物知りチェーリオ君はやっぱり男の子
チェーリオ君は言っていた。
『この街では記憶喪失者が出没する』 と……。
もしかしたら、あたしが記憶喪失なのも関係あるんじゃないか?
そう言えばあたし、自分が誰なのかを忘れていたのを思いだす。
自分の名前がエレナではないような、猛烈な違和感。
この独房に入れられた時に付けられた16号と言う名前の方がしっくりくる。
チェーリオ君にイロイロ聞いてみたかったのだが、その願いは叶わない。
「なぁあんた、宝物庫にいたんだってな? 教えろよ、宝物庫にはどうやって侵入した?!」
どうやって……? と言われても、あたしの場合は気が着いたら宝物庫の小部屋にいただけだ。
「ゼルダの宝物庫って、城と迷宮でつながってるんたよな。 オレも何回も挑戦してるけど、全然みつかんねえんだよ」
どうやらチェーリオ君、ゼルダ城の地下迷宮を抜けて宝物庫にチャレンジしていたらしい。
だけど残念。
チャレンジ中に衛兵にみつかりたどりつけなかつたらしい。
しかも、衛兵に見つかって記憶喪失を装いお咎めナシで収容となったとの事。
宝物庫からでた時は真っ赤に染まる夕陽が印象的だったけど、蝋燭一本での独房の中でチェーリオ君と二人、どれだけの時間が経ったのだろうか?
「なぁ、宝物庫の中には何かがあったんだ? 金貨はあったのか?それとも伝説の武器とかやばいモノもあったんじゃないか?」
チェーリオ君はやっぱり男の子だ。
男の子が求めるものはやっぱりこれよね。
チェーリオ君がこの街の事、人柄や風習、地域事情などを話してくれるのだが、先ほどから宝物庫の中についての事を聞いてくるばかりだった。
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