表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いちにちひとつぶ2  作者: おじぃ
湘南での日々
40/52

普段は家系か豚骨

「きょうは来てくれてありがとう」


 気まずくしていると、浸地から先に言葉をかけてくれた。その口調はなめらかで、こころの奥を撫でるようにやさしい。いまの俺には到底真似できない色香と包容力をはらんだそれは、彼女との年齢差とその間に積んだ経験によって醸成されたのだろうか。


 どうにせよ、きっと会わなかった十年間に色濃い人生を歩んできたんだと思う。


「お待たせしました~、こちらチャーシュー麺と、豆乳辛味噌ラーメンですね。ごゆっくりどうぞ~」


 お互い口を揃えて店員に「いただきます」を告げ、俺はケースから木製の丸い橋を取り出し浸地に渡す。


「ありがとう」


 微笑みながら言う浸地を直視できない俺は、軽く首を縦に振った。すると視線の先には彼女の胸があり、どこを見れば良いのか戸惑う。


 女子と接する機会なんか他にもたくさんあるのに、好きな人を前にすると、それが幼馴染みでも硬直してしまう。不思議なものだ。


「うん、美味しいね」


「おう」


 ラッキョウを半分に切ったような白いスマートなどんぶりに、飴色の醤油スープ、黄金色の麺、水菜、モヤシ、チャーシューの入ったお洒落なラーメンは魚介のダシが効いていて、スープの油が麺とよく絡む。


 普段ラーメンといえば家系か豚骨の俺にとって、このベーシックな味は逆に新鮮味があった。


 ジャズや食器洗いの音をBGMに穏やかな時間が流れる空間。こういうのが他地域の人が言う『憧れの湘南』の一つなんだろうな。

 お読みいただき誠にありがとうございます。


 更新遅くなりまして申し訳ございません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ