閑話 今までで一番
会議室での会議が終わり、我・宰川殿・伊海殿・獅電殿・久遠殿・坂本・右京による無駄話が始まった。
久遠「なぁ、宰川軍の中で強さの順位をつけるとしたらどんな感じになると思う?」
宰川「面白そうな話題だな。考えてみよう」
伊海「上位十名を決めてみますか?」
我「賛成だ」
宰川「一位は獅電で良いだろう。実績、実力ともに圧倒的首位だ」
獅電以外「異論なし」
坂本「こいつ怖かったよ初めてみたとき・・ひと目見た時点で勝てないと思った」
右京「腰抜けが」
坂本「そういうお前だって戦えないだろ?」
右京「うっ、うーむ・・・・」
獅電「皆がそれで納得できるのなら、それで構わない」
獅電殿は謙虚だ。
我「二位が悩みどころだ」
久遠「うーん・・晃牙、清次、雷煌、直政あたりが競合するよな」
獅電「流石に晃牙では? 晃牙が苦戦している所を見たことがない」
伊海「そうですね・・目立ちませんが常に戦場で活躍しています」
宰川「では決まりだ。三位は?」
獅電「直政だろう。流石に雷煌と清次でも一歩及ばないと思うが」
我「清次は判断力が低すぎる。かなり大きな弱点だ」
久遠「まぁ、それも良いところだと思うけどな。熱い男だよ、あいつは!」
宰川「うむ。四位は・・」
久遠「才能だったら雷煌、実戦の強さは清次じゃないか? 甲乙つけがたいな・・」
宰川「雷煌は術無しでの戦闘が少し心もとない。だが、清次は術なしで忠勝と張り合っていた。清次が四位で良いだろう」
伊海「そうですね」
我「五位が雷煌か。一騎打ちでの強さはずば抜けているが、やはり体力と力で押し負けやすい」
宰川「六位は繭だろう。山河軍の中でも頭一つ抜けた優秀さだ」
獅電「適当になってきたな。七位から一気に難しくなるぞ。久遠、剛斗、将英、忠勝、信雄など強い兵士が目白押しだ」
久遠「単純な戦闘能力でいえば剛斗が上位に入ってくると思うが・・あいつは頭脳が無いに等しいからな・・」
我「的確な指示を出せる人間が近くにいると剛斗は一気に化ける。他人に依存しがちという点では少し評価も下がると思うが」
宰川「忠勝か将英ではないか?」
獅電「忠勝は人を殺せないから消去法で将英になる。欠点のない兵士だし七位で問題ないだろう」
久遠「ああ。八位は・・剛斗か信雄じゃないか?」
我「伸び代を含めて考えると信雄だ。剛斗はこの先衰えていく可能性が高いからな」
宰川「信雄か。九位・・久遠か剛斗だが」
久遠「オレよりも剛斗の方が絶対に強い! オレは十位でいいよ」
我「わかった」
『我らが考えた宰川軍のつよいひと上位十名」
一位・獅電
二位・晃牙
三位・直政
四位・清次
五位・雷煌
六位・繭
七位・将英
八位・信雄
九位・剛斗
十位・久遠
宰川「だが、実際は相性や状況も大きく勝敗に関わってくる。必ずしも上位の者が勝つとは限らない」
獅電「ああ。俺と雷煌が戦うときっと俺が刀を抜く前に斬られる」
獅電殿であればそれはないだろう。と思ってしまった。
坂本「いや、お前が勝つだろどうせ」
獅電「適当を言うのは辞めてくれ」
坂本「えっ? 皆もそう思うよな?」
助けを求めるな。
右京「まぁ・・難しいところだな」
適当に流すなハゲ。
*
休日だ。俺たちはずっと広間でくつろいでいる。
外に出る気力もないし・・今日はだらっと過ごすか。
俺「おい! 今まで出会った中で一番綺麗だった、もしくは可愛いと思った女性を挙げてこうぜ」
霧島「お前キメェよ」
俺「えぇ!?」
翔斗「少しは思いやりを学ぶべきだな。清次は」
非難轟々。
火蓮「妾は賛成じゃ」
了斎「はぁ・・わしは結城さんだ」
い、言ったぁぁぁぁ!!真っ先に言ったぁ!!!!
俺「やっぱり好きだったんだなぁお前! 人妻狙うゲス男が!!!」
了斎「本気で清次を殺したいと思ったのは今回が初めてだよ」
俺「ごめん、落ち着いてくれ。悪かった。俺お前にだけは嫌われたくないんだよ」
了斎「はぁ・・どうしようもないな本当に」
霧島「そういう清次は誰なんだよ?」
俺「えっ・・・・結城さん」
霧島「終わってるわお前ら二人」
仕方ないだろ・・すげぇ美人だったじゃん結城さん。
翔斗「霧島は?」
霧島「言いたくねぇよ」
俺「おっ、てことは居るんだな?」
霧島「そりゃ・・可愛いと思うやつくらい居る」
気になるなぁ・・あんなに人を好きにならない霧島が可愛いと思う女性。
華城「ただいま」
戸を開けて言った。
全「おかえり」
華城「皆揃ってたのか。何の話をしてた?」
俺「華城、霧島が一番可愛いと思ってる女の人って誰だと思う?」
華城「霧島か・・どうせ茜とかその辺りだろう」
顎に手を当てていった。
俺「どうなんだ、霧島」
雷煌「顔赤くなってますよ!!!」
皆が霧島の顔を見た瞬間、霧島が姿を消した。
翔斗「瞬間移動で逃げたな」
俺「霧島ー!! 戻ってこーい!」
すると、また瞬間移動で広間に戻ってきた。
霧島「正解」
将英「霧島と茜。お似合いだと思うけどな」
霧島「おい! 可愛いと思ってるってだけだぞ」
俺「ふーん」
了斎「でもやっぱり一番気になるのは・・華城だよな」
俺「華城に『かわいい』なんて感性、残ってんのか?」
華城「馬鹿言うな。あるよ。可愛いと思う人くらい・・いる」
霧島「へ、いんの?」
華城「悪いか?」
俺「良いと思うけど・・」
意外すぎる。
華城「春日」
!?!?!?!?!?!?
了斎「よく言った華城!!! 流石は蒼天幕府最高職老中」
華城「よせ」
華城はあまり気にしていなさそうだった。
将英「ちなみに、何か理由はあるのか?」
華城「我のような根暗な人間と真逆ですごく魅力的に見えたんだ」
おぉ・・ちゃんとしてる・・
火蓮「女は華城のような男を選ぶべきじゃな」
華城「まだ言ってないのは?」
雷煌「僕です!」
俺「雷煌なんてそこらの女子より可愛いからな・・基準が高いんじゃないか?」
雷煌「そんなことないです」
火蓮「どうせ妾じゃろ!!」
雷煌を揺すぶりながら言った。
雷煌「ごめんなさい、春日さんです」
俺「どっひゃー!!!」
霧島「清次、全体的に反応がジジくせぇな」
俺「え、本当? 気をつける」
将英「翔斗はどうなんだ?」
翔斗「おいらは最初から美月一筋だ」
俺「あぁ・・」
了斎「確かに、美人だったな・・」
翔斗「変な空気にして申し訳ない。ただ、どちらかがいつか死んでしまうとは思っていた。あまり気を使わないでくれ」
俺「そうか・・」
将英「すまんが、オレは本当にいない」
俺「あぁ・・・・」
霧島「本当の本当か?」
将英「ああ」
霧島「本当の本当の本当の本当の本当の」
将英「わかった、言う」
折れるの早いな。
まぁ、霧島は逃してくれないから・・・・
将英「京夏」
おっと・・?
霧島「うわ、真栄田に怒られるぞ~お前」
将英「そ、そうか」
俺「剛斗は?」
剛斗「オレは全員美人だと思ってるぜ!!!!!」
剛斗は本心で言ってそうだな。
火蓮「女心を分かっておるな」
俺「それは俺もそうだろ」
火蓮「清次は論外じゃ」
酷くない?
雷煌「火蓮さんは居ないんですか?」
火蓮「妾は男と女どちらも恋愛対象なんじゃが・・やっぱり清次じゃな」
俺「はぁ? こっちから願い下げだよ」
火蓮「最低じゃな」
了斎「清次、口ではそんなこと言ってるけど火蓮が敵にやられた時はわしらの意見も押し切って助けてたからな・・」
火蓮「本当に、罪な男じゃ」
霧島「お前ら付き合っちゃえよー」
一番クソだこいつ。
将英「そっとしておこう。あまりこちらが口を出すことでもない」
その言い方だと語弊がある!!!
火蓮「そうじゃな。後で清次と部屋でみっちり話し合うことにする」
俺「おい!」
華城「お幸せに。別に宰川軍は恋愛も黙認されている」
押し切られたな。俺の負けだ。
雷煌「え、結局本気なんですか?」
火蓮「そうじゃ」
何事もなかったかのように言う。
俺「んなわけ」
雷煌「清次さんと出会ってすぐの頃、火蓮さんが嬉しそうに『初めて普通の友達になってくれた!』って言ってきましたよ」
火蓮「雷煌!!」
俺「お前俺のこと好きすぎだろ」
*
夜になって、部屋でくつろいでいると戸が開いた。
霧島「んで、結局火蓮のことをどう思ってんだ?」
俺「友達」
*
雷煌「火蓮さん、本当は清次さんをどう思ってるんですか?」
妾「友達じゃ」
*
霧島「おもんねぇー!!!!!」
雷煌「面白くない!!!!!!」
部屋から大きな声が聞こえてきた。
了斎「馬鹿だな、全員」




