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戦国の術師  作者: 葉泪 秋
天下統一編

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八十四話 強襲

久遠「何だと!?」

南西は領地内で最も無防備だ。

南西からの敵襲は可能性が低いと思い、守備を薄くしていた。


宰川「梶田軍兵士を千人送り込め。今すぐだ」


兵士「はっ!」


我「凜花、同期に連絡し、南西へ移動させろ」


伊海「しかし、既に虎影は別の連絡を・・」


凜花「ボク、虎以外も出せます!!」

凜花の足元から馬が出てきた。


我「おい、そこの馬。今すぐに同期へ連絡しろ」


馬「私の名前は馬ではなく・・」


我「早くしろ。時間がないんだ」

馬のケツを蹴った。


凜花「ちょっと! 蹴らないでくださいよ!」


我「あぁ・・悪かった」

あとは・・彰たちか。


我「彰と茜は馬で戦線へ向かってくれ。信頼しているぞ」


彰「はい!!」

二人が走って城を出ていった。


獅電「俺と久遠も戦線に向かう。三人は各地に連絡と指示を頼んだ」


宰川「健闘を祈る」


梶田軍兵士であればおそらく一万人の兵士にも惨敗はしない。

忠勝と直政も戦場へ向かわせるか・・?いや、二人の今後を考えると無闇に戦わせられない。


大きな音を立てて何者かが城へ入ってきた。


虎影「敵襲の連絡を受けたのだが、状況はどうなっている?」


我「今、獅電殿と久遠殿が向かった。同期は今どうしている?」


虎影「一応、獅電や久遠とともに戦場へ向かわせた」

よくやった・・!!


宰川「ご苦労。では、主力部隊を全員南方へ集結させろ」


我「全員集めて良いのか? 別方向からも攻められるかもしれないぞ」


宰川「別方向から?」


我「ああ。『一万人も送ればそっちが主戦場だと思うだろう』という浅はかな陽動作戦かもしれない」


宰川「見張りを強化しよう。敵を発見したらすぐに一部の幹部をこちらへ戻らせる」


我「ああ。それがいい」


      *


俺「何で今なんだよ?!」

おかしいだろ、しかも敵数一万って・・複数の軍が組んでやってきやがったのか? 

南方は防衛の兵士が少ない。おそらくあっという間にやられちまうだろう。

早く俺たちが向かわねぇと・・!


霧島「まぁ、来ちまったもんはしょうがねぇよ。俺たちに出来ることは被害を最小限に抑える、これだけだろ?」


俺「ああ、そうだな・・」


獅電「清次は可能な限り直接の戦闘を控えろ。地割れの方が有効だ」

敵も多いしな・・


了斎「火蓮、久しぶりにわしらの出番だぞ」


火蓮「そうじゃな、楽しみじゃ」

久々に炎の術が大活躍するだろうな。

きっと質の低い兵士がわんさかいるぞ・・


久遠「見えてきた。では、集団戦担当の者は常に獅電や剛斗の後ろにつくように。雷煌は体力を酷使しないようにな」


雷煌「はい!」


獅電「じゃあ行くぞ、剛斗」


剛斗「おう!!!」

二人が先陣を切って戦線に向かっていく。


翔斗「おいらは清次を守る!」

頼もしいが・・俺はとうとう守られる皮になっちまったか。


俺「よーし」

伸びをして、指の骨を鳴らした。

始めるか、勝ち戦を!!!


俺「はっ!!」

一回の地割れで倒せるのは百人程度か。


俺「行け了斎!」


了斎「もう少し手応えのある相手が良かったな」

敵軍兵士が業火に包まれていく。


獅電さんは流石だな。圧倒的な速度で敵を殺し続けている。


霧島「ああもう邪魔くせぇ! 死んでくれ!」

着実に敵を殺してるな、いい感じだ。


俺「翔斗、俺は片腕でも戦える。久遠さんを守ってくれ」


翔斗「絶対に無理をするなよ」


俺「ああ!」


剛斗のそばに針を出した。これだけで理解ってくれると良いんだが・・


剛斗「オラァァァ!!」

針を引っこ抜いて敵に投げ始めた。

よかった、わかってくれた!


敵軍兵士「若いなぁ、羨ましいなぁ・・!!」

やけに老けた兵士が近寄ってきた。


俺「死にたくねぇならここを離れな、ジジイ」


敵軍兵士「そうかぁ・・」

待て、こいつの刀・・おかしいぞ?

何がまとわりついてんのかは知らねぇが、明らかに普通じゃねぇ。

『禍』という言葉が似合う見た目だ。


敵軍兵士「若いやつの血をもっとこいつに吸わせてやらねぇとなぁ・・!」

敵の目の色が変わった。


俺「ぐっ・・!」

くそ、コイツは刀が本体なのか・・?


宰川軍兵士「清次様! お助け致します!!」


俺「馬鹿、待て!!」

すぐに味方は殺された。

だから近づくなと・・


敵軍兵士「こんな弱い奴の血はいらねぇよなぁ・・」


俺「殺す前に聞いておきたい、お前の刀は何だ?」


敵軍兵士「この刀は敵を殺せば殺すほど強くなるんだ・・もう俺が動かなくてもいいくらいになぁ・・」


俺「刀に支配されてんのか、哀れな野郎だな」


敵軍兵士「あふぇかをふぉえああふぁ!!!!」

奇声を上げながら斬りかかってきた。


俺「何なんだ!!」

針で腹を貫通させた。流石にこれで終わりだろ・・


敵軍兵士「いいね・・いいよぉ!!」

気味が悪いなコイツ。


宰川軍兵士「僕がとどめを刺します!!」


俺「だから近づくなって!!!」


宰川軍「ごふっ・・」

また殺された。馬鹿しか居ねぇのか? 

・・馬鹿は俺も同じか。


敵軍兵士「今のやつの血は悪くなかった・・」


俺「もう殺すけど、言い残すことはないか?」


敵軍兵士「もっと吸わせろ・・もっと・・!!」


俺「雷煌!! 居るかー?」

戦場でも聞こえるほどの声を上げた。


光がこちらへ迫ってくる。伝わったみたいだな。


雷煌「どうしましたか?」


俺「コイツの手首だけを斬って、刀を落としたいんだ。出来るか?」


雷煌「はい、おそらく・・何ですか、この刀は?」


俺「血を吸うとか何とか言ってやがったが、詳細は分からない」


雷煌「とりあえず、斬ってみます」

目にも止まらぬ速さで敵の手が落ちた。


敵軍兵士「ぐあああ!」


俺「・・死んだか・」

兵士が動かなくなった。


雷煌「この刀は結局・・」


俺「触るな!!」


雷煌「え・・?」


俺「悪い、大きい声出ちまった。多分この刀は、持ったやつを支配するんだ。さっきのやつも、最終的には人でなくなってしまっていた」


雷煌「この刀を一度握ったら終わりなんですかね」


俺「ああ、おそらく。さっきのやつもこの刀が体から離れた瞬間死んだ」

豪の兵士が俺たちのところへ近づいてきた。


豪の兵士「何ですか、この刀は?」


俺「詳しくはわからない。だが、絶対に触ってはいけない。人じゃなくなる」


豪の兵士「なるほど・・しかし、どうするのですか? ここに放っておいてはまた誰かが拾ってしまいます」


俺「そうだな・・」

刀を手にした人間を殺しても、刀はそのままだ。根本的な解決にはならない。


俺「とにかく、この刀を敵にも味方にも触れさせないようにするぞ!」


雷煌・豪の兵士「了解!」

誰も刀に近づけないように戦い続けた。

戦っている間も、少しずつ刀は動いている。


 五分ほど死守していると、増援がやってきた。


蒼月「戦況はどうでござるか?」


俺「悪くない、俺たちが来てからは優勢だ。人数差はさておき」


蒼月「そうでござるか・・」


俺「あと、その刀は触らないようにしてくれ」


蒼月「どうしてでござる?」


俺「触ったら死ぬと思え」


蒼月「そんなものが・・」

この刀の脅威をわかりやすく伝えられないのがむず痒い。


 その後も主力部隊が続々と集結し、敵数はみるみる減っていった。


久遠「うーん、この特攻は何が目的だったのだろうか」

腕を組みながら言っていた。


俺「分からないな・・作戦も敵の質もお粗末すぎる。ヤケクソでやったのかもな」


久遠「いや、これは何かの罠が気がしてならない」


俺「罠って・・具体的にどんな?」


久遠「一万人も送っておけばこっちに戦力を割くだろう? それを見越して囮の大群を送り込み、別方向から攻める。これが相手の算段なのかもしれない」


俺「その、別方向から攻める奴らは強いかもしれない」


久遠「ああ。だが、その作戦も華城なら考え至るだろう。オレたちは指示を待つだけだ」


俺「そうだな!」


春日「皆大丈夫ー?」

馬に乗り、手を振りながらやってきた。

何でそんなに呑気でいられる?


俺「大丈夫だ。春日、一つ頼みがあって・・」


春日「どうしたの?」


俺「この刀を鋼糸でぐるぐる巻きにしてくれ。危険物なんだ」

足元の刀を指さした。


春日「いいけど・・はい」


俺「ありがとう・・でも、もうちょっときつい方が良いかも」


春日「はーい」

ぱっと見、刀には見えないくらいにはなった。

ひとまずはこれでいいか・・


虎影「華城から伝言だ。獅電・清次・了斎・雷煌は直ちに城へ戻れ。爲田城の東に敵を発見した」


久遠「クソ・・やはりその作戦だったか」


春日「その作戦って?」


俺「二人を呼んでくる!」


春日「えーちょっと待って? 作戦って何ー?」

春日の声がだんだんと遠ざかっていった。


 俺は雷煌とともに戦場を駆け回って二人を連れてきた。


獅電「ここは任せたぞ。久遠」


久遠「ああ、大丈夫さ」


春日「で、結局作戦は」


俺「じゃあ、城に戻ろう」

馬で城に向かって走り始めた。


了斎「どうしてこの四人なんだ?」


俺「獅電さんと雷煌が居れば何とかなるってことだろうな」


了斎「わしらは?」


俺「俺と了斎は二人で一つだからな。とりあえず連れてきたんだろう」


了斎「そうか」


 城に行く途中、町に異変はなかった。


獅電「まだ敵は到着してないようだ」


俺「じゃあ、城に戻るか・・」


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