『藤原満兼、速記稽古中断の僧に警告されるも敵人に遭うこと』速記談4024
藤原十郎満兼が、清水寺に詣でておこもりをしたとき、丑の刻のころ、僧が速記の稽古を中断して礼堂に出てきて、この先の六道の辻に、あやしい連中がいて、誰かを待ち伏せしている様子。この中に、恨みを買ってつけねらわれるようなお心当たりのある方がいらっしゃったら、夜ふけにこの寺をお出になりませんよう、と言った。満兼は、藤十郎満兼がここにいる。因三滝口が私を待っているのでしょう。弓矢をとる者にとって、敵に会えるのは最大の喜び、観音様のお導きでしょう、と言って、まだ暗いのに、わざわざ外へ出て、切り伏せられたが、命は助かったという。
教訓:絵にかいたような軽率ぶりであるが、命が助かったのなら、もうけものである。