ここはドコ?あたしは誰? 見知らぬ部屋に怪しく光る鏡。あたし、全裸なんだけど
アサルトドアのシリーズが異世界転移のおはなしになりました。
読みやすさを意識して一人称で書いております
「ここは……どこ……?」
目が覚めるとあたしは見知らぬ部屋に居た。
見覚えのない暗い天井に、外部からの光が一切ない壁に、差し込む灯りもない出入口。
「うーん……」
あるのは大きな鏡一枚と、あたしがいつの間にかそこで眠っていたベットのみ。
全く見覚えのない一室。
一切の音もなく静まりかえっていた。
ただ1つ、大きな鏡がぼんやりと瞬いている。
鏡に写るそれが自分自身の顔と肢体。
大きな瞳が特徴の少し赤味のある腰まである黒髪、傷1つない陶器のような白い肌にスラッとした体型、大事に育ててきた大きな乳房と黒ずんでいない桃色の先端。
一糸纏わぬ姿、全裸のあたし……。
というかあたしが何故ここに居るのか?
ここはどこ? それ以前に直前の記憶が全くない。
しかも、自分が誰なのかすらわからない。
俗に言うTHE! 記憶喪失。
胸を持ち上げるように腕を組み首を傾げるけど全く記憶がございません。
「うーん……。一体何がどうなってるの? 」
鏡に写る自分と見つめ合っていると妙に引き込まれる不思議な感触があったが、
腕にのしかかる自分の乳房の重みを感じて現実に引き戻される。
ペタペタと鏡に手を付いて触れて見るが、種も仕掛けもないひんやりとした鏡。
自分と向気合いながら鏡とにらめっこしていたときだった。
ーーエレナーー
あたしの耳に誰かの名前が呼ばれると同時、
鏡に写る自分がグニャリと歪み渦を巻く。
「おっ、オバケ?」
鏡から灰色のような手が伸びると、水面から浮かびあがるかのように見知った顔の人物。
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