第2話
寒さと喉の乾燥に寝心地の悪さを感じ、ゆっくりと意識が現実に戻ってきた。
視界がはっきりとしてくると同時に、自分が薄暗い病室にいることを理解する。あぁ、やはりあれは夢じゃなかったんだ。
僕はアリーシャ・ファルルガイナと名乗るサディストな研究者の少女に監禁されている。そして…ここが異世界であり現実世界ではないかもしれないという現実に向き合わざるを得ないのだ。
それにしても喉が渇く。洗面台の蛇口から水を飲もうかと思ったが、ベッドの隣にいつの間にかテーブルが設置されていることに気がついた。昨日は無かったと思う。
テーブルにはアラビア風のガラスのボトルに入れられた水、そして銀の皿に硬そうなパンが置かれていた。
僕は喉の渇きと空腹に任せて水を飲みパンに齧り付く。
これはあの少女が用意したものだろうか?いつの間にかいなくなっていたけれど…どこへ行ったのだろうか。
パンを食べ終わった頃、ちょうど病室の扉が開いた。
「口に合ったかしら?」
昨日と同じ白衣姿のアリーシャが入室してきた。
「は、はい…パン、美味しかったです」
「……どうしてそれをパンと呼んだの?」
「え?あ、もしかして、こちらの世界ではパンと呼ばないのでしょうか?」
「いいえ。パンで合っているわ」
アリーシャは僕のことをマジマジと観察し、ポケットから羊皮紙を取り出して羽ペンでメモを取った。
もしかすると…僕が「日本」の出身であることを疑われているのだろうか?
「僕の世界…日本でもそう呼びます。実際は外来語ですが、でも一般的にパンと呼びます。本当です」
「……それがあなたの嘘、または妄想ではないという根拠は?」
アリーシャはそう言いながらベッドに上がり、僕の上にまたがる。
その動作のスムーズさと美しさに惹かれてしまい、僕は抵抗したり逃げ出すことができなかった。
彼女のプリーツスカートの裾が僕の膝に触れる。声を出してしまいそうになるが必死に悟られまいと抑える。
「答えなさい」
「ぼ、僕は…その、自分の記憶としては確かに日本で生まれ育って、どういったワケかノーラディア村でしたっけ…そこへ転生してしまったようで…」
そう言ってから気がつく。根拠が自分の記憶しか無いことに。
この記憶があること自体は嘘ではないが、確かに精神病による妄想である可能性は否定できないのだ。
「……では、これを何て呼ぶのかしら?」
アリーシャは僕の首筋を撫でながら言った。
「うっ…く、首…」
アリーシャは僕のシャツの中へと指を這わせる。そして胸を触る。
「ここは?」
「む、胸…うっあっ…」
そして少しだけ爪を立てて僕の胸の中心を必要に刺激した。
僕はその快感に抗えず、情けない声をあげてしまう。アリーシャはそんな僕の声を聞いて目をギラつかせる。
そして胸を触る手とは反対の手で、僕の下半身を確かめるように触った。
「14歳の子供に責められて、粗末のものを固くしてしまうあなたのような人のことを何て言うの?」
「ちょ、な、何を…ッ!!」
アリーシャは僕に罰を与えるかのように僕のものを強く握る。
僕は痛みと快感で頭が回らなくなってくる。
アリーシャの挑発的な表情はあまりに艶かしく、捕食者の顔だった。
僕はそんな彼女を前に抵抗する気力が削がれてゆく。
「子供に欲情する変態のことを何て言うの?」
「い、言いたくないです、や、やめ…て」
彼女は黙って僕のモノをさらに強く握った。僕は痛みに耐えられず、屈辱的な言葉を言う選択をしてしまった。
「ロ…ロリコン…です」
「責められて興奮する変態のことは?」
「マゾ…です…」
僕に2つのワードを言わせたことで、アリーシャの興奮は最高潮に高まったようだ。息を荒くして、僕のを握る手を上下に動かす。
僕はこれまでに感じたことの無いほどの快感に身体を震わせる。
そしてアリーシャが僕の耳元に口を寄せて、囁く。
「ロリコンマゾ男」
それと同時に僕は彼女の手の中に精を奪われた。
「……これがあなたの」
彼女は愛おしそうに白濁液を眺め、自身の指に付着したそれを舐めた。
僕はその異様な光景を目の前にしても、恐怖よりも彼女を美しいと思う感情の方が上回るようになってしまっていた。