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戦国の術師  作者: 葉泪 秋
天下統一編

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六十二話 久しぶり

剛斗「はぁ!?」


獅電「落ち着け剛斗。これはまずいことになっちまったな・・」

繭に記憶がどれくらい残っているかは分からない。

唯一言えることがあるとすれば、俺たちを認識できないくらいに記憶を失ったってことだけだ。


伊海「これは大変です・・私たちを味方と認識していません」

かといって、諭せるような状況でもない。


俺「どうすんだ華城!」


華城「とにかく、こちらに敵意がないことを示す。全員刀を捨てろ」

その言葉を聞いて、俺たちは刀を地面に落とした。


宰川「今君はとても混乱しているかもしれないが、俺たちは君の敵ではない。味方だ」


繭「刀を捨てたって俺は信用しねぇぞ・・俺を騙して殺そうとしてるんだろ!」

一人称も俺に変わっている。

完全に記憶はなくなっちまったのか?


羽音「繭! しっかり!!」

羽音の言葉で何とか記憶を取り戻してくれ・・・・!


繭「さっきから繭ってなんだよ!!」

名前まで忘れちまったのか?


豊「お主の名前じゃよ」


繭「俺の名前? 嘘をつくな。俺の名前は・・・・・・」

言葉が詰まった。

そうだ。思い出せないだろ?当然だ。記憶を失っているんだからな。


霧島「ここでなんとか記憶喪失に気づいてくれねぇか・・?」


俺「・・な? 分かっただろ? お前は記憶喪失なんだ。もともと繭は俺たちの仲間で・・」


繭「俺が記憶喪失だとしても、お前らの仲間にはならん!!」

繭が捨て身の特攻をしてきた。


繭「俺を騙そうとするんじゃねぇ!!」


その瞬間、繭が激しく転倒した。


繭「ぐぁっ! くっそ・・」

おそらく繭は自分が術を使えることも忘れている。

まともに戦ったら間違いなく即死だ。


春日「ごめん! 本当はこんなこと繭にしたくないんだけど・・」

繭の手足を鋼糸で縛った。


繭「はぁ・・もういいよ。好きにしてくれ」


華城「悪いな、羽音。こんな姿を見たくはなかったと思うんだが」

愛する人が記憶を失う苦痛は計り知れない。

こんなことになるならいっそ蘇生せずに・・・・


俺「駄目駄目駄目!!」

こんなのクズの考えることだ。

希望を捨てちゃいけない。


了斎「急にどうした?」


俺「悪い・・なんでもない」


宰川「とりあえず、繭の怪我を治してやれ」


神楽「はっ」


俊平「ごめん、戦うのは嫌だったから繭の進行方向にいくつか小石を生み出しておいた。それで転ばせちゃったんだ」

戦うよりよっぽどマシだ。


繭「・・けがが治ってる」

少し繭も落ち着いたようだ。


華城「話を聞く気になったか?」


繭「まぁ・・少し」


宰川「少しで十分だ。ここは危ないから少し離れよう」

 

 繭の足だけ解放し、今日の拠点まで連れてきた。


美月「今日の話は長くなりそうだから・・」

丸太の椅子を作ってくれた。


俺「ありがとう。今日はじっくり話そうぜ」


華城「最重要事項は・・」


宰川「美咲と繭に現状を説明することだな」

美咲は少し話すだけで理解してくれると思うが、問題は繭だ。


宰川「とりあえず、君は俺の率いる宰川軍の武士である繭だ」

こちらの味方だということを理解してもらわないと・・・・


繭「俺が武士になるなんて考えられないが・・?」

まあ、武士はそもそも自分の意志で武士になってないからな・・

羽音に生い立ちから説明してもらわないと厳しいか。


俺「羽音が説明してやってくれないか?」


華城「そうだな。我らが説明できることには限界がある」


羽音「わかりました! 繭、おいで」


繭「本当に俺を騙そうとしてないんだな・・?」

疑り深いなぁ・・


羽音「大丈夫。私が言ってるんだから・・」


繭「お前は誰なんだ・・?」

この一言が一番悲しいだろうな・・・・・・


美月「繭、そんなこと言っちゃ・・」


羽音「大丈夫。とりあえずあっちに行くよ、繭」


繭「わかったよ・・」


二人が木陰に向かって歩いていった。


 あとは美咲への説明か。


久遠「どこまで記憶が残ってる?」


美咲「どれくらい私が記憶を失っているのか分からないんだけど・・」

確かにそうか。


俺「じゃあ、濱田軍との記憶は残ってるか? 真栄田が死んだこととかは覚えてるか?」


美咲「知らない・・真栄田さん亡くなったの!?」

美咲が大きくのけぞった。

椅子から落ちちまうぞ?


霧島「死んだよ、アイツ」

言い方!


美咲「そうなんだ・・悲しい・・・・」


久遠「今やってる戦の記憶も無いか。じゃあもう一回説明をし直そう」


戦の前に伝えた作戦をもう一度華城が説明した。


美咲「了解」


将英「これで今日の報告ができるようになったな」


久遠「誰から報告する?」


俺「俺でいいか?」


久遠「わかった」


俺「まず、四天王の一人と戦ったよ」


獅電「忠勝だ」


宰川「四天王の中では弱いほうだが・・どうだった?」


俺「今まで戦ってきた奴らとは比べ物にならない。俺も死にかけたんだぞ!!」


翔斗「ただ、清次は一人でそいつと渡り合えていたんだろ」


俺「そうだけどよぉ・・俺は勢いでなんとか耐えてただけだ。実力じゃ負けてる」


獅電「その通りだ」

獅電さんがなにか言いたげな顔をしている。


宰川「何だ、気づいたことがあるのか?」

宰川殿は察しが良いな。


獅電「忠勝が四天王で最も弱いと言われているが、きっとそれは忠勝のやる気がないだけだ。清次との戦いでも基本的には手を抜いて戦っていた」


俺「完全に舐めてかかってきてたな・・」


了斎「忠勝の真の実力は未知数ってことか?」


獅電「最弱どころか、他の四天王を上回る強さという可能性もある」


雷煌「結局、決着はついたんですか?」


俺「つかなかったよ。他の四天王が俺らの隙をついて連れて行ったらしい」

今考えてもイライラする。一人で最後まで戦えよ!

まぁ、戦ったら俺が死んでたかもしれねぇけど・・


獅電「まだ忠勝は生き残っている。要注意人物だ」


宰川「わかった。他に報告がある者は?」


了斎「わしらだな・・」


俺「了斎たちも四天王と戦ったんだって?」


信雄「はい。忠次という人でした」

忠次、か。


雷煌「最終的に僕たちは勝ったんですけど・・」


了斎「美咲がそこで一度死亡した」


美咲「私が!?」


了斎「ああ。治療班が間に合わなくてな・・」


宰川「まぁ、自分が死んだときの事を細かく知りたくはないだろう」


信雄「そうですね。やめておきましょう」


了斎「あともう一つ、聞き捨てならない情報が・・」


宰川「そんなに重要な情報が・・?」


了斎「いや、完全にわし個人の話なんだが・・」


獅電「構わん、話せ」


了斎「長らく会っていなかった兄についてだ」


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