プロローグ
とある国、とある裏社会にて組織【アルカナ】が存在していた。それぞれ大アルカナが由縁のコードネームが与えられた。愚者、魔術師、女教皇、女帝、皇帝、教皇、恋人、戦車、力、隠者、運命の輪、正義、吊るされた男、死神、節制、悪魔、塔、星、月、太陽、審判、世界。それらのトップに立つのがジョーカーであった。
「流石はジョーカー…我々の先をゆく。」
「我々の考えなどお見通しという訳か…」
「流石はジョーカー。」
…白髪くせっ毛長髪赤目美丈夫のジョーカーは疲れ果てていた。周りは何故か讃えるものと恐れるものが別れていた。何故と嘆いていても心優しいと勘違いされてしまう。ジョーカーはタダの一般人であった。
「…はぁ。」
疲れていたからこそ刺されてしまったのだ。逆恨みした裏切り者に。誰かが叫んでいる。医者を呼べと。だがジョーカーは安心していた。やっと勘違いされる生活が終わるのだと。
「(ああ、もし生まれ変わるのならば…)」
普通の人生がいいと願った。そして気が付けば豪華な部屋に居た。綺麗な女と男に抱き上げられる。そう、ジョーカーは生まれ変わったのだ。赤ん坊に。
「おぎゃあぁ!!(なんだこれ?!)」
「あら可愛い。」
「アリスに似て可愛いな。」
「やだアナタたったら。」
「(夫婦仲良好な用で何より!)」
「貴方の名前はジョーカー、そして双子の弟のアレクサンダーよ。」
「(カクテルを名前にすんな!キラキラネームか何か?!まともな人達っぽいのに何故この名前にしてんだ?!)」
双子の弟か…と手を握る。よしこの弟を守れるくらい強くなるぞと名前はもう置いておいて成長していく。ジョーカーが生まれたのはアーノルド家という魔法が優れている家系であった。ジョーカー・アーノルドとして生まれ、育った。そして学生となった。
「なぁー、兄貴ー。オレ行きたくねー。」
「アレクサンダー。」
「分かってるっての。」
ジョーカーと瓜二つの白髪くせっ毛長髪赤目美丈夫として育ったアレクサンダー・アーノルド。学園とは魔法使い育成学園【シルバー・ガーデン】のことである。キラキラしてる学園として有名。つまり…
「(いい所のお坊ちゃんたちが通う男子校ということだ!)」
ここに女子学生が居たら紛れもなく逆ハーになるであろう男子校に通う事になったのだ。そして何より重要なのは…ジョーカーはアルカナのボスであるということ。通り名はアルカナという何ともまあ…
「(いや今世でも勘違いされる人生かよ!)」
「兄貴の部下来てんぞ。」
「あ、ああ…(そういやァ死神が迎えに来るって言ってたなぁ。)」
銀色の髪でポニテール、無表情で冷徹な男が立っていた。ジョーカーにのみお辞儀をしていた。
「ボス、おはようございます。」
「あ、ああ。迎えご苦労。」
「おいオレにはナシかよ。」
「俺がお慕いしているのはジョーカーのみ。何故お前にしなければならない。」
「兄貴のお気に入りだからって偉そうに…オレだって兄貴の役に立ちてぇのに!」
※アレクサンダーと死神はジョーカーに敬愛を抱いてるのみ、恋愛ではない。
「役に立て。」
「ぐぎぎ!!」
「あのよ、早く行かねぇと遅刻するだろうが。」
「おう兄貴!」
なんでこうなったのやらとため息つきながら馬車に乗る。死神が使用人に指示を出している。完全に私生活を把握されて悲しい気持ちになるジョーカー。
「なんで入学式知ってるわけ。」
「ボスに忠誠を示すため。」
「言い訳になってないよな?」
「気のせいかと。」
「…あー、そうするわ。」
考えるのをやめたジョーカーは遠い目になっていた。ただえさえ知らないところでギルド創設、ギルド名もアルカナと決められ、その上ギルドリーダーと冒険者ランクS級になっているのだ。凡人にはキツイなとため息を着くジョーカー。
「兄貴、第一王子知ってっか。」
「知らん。」
「流石兄貴。眼中にないってか。」
いやそう意味ではなく本当に知らないだけなのだがという前にシルバー・ガーデンに辿り着いた。シルバー・ガーデンにしか存在しないとされる魔法の花々が咲き誇る花畑が出迎え、門が開く。誰もが目を奪われる銀色の花畑…なのだがジョーカーは見慣れていた。手土産で持ってくる銀色の花を見たことがあったからだ。
「感動しねぇの流石過ぎるだろ兄貴。」
「見慣れてるだけだ。」
「第一王子にも聞かせてやりてぇ。」
「…アレクサンダー、第一王子がきにいらねぇのか。」
「そりゃそうだろ。第一王子も第二王子も気に入らねぇ。第三王子の方がマシだ。」
「王子たちの前では言うな。」
「へーい。」
この国では第一王子派閥と第二王子派閥が存在する。次期王を第一王子にだの第二王子にだの言い争いが耐えない。第一王子リアーノは知識至上主義、第二王子レオンは武力至上主義という偏った思考にある。穏健派である第三王子の方がマシだというのはまともな人ならば誰もが思う程だろう。
「何より兄貴を派閥に入れようとする思考が理解出来ねぇ。」
「愚かな…ボスは利用出来るようなお方ではないというのに。」
「その点は同意するぜ。」
「同意するな。」
嫌な予感は的中するもので、入学式早々リアーノ王子がやってきたのだ。
「やぁ君がジョーカーかな?」
「リアーノ王子、いきなり呼び捨てはどうかと。」
「そうかな?」
正統派イケメンな王子様系イケメンことリアーノ王子は気軽にジョーカーと呼び始めたのだ。本来、ジョーカーではなく。苗字で呼ぶものだ。仲良くなったつもりもないのにいきなり呼び捨ては如何なものかとイラついていたジョーカー。
「ジョーカーこの後暇かな?君のギルドについて…」
「目的がそれなら一々呼び捨てにするな腹が立つ。」
「手厳しいな。」
第一王子に対して失礼なと言うが失礼な言い方をしてきたのは第一王子の方。無理があるというもの。入学式にきて早々目立ってしまったのでため息を着くジョーカーであった。
「首席ジョーカー・アーノルドくん。」
「はい。(なんで俺が入学生に一言言わねぇといけねぇんだよ!!)」
ここはシルバー・ガーデン。男子校であり…そして将来魔法使いとなる男たちが通うことになる学園である。平民から貴族、そして王族も通う由緒ある学園である。
「流石はジョーカー…そこまで考えているとは。」
「ドウシテ。」




