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戦国の術師  作者: 葉泪 秋
天下統一編

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五十八話 難敵

信雄「霧島さん、美咲さんはどうですか?」

ため息をつきながら霧島が立ち上がった。


霧島「久遠さんを連れてこい」

ここで何故久遠さんが出てきた?


わし「久遠さんが今どこにいるか分からんぞ」


信雄「かと言って探さないわけにも行きませんよ。理由は後で聞くとして、久遠さんを探しましょう」


わし「わかったけど・・」


雷煌「霧島さん、指はどうしたんですか?」

よく見ると、霧島の右手の小指が無かった。


霧島「さっき忠次に斬られた。だが指一本くらい大したことない、さっさと探せ」


雷煌「あとで神楽さんたちも呼びましょう、そのままにしておくのは危ないです」


わし「じゃあ、美咲を守っておいてくれ」

久遠さん、どこに居るだろうか。


      *


獅電「清次。起きろ、清次ー」


俺「は、はい・・・・・・」

あー、体に力が入らない。


俺「起きられません」


獅電「まったく・・」

俺を木にもたれさせてくれた。


俺「忠勝に俺は勝ちましたか?」


獅電「勝っていない」


俺「何で!?」


獅電「お前が叫びながら忠次を斬ろうとしたところで、別の武士が出てきた。見た目からして四天王の野郎だろうが、このまま戦い続けるのは危険だと判断してお前を連れて逃げてきた」


俺「クソ・・・・忠勝は今どこに?」


獅電「おい、まさかもう一度戦うつもりか?」


俺「負けて逃げるなんて・・宰川殿に合わせる顔がありません」


獅電「今の状態で戦ったらお前の顔が無くなるぞ。今は大人しくしておくのが正解だ」

よく見ると、俺の体はズタボロだ。

傷まみれだし何箇所も斬られてる・・・・


俺「分かりました・・風雅たちはどこに居ますか?」


獅電「知らん」


俺「俺はまだ戦えます。この傷を治してもらったらもう一度忠勝のところに行きます」


獅電「その時は俺も戦おう」

心強い。

とりあえず、獅電さんの肩を借りて風雅たちを探した。


      *


我「宰川殿、敵軍がだいぶ減ってきたみたいだが」


宰川「そうだな。少しずつ進軍できている」

皆の情報が少ない。誰が今どこで戦っているのか知りたいところだが・・


翔斗「四天王が現れてもおかしくない頃合いだ。誰かに向かわせるべきだと思う」


宰川「豊と春日を向かわせろ」


翔斗「二人で足りるか?」


我「あの二人は対応力が特に高い。想定外の動きを見せる強敵にも立ち向かえるだろう」


翔斗「わかった。探してこよう」


      *


将英「本当に全員が強いな・・・・オレの体力も厳しくなってきた」


私「大丈夫? 私が代わるよ!」

五人の武士をぐるぐる巻きにした。


私「豊さん、やっちゃえ!」

豊さんが動けない五人をまとめて斬った。


将英「感謝する」


翔斗「ようやく見つけた!!」

翔斗じゃん、なんでここに来たんだろ・・宰川殿の護衛じゃなかったっけ。


将英「どうした? 翔斗」


翔斗「そろそろ四天王を探すべき、という宰川殿からの通達だ」


豊「四天王か・・・・特徴は覚えておる。邪魔者が減ってきた今こそ戦うべきじゃな」


私「わかった、ありがと翔斗。探してみる!」


翔斗が戻っていったのを見てから、三人で奔走した。


私「あ!! 蒼月じゃん!!」


蒼月「春日殿でござるか! 三人とも無事そうで何よりでござる」


将英「今、手が空いているのなら四天王を探すのに協力してくれないか」


蒼月「もちろんでござる。敵も段々と減ってきたでござるからな・・」


私「じゃあ、蒼月、探してみて!」

風雷術で蒼月が人の動きを読み取る。

やっぱり強者は空気が違うのかな?


蒼月「見つけたでござる! というか、すぐそばにいるでござる!」


私「嘘でしょ!? どこ!?」


蒼月「ここから南東に二歩ほど歩いたところでござる」


私「それ豊さんじゃん!!」

何やってるの?


将英「驚かせないでくれ」


蒼月「すまん、少し焦っていたでござる」


私「しっかりしてよもう・・」

もう一度蒼月が敵を探す。


蒼月「これかもしれないでござる」

今度こそ?


将英「方向と距離は?」


蒼月「北東に八町ほど進んたどころでござる」


私「八町かー。風刃術ならそんなに時間はかからなそうじゃない?」


蒼月「そうでござるな」


私「豊さん! 守ってくれてありがと! 場所わかったみたいだから行くよ!」

蒼月が敵を探している間、豊さんは私たちに敵が近づかないよう守っていてくれた。


豊「よし。倒しに行くとしよう」


夕暮れが近い。四天王との戦いは長引かないようにしないとね・・


蒼月「おそらくあれでござる」

五分ほど走ったところで言った。


私「どれどれ?」


豊「あれじゃ。重そうな甲冑を身に着けてるな」

早くは動けなそうかな。


将英「蒼月、落雷で先制するぞ」

蒼月が頷き、指を鳴らした。


雷鳴が鳴り響き、稲妻が敵を食らう。


私「流石に効いたんじゃないかな・・」


将英「いや、効いていないようだぞ」

敵は何もなかったかのように立ち上がった。


?「てめぇか? 俺様に雷なんか落としやがったのは・・・・」

絶対まずい!強者の風格がありすぎ・・!


豊「ワシじゃ。この雷が効かぬとは・・お主も中々やりおるな」

なるほど。豊さんがまず標的になるってわけね。


?「そうか。死にたいようだな」

敵が大太刀を振るった。

大太刀の中でもかなりの大きさ・・よくこれが扱えるなぁ・・


将英「春日! 危険だ。オレたちは一旦退く!」

豊さんに任せて大丈夫かな・・


蒼月「ほら、行くでござるよ」

手を握って蒼月が走っていく。


 二人の戦闘を横目に見ながら作戦を考えた。


将英「あいつはきっと榊原(さかきばら)だ。重い甲冑に大太刀と、特徴が一致している。あいつは梶田軍の要であり、その頑丈さから要塞とも言われている。気を抜けない相手なことは確かだ」

要塞って・・そんなのどうやって勝つの?


蒼月「豊殿を一人で戦わせ続けるのは危険でござる。とにかく拙者らで榊原の邪魔をするでござるよ」


将英「風刃は間違いなく通用しない。春日は鋼糸、オレは豊さんを守る。蒼月は風と雷で邪魔をしてくれ」


私「わかった! じゃあ行くよ!」


豊さんが榊原の大太刀をかわし続けている。

なんとか持ちこたえてるけど、あれを避け続けるのは危険。失敗が許されない上に疲れちゃう!


私「糸で巻いちゃえばあなたも動けないんじゃない?」

榊原をぐるぐる巻きにしてやった。これなら・・


榊原「死ね」

そう言いながら糸を噛みちぎった。

何でそんな事ができるの・・?硬いんだよ?この糸・・


蒼月「春日殿! そいつの口から血が出てるでござる!」


将英「ありえないくらい強く噛んだんだろうな。良いぞ。このまま続けよう」


私「もう一回巻いちゃえば勝ちだ!!」

巻き付けようとすると、鋼糸の出処を大太刀で切られた。


榊原「同じ過ちを二度繰り返すほど馬鹿じゃねぇ」

うーん・・不意打ちじゃないともう糸は通用しないかな・・


将英「何だ・・この音?」

地面から変な音がずっと聞こえる。

地面というか・・地下?


蒼月「地割れの影響かもしれぬ。気をつけるでござる!」


私「どう気をつけるの!!」

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