エピローグ
アリーシャさんは涙や鼻水が白衣に付着しても気にせず僕を抱きしめ続けてくれた。
「……私の転生者さん。もうあなたは一生私のモノとして生きていくのよ。幸せになれる方法はそれしか無いの。わかるわよね。ノーラディア村でアンダーカイン族だという理由で迫害を受ける必要も無いし、日本で週5日もブラック企業で働く必要も無いのよ」
どうしてアリーシャさんは日本人なら知るはずのないノーラディア村の事情を知っているのだろうか?
どうしてラスティア帝国民が知るはずもない日本の企業のことについて知っているのだろうか?
あれ?どちらも現実なのだろうか?どちらかが嘘?いや、最も信用できないのは僕の記憶か…
そう言えばアリーシャさん、自分のことを『クオーターエルフ』と言ってたけど…“エルフ“ってなんだ?よく考えたらそんな種族聞いた記憶がない。黄色人種でも白人でも黒人でもないし、アベラン族でもジャンシュの民でもなければ当然アンダーカイン族でもない。
そもそもなんで耳が尖っているんだ?
あぁそうだ…まるで夢みがちな小説家の考えた質の低い“ファンタジー“みたいだな、なんてことを思いながら……
世界で一番美しくて愛おしいアリーシャさんに身を委ねた。
最後まで拙い文章をお読みくださりありがとうございました。
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など、いただけますととても嬉しいです。
次回作も執筆中です。投稿した際にはまたよろしくお願いいたします。
また前作も良ければどうぞ。本作が少しでも琴線に触れた方にはきっと楽しんでいただけると思います。
前作→人間の持つ『運』が数値化された世界で行われる幸運少女による不運青年への過干渉




