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戦国の術師  作者: 葉泪 秋
天下統一編

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七十五話 浄土

梶田軍兵士「うおおおおお!!」


俺「あばよ!」

城の方へ放り投げておいた。


武士と戦うのは昨日が初めてだったが、所詮この程度か?


術師団員「副団長、やはり我々の術は効かない模様です」


俺「そうか・・やはり術への耐性は身に付いていると。分かった、下がってろ。お前らは俺が守る」


術師団員「感謝いたします!」


もっと強いやつが出てきたら楽しめるんだがな・・


      *


僕「剛斗さん強いですね・・」


美咲「でも、剛斗の戦い方は真似しちゃいけないからね」


僕「それは分かってます」


木を敵の足元に生やせば、大抵の人は一撃で死ぬ。

この術は連発できないのと、生やす位置を常に考えなければいけないのは数少ない弱点だ。


蒼月「また敵襲でござるな・・北西でござる!」


全「了解!」


剛斗以外は単体戦での決定打に欠けるので、少し苦戦している。


美咲「はぁぁぁああ!!」

敵の両腕を斬り、蹴りを食らわしていた。


僕「すご」


梶田軍兵士「余所見してんじゃねぇ!」


声を荒らげながらこちらに向かってくる。


僕「よっと!」

攻撃をかわし、敵のへそから首にかけて斬り上げた。


僕「ふぅ・・体が小さくてよかった」


      *


榊原「再び俺様のところへやってくるとは・・愚か者が」


春日「アハハ、前回、連れて行かれる寸前だったのに? 面白い冗談言うね~あんた」


榊原の鋭い眼光がこちらに突き刺さる。


僕「へ・・・・」

全身から力が抜ける。

何だこの重圧は・・・・


晃牙「大丈夫」

晃牙さんが僕の隣にしゃがみこんだ。


晃牙「雷煌、斬る・・出来なく・・ても、皆、いる」


そうだ・・これは集団戦。協力しなければ!

全てが僕一人の責任な訳では無い。あまり気負わないようにしよう。


僕「はい!」


春日「ほら、もたもたしているとまた巻かれちゃうよ?」

春日さんが榊原に鋼糸を巻き付けた。


春日「何っ・・・・」

糸がすぐに切れた。


晃牙「下がって」


僕は高速移動で一度退いた。


春日「あいつの鎧には無数の針がついてた。多分、初対面のときとは武具が変わってるね・・」


俊平「糸を巻くことは出来ないってことか・・」


僕「一度、僕と美月さんで斬れるか試してみましょう」


晃牙「俺、守る」


俊平「オレもやるよ!」


春日「もちろん私も補助する!」


高速移動も連続で使えるようになってきた。本当に危なくなったら逃げてしまえば良い。


美月「じゃあ、行くわよ雷煌!」


僕「はい!」


榊原の攻撃は単調な大振りだ。その上、大太刀での攻撃なので予想外の動きもない。

これならば避けるのも容易だ。


僕「はっ!」

膝裏を狙い、雷刀で試しの一発。


手応えは無かった。刀が鎧に打つかる音のみが響く。


僕「くっ・・」

雷刀は通さないか・・まぁ、想定内だ。


晃牙「効いてない」


僕「そうですね・・」

鎧の少ない場所を手当り次第狙っていこう。

次は・・脇付近だ。


美月「アタシは脇を狙うわ!!」

脇の次は・・首か。


僕「了解!」


同時に斬りかかった。


榊原「効かぬ!」

腕で首を守られた。

駄目だ、鎧を身に着けた腕で庇われるとどこを斬ることも出来ない!


美月「なるほど・・相当優秀な鎧ね。技術者がいるの?」


榊原「無駄口を叩くんじゃねぇ」

大太刀を振り回した。


僕「危ない!」


高速移動で逃し、なんとか春日さんを守った。


美月「晃牙と春日で時間を稼いで。きっと二人なら大丈夫。アタシと雷煌が隙を突いて関節部分を狙うわ」


おそらく、この五人で完全に榊原を討伐することは出来ない。

救援を要請するなら早い方がいい、アストリアさんに連絡しよう。


僕「少しの間、僕はここで観察しておきます」


春日「分かった。何か気づいたことがあれば伝えて!」


僕「はい!」


三人が走り始めると同時に笛を鳴らした。


アストリア「こちらアストリア。要件は?」


僕「榊原と交戦中ですが、四人での討伐は困難だと判断しました。救援を要請します」


アストリア「了解。連絡から到着まで十分はかかると思われますが、耐えられそうですか?」


僕「耐えるだけなら問題ありません!」


アストリア「了解、健闘を祈ります」


      *


 雷煌との接続が切れた。


僕「と言っても・・」


宰川「誰を向かわせる?」


翔斗「美咲たちの班を・・」


華城「いや、繭の班だ」


宰川「繭を四天王と戦わせるのは危険では?」


華城「一昨晩の雷煌との戦いを見ただろう。戦闘能力は健在だ。久遠殿の指示があれば問題はない」


宰川「そうか・・」


翔斗「華城がそう言うのであれば」


華城「その言い方はやめてくれ」


アストリア「連絡しますね」


      *


久遠「待て、アストリアから連絡だ」


わし「あっちから連絡が来たのか?」


久遠「ああ」


久遠さんが馬を降りた。


久遠「アストリアか? 連絡内容を頼む」


アストリア「美月の班が榊原と対峙していますが、五人での討伐は厳しいようです。増援をお願い致します」


久遠「了解。榊原の位置は?」


アストリア「羽音の持つ地図に位置を表示させました。それでは、ご武運を」


将英「内容は何だった?」


久遠「榊原と美月の班が戦ってるみたいだが、苦戦しているらしい。羽音! 地図を確認してくれ」


羽音「はい!」

羽音は地図を出した。


わし「これが榊原の位置か?」


久遠「ああ。そして現在地は・・ここだな」


羽音「十分はかかりそうですね・・」


久遠「将英、行くぞ」


将英「ああ」


風刃術で増援に向かった。


 道中、豪の武士の死体を見かけた。

やはり、梶田軍との戦ならば犠牲者も出るか・・・・

誰か強力な武士を梶田軍から引っこ抜けたら良いんだけどな・・


      *


俺「宰川殿!」


忠勝を連れ、俺たちは本部に戻ってきた。

まぁ・・勝利と言えるだろう。俺が軽傷で豊さんが重傷。霧島と獅電さんは無傷か。

四天王と戦ってこれなら上々だ。


宰川「よくぞ戻ってきた」


華城「清次の後ろにいるのが忠勝か?」


獅電「ああ。尋問は後でするとして、豊と清次の治療をしろ」


風雅「了解っす」


俺の傷はたちどころに治ったが、豊さんの傷はなかなか治らなかった。


霧島「治ってねぇな・・」


翔斗「何故だ? 術の効き目に年齢は関係するのか?」


神楽「わかりません。私たちはご年配の方を治療したことがありませんので・・」


豊「げほっ」

豊さんが吐血した。


俺「豊さん!」


獅電「おそらく内臓まで損傷している。治療が出来ないのなら、豊の死も時間の問題だ」


神楽「大丈夫です! 絶対に治ります・・!」

二人が必死に術を使う。


アストリア「非常に申し上げにくいのですが・・・・」

小さく手を上げながら言った。


宰川「どうした?」


アストリア「星界術師団に、ディーゼルという術の学者が居ます。遺跡や古代文献の調査で術の起源を探っているのですが・・」


俺「それがどうしたんだ?」


アストリア「治療に関する魔法の概要が書かれた文献がありました。そして、そこには『治療に関する術は治療を受けるものの寿命を削って傷を治している』といった内容が書かれていたんです」


霧島「何だと・・?」


華城「つまり・・傷を治せば治すほどそいつの寿命は短くなっていくのか?」


アストリア「その情報はまだ確定していませんが・・豊さんには、もう傷を治すのに必要は『寿命』が残っていないと考えると辻褄が合います」


豊「ワシの傷は・・治らんのか・・」


俺「でも・・まだ可能性だろ! それが真実とは限らねぇ! 絶対に治る!」


豊「皆に・・聞いてほしいことがある・・」

それ、死ぬ時に言う台詞じゃねぇか・・まだ死なないでくれ、豊さん!


豊「どうやらワシは、時代が変わる瞬間をこの目で確かめることは出来ないらしい・・・・」


俺「そんなことな・・」


霧島「最後まで聞いてやれ」


豊「じゃが、ワシは信じておる。宰川、獅電、華城、久遠、清次。そして、協力してくれているすべての者が、時代を変えてくれると・・」

風雅が鼻をすすった。


宰川「浄土に行ったら、真栄田に説教してやってくれ」


豊「ホッホ、ワシと真栄田が行くのはきっと地獄じゃよ・・・・」


獅電「・・呼吸が止まった」


俺「豊さん・・・・」


華城「これによって、忠勝の扱いは『豊を殺した者』となるが分かっているな?」


忠勝「はっ・・・・」


獅電「華城、その辺にしておけ。細かい話は後だ」


華城「・・そうか」


獅電「俺たちは直政を倒しに行く」





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