「あなたの名前はエレナ=ミラージュ=セレアナ」 あたしのそっくりさんが必死で呟く
肌の色も髪の色も瞳の色、乳首の色に至るまで!全く同じ。
「ちょっ……、ちょっと待って!」
と、あたしは鏡から出て来たあたしに叫び、ドスンッとその場におしりから落ちる。
重量感たっぷりの形のいい乳房をたゆんたゆんと揺らしながらあたしに近付くそっくりさん。
「イヤァ! ャ……、ヤメテ! こないで!」
必死の抵抗も虚しく彼女は表情を変えることなく、一歩、二歩……。
…………。
彼女はそのままあたしの背中に周り込むと、後ろから包み込むように抱きしめてくる。
ひんやりとした彼女の身体があたしを包み込む。
あたしの意識が遠退く直前、背後から耳元に熱い吐息を吹きかけながら呟く。
「貴方の名前はエレナ。 エレナ=ミラージュ=セレアナ……」
察しの通りあたしはこの手の怪奇現象は全くダメだ。
彼女があたしに近付いてきた時点で気を失いかけていたのだが、
頭をはさむように、ひんやりとした柔らかい感触にがあたしを現実世界に引き戻していた。
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