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後の悔い先に立たず  作者: 狸ノ腹
第一章 三度目の始まり
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【呪いと言う名の毒】04

 湯呑みを乗せたお盆を持ってカイさんが戻ってきた。

 そして、カイさんはお盆をシュウヤの側に置いて座ると、湯呑みを手に取って、その中身を口に含み。


 おぉ……。


 シュウヤの口に、口移しで注ぎ込んだ。


「これで、大丈夫なはずだ……」


 カイさんはそう言って安堵の表情を浮かべると、額に浮かんでいた汗を袖で拭い。

 俺の方を見ると再び焦った表情を浮かべた。


「――すまない! 腕の処置が!」

「俺は大丈夫なので気にしないでください」


 慌てたように駆け寄ってくるカイさんに心配はいらない事を伝えるが。

 カイさんは眉を――剃られていて眉自体は無いが眉を寄せて。


「それは大丈夫な傷じゃないよ! すぐに上着を脱ぐんだ!」


 怒ったように言ってきた。


「はい」


 しかたがないか……。


 言われた通りに胴着を脱ごうとするが、左手が動かないので少し脱ぐのに手惑いつつ。


「龍帝式……」


 胴着を脱いでいると、カイさんがそう小さく呟いたのが聞こえた。


 龍帝式――俺の腕につけられる黒い腕輪型の認証盤のことを言っているのだろう。


 やはり龍帝と言う名前なだけあって、何か特別な物なのだろうか?


 そんなことを思いつつ胴着を脱ぎ終わり傷をカイさんに見せる。


「これは――」


 普通に考えたら酷い傷だろう。

 この世界には外傷や一定の病魔を治療できる魔術があるように、回復薬が一般にも流通している。

 だが、この世界の回復薬や治療魔術は傷を癒すことができても治すことはできない。簡単に言えば、腕を失った場合は出血そのものは止められても、腕が生えてくるわけではないと言うことだ。

 そして今回の場合、目に見えてわかるが俺の二の腕部分はごっそりと失われ、いくら回復薬を使ったところで失われた筋肉を治すことはできないのだ。


 まあ、例外として特殊な魔術や秘薬などで治せるという話を聞いたことがあるし、俺の場合は死ねば全てが元通りに戻っているわけだが……。


 急遽、俺の腕の処置をしようとするカイさんの様子に困ったなと思い。


「腕のケガのことはあんまり気にしないでください。そのうち治りますんで」


 本当に腕のことは気にしなくてもいい事を再度伝えた。


「治るって……その腕がかい?」

「はい。それが俺の力なので」

「そう……か、でも、止血はさせてもらうよ」

「はい、お願いします」





「――でもまさか、君が龍帝式の認証盤を渡されてるとは思わなかったよ」


 カイさんに透明な塗り薬と包帯を巻いてもらった俺は、シュウヤが眠る部屋から先ほどお茶を出してもらった客間へと場所を移した。


「やっぱりこの認証盤って普通のものとは違うんですか?」

「何も聞いてないのかい?」

「はい。特に何も」

「さすが先生……」


 カイさんが額に手を置いて呆れている様子を見るに、この腕輪はなかなか貴重なもののようだ。


「僕も正直な話全ての機能を知っているわけじゃないけど、一応その腕輪は神話級の魔道具だよ」

「神話級の魔道具……」


 カイさんの言葉が嘘ではないと言うことはわかる、わかるが……まじか……。


 この世界の魔道具や武器、スキルや魔術にはSSSランクからFランクまでの九段階のランク分けがあり、カイさんが今言った神話級は上から二番目のSSランクのものを示しているのだが。

 原則、この世界にあるランクの最上位はSランクでありそれ以上のものは存在しないと俺は以前聞いていた。


 俺の手にはめられているこの腕輪の価値に恐怖を覚える。


 聞いた話ではSランク――伝説級の魔道具が過去に一度市場に現れ相場にかけられたことがあり。その時の落札額が五千万G、日本円でその価値約五十億という異常な価格がつけられたことがあるらしく。

 それより一つ上のものとなると、その価値は――

 知りたくもないし、そもそもだ。

 そんな貴重な物をゴミ箱に紙屑を渡すみたいに投げ渡すなんて、先生はいったい何を考えてるんだ……。


「はぁ〜」

「驚いたかい?」

「はい。かなり……吐きそうになるぐらいには驚きました」

「だろうね……僕も君の腕についているのを見た時は驚いてしまったよ。先生以外でそれをつけるのはアビくんと過去にいた先生の弟子のごく一部だけだからね」

「えっと、過去に何度か名前を聞いたことがあるんですが、アビって誰なんですか?」


 アビ――名前だけは何度か聞いたことがある。


「アビくんは君と同じ先生の弟子の一人だよ。今は先生からのお使いで国に帰ってて、来月中には帰ってくるんじゃないかな?」

「その人は異世界人なんですか?」

「違う違う。アビくんは龍人だよ、それも賢王の実子のね」

「……賢王?」

「本当に先生から何も聞いてないのか……」


 あはは。と、苦笑してとりあえずため息を吐かせてもらう。


「それじゃ十六天位やフリークのことも知らないかい?」

「フリークって、英雄フリークのことですか?」

「知ってるみたいだね」

「ええ、物語程度ですが……」


 この世界は有り難いことに知らない言語でも何か一つ言語が話せれば、各地の教会へ行く事によって、別言語の習得ができる。

 ――だがそれに読み書きは含まれていない。

 この世界に来たばかりの時はそれで苦労し、フィーやフィー達兄妹によく読み書きを教えてもらったものだ。

 その際、いろんな本を読み……読まされ。

 そこにあった物語のいくつかに、英雄フリークの物語があった。


 この世界の人間達が最も崇拝している英雄こそが英雄フリークだ。


「――あ、十六天位って教会にある石碑のことですか?」


 今更思い出したが、この世界に来て言語を覚えるために行った教会に置かれていた石碑に十六天位と書かれていた気がする。

 まだあの時は言葉が通じないことに一杯一杯で記憶の片隅に追いやり忘れていた。


「やっぱり漢字が読めるんだね」

「そりゃ、読めますけど……」

「色々疑問に思ってることがあると思うけど、前もって言っておくとフリークは龍人で、異世界からの転生者だ」

「――っえ⁈」


 驚きを隠せない。


 別にフリークが異世界からの転移者だから驚いているわけではない。

 フリークが龍人だと言うことが驚きなのだ。

 俺が知る限り英雄フリークは人間だ。

 少なくとも人間の国ではそう記されている。

 そして、フリークが人間ではなく龍人であると言うことが真実なら……俺が学んだこの世界の――人間側の歴史は相当違うものになる。


 フリークの英雄譚はただの物語ではない。

 多少脚色はされているだろうが、あの英雄譚はこの世界の歴史を子供達に楽しく学んでもらえるように教会が監修の元書かれた物語としても知られていた。

 ……そして物語の英雄フリークは――亜人差別主義者。

 教会公認の亜人差別の偏見を持つ英雄でもあった……。


「知らなかったかい?」

「えぇ……知りませんでした……」

「そんなに深く考え込まなくてもいいよ。フリークについて人間側でどう言われているのかは知ってるからね。それじゃもう一つ教えるけど、英雄フリークは先生のお爺さんだよ」

「……英雄フリークが先生のお爺さん? 先生が英雄フリークの孫?」

「そうだよ。英雄フリークは先生の実のお爺さんだ」

「でもフリークは……」

「そう。千年以上前、厳密には今の暦になる前の人物だね」


 一つの疑問が頭に浮かび。


「貴方や先生って、今いったい何歳なんですか⁈」


 疑問が浮かぶのと同時に質問する。


「僕かい? 僕は今年で満八十五だったかな? まあ、人間よりは多少若く見えるかな。っあ、でも勘違いしないでね、せいぜい生きても二百年前後だから」


 二百年でも十分長生きだと思うのだが……それ以上に気になるのは……。


「先生の年齢は……記録席を見ればわかるだろうけど、先生のセンって名前はフリークがつけた名前だそうだから、生まれたのは今の暦になる前なのは間違い無いと思うよ」


 記録石に手を触れて日付を表示させ。


『災暦1496年1月23日 17:22』


「約千五百歳ってことですか……」


 表示された日時に唖然とするしかなかった。


 先生は五十代程度の見た目だと言うのに、中身は本当のクソババアではないか……。


「――って、17時22分⁉︎」

「っあ、時間!」


 俺の声にカイさんも、今の無駄に危機的な状況に気がついたようだ。


「カズくん!」

「わかってます!」


 わかっているに決まってる。

 俺は直接言われた上に手紙まで見ているのだ、逆に今まで呑気に忘れていたことの方が驚きだ。


「ついてきて!」

「はい!」


 急がなくてはいけない。

 先生にとって何時からが夜なのかはわからないが、夜までに酒を先生の元に届けなければならない。

 呑気に話などしている場合ではなかったのだ。


 ――急がなければ、せっかくどういう形であれシュウヤの件が片付いたと言うのに、このままでは最悪破門されてしまう。


「これが酒樽ですか……?」


 冗談だと言ってくれ……。


「そうだ!」


 俺の希望はあっけなく散った。


 目の前には六樽の酒樽が山積みに置かれている。

 そして、樽の大きさは想像以上に大きく、一樽の重さは目算でも百㎏以上あった。


 両手が使えるのなら一樽。

 ――いや、無理をすれば二樽は持って帰れるだろうが、今の俺の腕では一樽抱えることすら厳しそうで……。


 この樽の山を見て俺は素直に絶望した。


「カズくん何やってるんだ早く(しま)って!」

「蔵う?」

「――っあ、知らないのか。この樽に触れて蔵うって念じればその認証盤の中に蔵えるんだ」

「認証盤に?」

「説明は今度するから、とりあえず今は酒樽に触れて、蔵う。って、念じてみて!」

「わかりました――」


 要領を得ないが、カイさんの焦っている様子に急かされ、右手で酒樽に触れ『蔵う』と念じてみると――触れていた樽が目の前から消失する。


「その要領であと五回! 蔵い終えたら他のことは気にせずに急いで先生の元に行って!」


 消えた酒樽の在処を聞きたいところだが、カイさんの焦り具合はシュウヤが倒れた時以上で、そんな疑問を聞く余裕はなく。


「それと、認証盤に蔵った物は出すって念じれば目の前に出てくるはずだから――っさ、急いで!」

「カイさん! また来られるかはわかりませんけど――」

「わかってる。今度話の続きをしよう! さぁ、急いで行くんだ!」


 酒樽を蔵い終えた俺はカイさんと最後にそう言葉を交わして、酒樽が蔵ってあった神社の外へ飛び出し、境内から大急ぎで駆け出した。


 ――降る雪は先ほどよりも強く日は暮れ、雲の厚みのせいかいつもより暗いが、周辺の家々からこもれる光が周辺を幻想的に照らしていた。


 ……なんて、余裕ぶっこいて景色を見ている時間などはなく、俺は里から飛び出した。





 死に物狂いで山を駆け登り屋敷に到着すると、先生は縁側で暖かそうな鍋をつまみながら一人雪見酒に浸っていた。


「遅いよ。あと一時間遅けりゃ、お前とカイを殴り殺してたとこだ」

「それは、走ったかいが、ありましたよ……」


 今の時刻は十九時ジャスト、里から約一時間半で先生の元まで走り切った。

 里からの距離は大体三十㎞、そのうち約半分が雪が積もる上り坂――腕を怪我した状態にしては割といい走りだ。

 まぁ、一度気を失いそうになりはしたが、左腕を握りしめた痛みでなんとか踏ん張ることができ、結果的に間に合ったのならもう何でもいい。


「――ッヴ」


 吐き気が限界を迎え、口の中が胃液に満たされる。


「おいおい、私は晩酌を楽しんでるんだ。吐くなら厠でしてくれよ」


 はい――っと、頷きを返しながら。

 俺は右手で口の中に広がる胃液が溢れないように押さえつつ、急いで厠へ向かおうと一歩駆け出し――


 厠って、どこにあんだよ……。


「――ごくり」


 厠の場所を知らなかったことに気づき、口の中の胃液を飲み込んだ。


 味覚が弱いせいでまずいと言う感覚もないが、口一杯に含んだ胃液を飲み込むと言うのはその行為だけで気持ちが悪い。


「……なんですか?」


 俺の様子を先生があっけらかんと見ている。


「なんで厠に行かないんだい? 入ってすぐのところにもあるだろ?」

「場所がわかんないんですよ」

「まだ覚えてないのかい?」

「まだも何も、俺この屋敷に殆どいないじゃ無いですか……」

「そりゃ、馬鹿みたいにお前が走ってるからだろ?」


 走らせたのはあんただろ!


 っと、言おうとしたが。


「はぁ……」


 もう色々と面倒でため息を吐くと、『ふっ』と俺の様子に先生が小さく笑い。自分の横に座れとでも言いたげに、ポンポンと自分の横を叩いていた。


「お前も飲みな」


 俺が先生の横に座ると、空の容器に酒を注がれ、渡される。


 酒を飲むのはいつぶりだろうか……元々酒は好きではないし、飲むとしても祖父が持っていたウイスキーを時々味見程度に飲むだけだった。


「どうだい味は?」

「甘いです……」

「そうかい」


 何も感じないと思ったが、多少甘く感じた。

 嫌な甘さではないが、やはり飲みたいとは思わない。


 俺は味覚が弱い。

 味がまったくわからないわけではないが、何を食べても、甘い、塩っぱい、酸っぱい――と、単調な味しか感じることができないのだ。


 こんな味覚になったのはいつからだろうか……。


「ーーそうだ。カイの孫は死んだかい?」

「生きてますよ。一時的に動けないみたいですけど……」


 どの程度であの状態から復帰できるのかまではわからないが、カイさんが安堵していた様子からすると、一応の危機は去ったはずだ。


「そりゃ残念、毒の効き目は生きてる間だけか」

「どう言う意味ですか?」

「いやな、お前が寝てる時に何種か毒を試したんだが、一度目は聞いても二度目は全部効果がなかった。だから一度使った毒はお前の体と共存してるのか、それとも単純に抗体が出来てるだけなのかを今日は試してもらったのさ」


 それでシュウヤを実験台にしたと言うわけか。


「でもカイの孫が死んでないってことは一度死ぬと毒は完全に消えちまうってこと。それにあのガキが苦しんでないのなら、服用した毒も一度抗体ができるとお前の体の中で中和しちまうってわけだね」

「中和? シュウヤは俺の血で倒れましたよ」

「聞いたよだから言ってるんだい。お前の体には死ぬ前に死ぬ毒を入れて、今日は死ぬ毒を少量と精神を切り離す呪毒を飲ませたんだ」

「呪毒ですか?」

「ああ、呪毒は魔術によって作る毒のことだ……まぁお前にはもう関係ない話だよ」


 何故関係ない話なのか、そう聞きたい気もしたが、先生の様子からして、すでに大方の毒は俺で試しでもしたのだろう。

 意識がない時にされた事とは言え、先生の行動には恐怖を覚える。


 ……いや、そもそも先生は、どうしてシュウヤが俺の血を口に含むと思ったのだろうか? 


 シュウヤが俺の血を口に入れたのは偶発的に起きたことで確定していたことではないのだが、先生の今の話はそれを前提としたもので、何か確信があったような物言いをしている。


「怒ったかい?」

「……いいえ、最低だなと思って、呆れてるだけですよ」

「へぇ、はっきりと言うじゃないか、あんな量で酔いが回ったのかい?」


 ニヤニヤと笑っている様子を見ても、別に怒りは湧いてこないが気分は最悪だ。


「先生……あなたは俺のことを知ってるんじゃないんですか?」

「知ってるさ、とは言っても部分的に知ってるだけでお前の全部を知ってるわけじゃない。お前が見てきたものを部分的に見はしたが、それをお前がどう感じているのかまでは推察することしかできない」


 全てを知ってるわけじゃないのか。


「なぁカズ、お前は人間が嫌いなのかい?」

「嫌いじゃないですよ」


 俺が人間を嫌いなはずがない。


 人間を嫌いと言ってしまったら、それはフィーを――フィーの家族を、あの優しい騎士のことを嫌いだと言うことになり、今まで俺を救ってくれた人たちを否定することになる。


 だから俺は人間を嫌いだとは思わない――


「でも、生きる価値のない奴らが大勢いるとは思ってますよ」

「……その表情は怒りかい?」

「軽蔑ですよ」

「怒らないのかい?」


 あんな奴らに対して怒りを感じるなんてあるはずがない。


「……なぜ笑う?」

「先生が変な質問をするからですよ」


 正直笑っていた自覚はなかったが、笑っていたのなら先生の質問が馬鹿馬鹿しかったせいだ。

 俺に対して『怒らないのかい?』なんて、質問をすること自体が馬鹿馬鹿しい。


「あぁ、なるほどそう言うことかい……」


 先生は俺の何かに、きっと俺の感情に気付いたのだろう。


「本当に知らなかったんですね」


 今度は自ら自覚して笑う。


「そうだね。私としたことが、お前が狂人だと言うことを忘れていたよ――でもそうかい。そうやって自我を保ってるのかい。お前はお前自信が一番――ッハハハ!」


 先生が楽しそうに笑い出した。


「いいね。好きだよその考え方。それなら気兼ねなくお前を鬼にすることができる」

「気兼ねなくって……」


 ここ数日間の言動の、いったいどこに気兼ねがあったと言うのだろうか。


 まったくもってこの人は、本当に無茶苦茶だ。

 まぁ、でも……千五百年近く生きている人の考えなんかを俺などがわかるはずもない。


「それで、気兼ねなく鬼にできるって、いったいどう言う意味なんですか?」

「いやなに、お前には四悪趣(しあくしゅ)を体得してもらうだけさ」


 四悪趣?


「何ですそれ?」

「人が人を辞める為の(すべ)さ。言っただろ最初に、お前は地獄に落ちるって――まずは修羅道からだが、お前のその狂気が本物ならすぐに扱えるようになるはずだから頑張りな」


 先生の言葉にどう反応したらいいのかわからず。


「はぁ〜」


 っと、とりあえずため息を吐きながら、雪が降り続ける夜空を俺は見上げた。


 俺の抱くこの感情が狂気なんて言うのなら、この世界にいる人間の大半は狂気に支配されている。


 人が人を軽蔑し合い。

 人が人を支配する。

 人が人を、何の戸惑いもなく殺すこんな世界など、狂気に満ちているとしか言えないだろう……。



 この後、先生の晩酌に付き合わされ、持ってきた酒を朝まで飲み明かすことになったのだが…………。


 先生は酒癖が悪かった。

 超がつくほど最悪だった……。

 それはもう――笑いながら、俺の怪我する腕を断裁機の如く引き裂き、引き千切り、その勢いで息の根を止める程度に――


 先生の酒癖は、超がつくほど悪かった……。


誤字脱字わからない表現があれば教えてください。

意見大歓迎です。

読んでいただきありがとうございました。

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