幕間編 取り調べその一
アサルトドア 番外編Aその 一
あたしはゼルダ城のどこかわからない、薄暗い一室にいた。
机の上の燭台を挟み、美形の女性が書類を書きながらタメ息を吐き、めんどくせぇ……。と呟いたのを聞き逃さなかった。
「まぁ、おまえがドコの誰だが知らないけど、これも仕事だからな……。」
と。
「私はゼルダ城地下牢獄看守官サラだ」
色のない掠れたような声で名乗る。
彼女の第一印象は見た目と年齢の割りに声が掠れた老婆のような声。
「貴様、あそこが立ち入り禁止の宝物庫だと知ってるか?!」
あらかじめ決められたような質問と、あたしがそこに居た事を問われる。
だけど、生憎とあたしには全く心辺りがなく全て首をふるしかなかった。
もちろんあたしの名前もきかれるけど、あたしはなにも覚えているはずもなく、キューブを持っているか? と聴かれるが、キューブって何? 首を振るしかなかった。
それ以外は、着ている物を全て脱がされ全身くまなく触られ
唯一サラが気になったのは胸を隠すためのブラジャーだったのだが、あたしはもちろんこのブラジャーの秘密を知っいて問い詰められた時には冷や汗ものだったのだが、あたしは知らないフリをして通した。
それよりもこれが女性専用の下着だというのに、サラは知らないのかしら?
そんな疑問もよそに、
サラはまぁいっか……。 と呟きそれ以上の指摘はなかった。
「おまえの名前は十六号だ。 覚えておけ」
何故か十六号と名付けられ、あたしはサラに連れられて人気の無い地下へと連行される。
通路は壁にかけられた燭台の灯りのみ、左右には中の様子が見える居室が並んでいるが人の気配は全くない。
あたしとサラの足音だけが異様に響き、それ以外はどこかでピチョーンと水滴が滴り落ちる音が聞こえるだけ。
終始無言のサラの後ろについていく。
枯れ果ててはいない艶やかな白髪が背中で揺れ、無駄な肉のない腰周りにたるんでもいないし拡がってもいない肉付きの良いおしりが揺れ、そこから生えるのはスラリと伸びる細い足。
声が異常に掠れていて老婆のように聞こえたけど、後ろから見たサラはスタイルもよく、若々しいかんじだった。
「ったく!全員解放できたと思えばまたかよ……。」
何をぶつぶついってるのかわからないけど、サラがその場でピタリと止まると1つの居室に案内されて、あたしはそこに閉じ込められる。
ーーガシャン!ーー