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君を待つ春の道
君がいない冬の夜
空には月、けれどその光は冷たく遠い
思い出の中で微笑む君の姿
触れられないその温もりに
手を伸ばしては霧散する
星に祈り、風に名前を呼ぶけれど
ただ静寂だけが返ってくる
画面に残る君の声は
時を止め、胸を締め付ける
それでも灯り続ける心の灯火
長い冬の闇に足を取られ
泣きながらも歩き続ける道
春の風が頬を撫でるその日まで
君の歌が私を支え
待つことの意味を教えてくれる
雪解けの水音が耳に届く頃
見上げた空には春霞
遠くで咲き誇る花の香りが
君の帰りを告げるように漂う
そして、君の声がまた響くその日
未来はきっと輝きに満ちる
涙を拭き、花の道を進む
君と共に笑う日を夢見て
君を待つ春の道は
冬の涙を越えて
喜びの花で彩られる