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いちにちひとつぶ2  作者: おじぃ
福島のなつやすみ編
30/52

磐城家の日常は大体こんな感じ

 これから語るのは、磐城家の日常だ。


 磐城家は藤沢市の南側に位置し、江ノ島までは自転車で15分程度の場所にあり、最寄駅は恐らく湘南モノレールの湘南江の島駅。江ノ電の江ノ島駅や小田急おだきゅうの片瀬江ノ島駅からも近く、周辺には観光スポット周辺が沢山ある。


 そんな街の栄華とは無関係に、磐城家は荒れ果てていた。


 たった今、無職の親父がガタンと荒く扉を開閉してパチンコ屋から帰って来たのを2階の自室から確認。そのまま冷蔵庫へ向かい、リビングで瓶ビールを暴飲するのがパターンだ。


 月給13万のパートで我が家の稼ぎ頭である母親は見て見ぬフリをしたかと思えば、メシを要求されて言われるがままに料理を始めた。中3の弟は遊び歩いて夜中まで帰らないだろう。


 俺は浸地から貰ったビーズ細工のテグスに一粒通す。


 暫くすると、親父と母親が喧嘩を始めた。『親父と母親』という表現は一般的に違和感があるかもしれないが、俺は他所の人の前ではそう呼んでいる。


 今日の喧嘩は何が原因だろう。


 住宅ローンの滞納についてか、酒やギャンブルについてか。親父が働かなくなってから半年くらいだろうか。新卒入社で20年勤めた大企業からの退職金はあぶく銭のように使い果たし、後は再就職と退職を繰り返して何度目か。


 高学歴なために職は見付かりやすいようだが、ふと気分転換に寄った人生初のパチンコで30万円勝ってからはそちらに入り浸り、就活には消極的で結局赤字。店は利益が出ないと潰れるんだから当たり前だ。パチンコは金儲けの手段ではなく、あくまでもアミューズメントと割り切ってやるべきだと思う。


 このくだりだと、親父は会社を辞めてからダメになったみたいな感じになるが、そうでもない。元々時代錯誤な亭主関白で、家族への態度は横柄。苛立ちを覚えると家財道具を壊す。他に、動物嫌いで、近所の犬やネコは親父が付近を通ると威嚇するか逃げ出す。


 俺たち家族は、ずっとこんな環境で生活してきた。


 浸地が俺に対して『グレたりしなくて良かった』みたいな事を言ったのはこのためだが、俺や母親は苛々を我慢出来ないと親父に掴み掛かったりする。ついでに言うと、チャラ男の弟は、そんな光景を見て泣き出す。


 こんな感じの家、現代では多いのだろうか。


 きっと、磐城家の難局はまだまだ続くのだろう。これからどうなってゆくのか、悪夢を見たり、胸がざわめいて眠れなくなるくらい不安で仕方ない。

 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 サブタイの通り、磐城家の日常は概ねこのような雰囲気で、今後ちょくちょく語られてゆくと思いますが、広視以外のキャラクターにも大変な事が起きています。

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