子供が出来れば
「ごちそうさまです! ウマイっすね!」
「ごちそうさまー! いつもながら美味しかったよー!」
「嬉しいこと言ってくれるねお二人さん。ありがとー!」
俺たちは食べ終えた後も、湖水風を浴びながら、しかも祐紀さんのご厚意でコンデンスミルクのかかったかき氷までご馳走になってお喋りをしていた。
なんだかすごく平和な気分だ。こんなに心を休めているのは何年ぶりだろうか。雄大な自然の中でのんびりするなんて、小さい頃は浸地が傍に居てくれる場所という意味以外では特に何も感じていなかったけど、都会の荒波や家庭環境の悪化を見て育った現在では、それがとても有り難い。
◇◇◇
以前から仄めかしていたが、磐城家の家庭環境は極めて良くない。
どのように良くないって、そりゃもう家の中は荒廃してて、ガラス割れてるし、柱腐ってるし、異臭が漂ってるし。だから俺は身体を念入りに洗い、デオドラントペーパーを持ち歩くなどして自らの体臭には気を配っている。
家庭環境悪化の発端は、金にだらし無くて、洗い物はじめ家事全般がロクに出来なくて、自分中心に世界が回っていると思い込んでる父親にあると思うが、100%ではなくて、母親も問題アリだと思う。
『子供ができればアイツがしっかりすると思ったからアンタ産んだ』
あの言葉には絶句し、唖然とした。
それってつまり、俺の存在意義はだらし無い父親をしっかりさせるための手段という意味だ。
話すと長くなるので、これについては一気にではなく、少しずつ明かしてゆくとしよう。
ご覧いただき本当にありがとうございます!
これからは話を短く区切って更新頻度を上げようか検討中です。