた後である。その時に圭一が発した「死んだものと思って欲しい」という言葉をそのまま受け取り、本当に死んだ事として扱っていた。
メールだけを残して消える事が稀によくあり、そういう場合は適当に食費を残していく。
一般家庭ではどうか分からないが、娘にとっては慣れた事である。
そんな彼女の現在の職業は公安警察である。その為、フィオナにも彼女の仕事の事は知らされていなかった。
公安へと所属する切っ掛けとなったのはやはり圭一の件が理由であり、主にローリングキューブからの情報収集を担当していた。
大きく事が動き出したのは、グローバル・エレクトロニクスによるローリングキューブの買収が行なわれてからである。
フィオナがLazward onlineをやっている事は当然彼女も知っているのだが、流石にここまでの大事になるとは予想していなかったようである。
フィオナは父の面影を追いながらゲームへと足を踏み入れたのだが、それを彼女がどう思っているのかは不明である。
ただ、その姿に圭一の姿を重ねる時もあるようだ。
一連の事件で知り合ったジャックを気に入っており、娘とくっつけようとしている節がある。当然彼女はジャックの素性を知っているので娘の安全を思っての事なのかも知れないが、その真意は分からない。
【サンドラ・ハリス】
圭一の同僚であり、一般人である。ローリングキューブ社の研究室に勤務している。
真面目な性格であり、上司である圭一の思い付きによる行動を嗜める時もある。
彼女は主にAIの学習状況を観察しており、ベルに対しても可愛がるような仕草を見せているので大分思い入れがあるようだ。
圭一と共にグローバル・エレクトロニクス社の実働部隊にネバダの研究所へと拉致・監禁された可哀想な人。
突入したジャックの部隊によって無傷で救助されたのが救いである。
***
【ウィリアム】
サラマンダー隊のリーダーであり、エレメンツ中隊のリーダーでもある男。
スリポリト奪還作戦ではF-22を持ち出してフィオナに撃墜され、ストンリコ制空戦ではMiG-31Mを持ち出してフィオナに撃墜され、ラトパ防空戦ではMiG-29とSu-27を持ち出してフィオナに撃墜された、可哀想な人である。
上記のようにフルボッコにされたストレスで隊員にキツく当たっており、ラトパの時には味方を使い捨てるような運用すら行なってしまった。
その為、部隊のメンバーからは疎まれていたのだが、フィオナとの一騎打ちで憑き物が取れたようになり改心する。
旧サラマンダー隊は12機編成であったが、ラトパ防空戦後に隊を再編成する事になる。
そうやって結成されたエレメンツ中隊は4部隊から構成されており、あくまでもサラマンダー隊はエレメンツ中隊の一部であるという立場を取っているようだ。
それ故に各特色を持った他の部隊のサポートや、足りない部分を補えるような兵装選択をするのがサラマンダー隊の役割である。
その後もスポンリオ山での基地防衛に就いていたりと、様々な所に顔を出してはフェザー隊と鉢合わせしている。
大規模戦が終わった後はお世話になったフレンドへと挨拶回りをする等をして過ごしており、その途中でフェザー隊と再会する事となった。
本来は各用途で機体を分ける運用を想定しての部隊分けであったが、ナオの所へ来た際には機体が統一されていた。
これは長距離フェリーによる機体の差が出ないようにという点と、Su-30MKIがマルチロールなので幅広い運用が出来るからであろう。
だが、その選定には一人の男が大きく口を出したようだ。
【ジョン】
旧サラマンダー隊では5番機であったが、エレメンツ中隊へと再編成された際にはサラマンダー隊の2番機となっている。
旧サラマンダー隊の時には、隊長であるウィリアムの横暴さに腹を立てて反乱を起こした。
しかしそれを契機に和解し、それからはウィリアムとは良い関係を築けているようだ。
ただ反乱を起こした事からも分かるように少々喧嘩っ早く、ジェイクとも若干の衝突を起こした事もある。
フランカーマニアである。
【ハーピー隊】
エレメンツ中隊を構成する部隊の一つ。
対空攻撃を受け持つ。
ハーピー1は女性であり、カラオケが趣味であるようだ。だが音痴らしく、しばしば他のメンバーにネタにされている。
【セイレーン隊】
エレメンツ中隊を構成する部隊の一つ。
対艦攻撃を受け持つ。
ナオとの百人組み手時、ハーピー1の音痴をネタにしたのは彼等の内の誰かである。またセイレーンの名を持つだけあって、エレメンツ中隊内でも高いレベルのカラオケの技能がある。
それ故に、ハーピー1は彼等にネタにされても勝てないのだ。
ちなみに全員、男である。
【ドライアド隊】
エレメンツ中隊を構成する部隊の一つ。
対地攻撃を受け持つ。
ナオとの百人組み手時、セイレーン隊の誰かが出したハーピー1の音痴ネタに乗っかったが故に射殺されたのは、彼等の内の誰かである。
とばっちりではあるが、乗っかる方が悪い。
***
【チャールズ・ベイカー】
グローバル・エレクトロニクス株式会社、代表取締役。
本作の中で、いっちばん悪い人である。
みんなが楽しんでいたゲームを勝手に弄くり回し、女子高生を拉致監禁してデータを吸い上げ、自社の従業員(に無理矢理した人間)を(間接的に)射殺しかけた。
部下のアンドリューと共に様々な策略を巡らすのだが、その部下には当たりが強くパワハラ気味である。
勿論アンドリューもそれには不満を持っているのだが、ワンマンな彼は気付いていないようだ。
トルコ・ギリシャ間で発生した戦争は、ギリシャ内の反政府勢力が政権を取った事が発端となり、今も両国間で戦闘が続いている。このギリシャ反政府勢力へと加担しているのが、チャールズ率いるグローバル・エレクトロニクスである。
彼らはギリシャが保有している既存兵器を無人化し、マンパワー不足を補った。しかしその操作をしているのは一般人であり、あるネットゲームのプレイヤー達なのである。
プレイヤーにはこの事は知らされておらず、今もまだ……。
――おっと、こんな時間に誰か来たようだ。
Technology innovation for the world.
技術によるイノベーションは世界の為に。
グローバル・エレクトロニクス社は皆様の生活に密着し、より良い未来を創造します。
これからの社会がよりよくなる為に、私達はどんな苦労も惜しみません。
ハードウェアからソフトウェアまで、今後も発展していくデジタル社会にとって問題はより複合的な物になっていくでしょう。
弊社は小さな課題から大きな課題まで、多くの人々の力となる事を使命だと考えています。
未来を切り拓く強いリーダーシップで、皆様との良きパートナーシップを。
GLOBAL ELECTRONICS Co.,Ltd.
【アンドリュー】
グローバル・エレクトロニクス株式会社
先進航空機開発部 部長 兼 ネットワークエンターテイメント部 部長
弊社では現在、全世界的なネットワークを通じて様々な無人化ソリューションを展開中です。
「安価」「安全」「安心」をコンセプトに掲げ、様々な危険地帯において活躍出来る遠隔操作システムを始めとした先進的なシステムを構築しています。
人の手による、心のある判断。
機械の手による、正確無比な実行。
この二つを軸にして、より良い社会を実現する為に我々は努力し続けます。
それではご紹介しましょう。
こちらが、その二つの軸となる製品です。
【P.G.S.S】
Player-to Global Striking System、いわゆる遠隔操作システムです。
軍事技術である無人機の操作方法から発展したこのシステムは、より高度なセキュリティと電波妨害に対する強度を持っています。
また、人間が使用する事を想定した既存の機器への対応力の高さがあります。
システムは高速衛星通信モジュールと、人型を模した操作モジュールから構成されています。
操作モジュールはVR技術を応用し、遠隔地にて人間と同等の視界、操作能力を発揮する事が出来ます。
あたかも現地にいるかのような情報量をご提供し、操作者の技量を100%発揮出来るシステムです。
【B.E.L.L.S】
Branched Elastic Low-cost Labor System、こちらは直訳すると「拡張された融通性のある安価な労働力」という意味を持ったシステムになります。
一言で言ってしまうと無人機用のAIではあるのですが、これの優れている所は前述のP.G.S.Sと組み合わせる事で「既存の機器を無人化出来る」という部分です。
つまり、最初から無人化を想定した機器と同様の効果を得られる、という事になります。
これは大きなコスト削減が期待出来ます。
また人型モジュール部分はP.G.S.Sと共用が可能ですので、同時に導入した場合は更なるシナジーが見込めます。
この二つは別々に運用する事も出来ますが、同時に運用すると有人から無人へのスムーズな切り替えによって可用性が大きく向上します。
障害への対応だけでなく、昼間は人間による操作を行ない夜間は無人化するといった継続性のある運用も可能です。
いかがでしょうか。
今後も弊社は、技術革新を目指すと共に、より多くのソリューションをお客様へとご提供していきます。