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戦国の術師  作者: 葉泪 秋
天下統一編

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四十九話 円錐に乗った時代

 ついに今日、宮殿を目指して城を出発する。

獅電さんからの頼みなど不透明な点が多々あるが、まぁ何とかなるはずだ。

正直、今までの宰川軍としての約一年は序章に過ぎなかった。

これから、最も過酷であろう『天下統一』が始まるのだ。周辺地域とのしょうもない戦ではない。


宰川「大切な知らせがある。今まで俺たちは宮殿に向かったことがなかったから距離を性格に把握できていなかった。ただ、華城に改めて確認すると宮殿まで『馬で四日』かかることがわかった」

はぁ!?!?!?


俺「四日? 馬で四日??」

逆に今までどれだけいい加減な予測をしていたんだ・・・・


華城「四日だ。もちろんこれは休憩・睡眠の時間を含んでいない」

ってことは・・


久遠「実際は一週間ほどかかるということだ」

イカれてやがる。


俺「手紙の内容どうするんだよ・・今日行くって言ってあるんだろ?」


宰川「まあ、何とかなる」

お気楽すぎるだろ。


仕方ないので、俺たちは六十八人での長旅を開始した。

しばらく各軍の領地をほったらかすことになるが、祭典後の数ヶ月でしっかりと基礎固めをしておいた。大きな問題は怒らないはずだ。

怒ったとしても、規則に則って武士にしっかりと対処してもらう。


 一日目。全員が武器を持って城を出発。


 二日目。美月が途中で体調を崩し一時停止。


了斎「大丈夫か?」

 

美月「大丈夫・・・・」

明らかに大丈夫じゃない。


蒼月「もうすぐ料理が出来上がるでござるよ。美月殿、もうひと踏ん張りでござる」


華城「ここでの一時停止は痛い。おそらく一日の遅延となるだろう」


俺「美月の体が第一だ。仕方ないだろ」


 三日目。美月の復活に伴い再出発。


 四日目。ごろつきと遭遇。


久遠「お引き取り願おうか。オレたちは今忙しいんだ。君たちにかまっている暇など無い」


ごろつき「あぁ? ここは俺たちの縄張りだ。お前達が引き返せ!」

まぁ、こういった困難は想定内だ。


華城「申し訳ないが、お前らに時間を使ってやれるほど暇じゃない。だが、お前らを殺すこともないから安心しろ」

少々手荒な手段にはなってしまうが・・・・


春日「よいしょっ!」

春日の鋼糸でごろつきを全員木に縛り付けた。

これで傷つけずに解決できる。


久遠「達者でな!」

オレたちは再び馬に乗って走り始めた。


ごろつき「殺すぞお前ら!!!」


 五日目。霧島と俺で喧嘩が勃発。


霧島「お前今、俺の皿に乗った飯食ったよな?」


俺「食うわけ無いだろ。俺の皿が目の前にあるんだぞ?」

よく考えてから言ってほしいものだ。


霧島「じゃあ俺のおかずはどこに行ったんだ? 説明してみろよ」


俺「知るわけねぇだろ。俺は自分のを食ってただけだ」


霧島「いい加減にしろ、清次」


火蓮「もういいじゃろ、妾のをやる」

火蓮が霧島におかずを分けてあげた。


剛斗「わりぃ!! 霧島の飯を食ったの、オレだ!!!」

米を貪りながら言った。


俺・霧島・火蓮「はぁ?」

十分ほど三人で剛斗に説教し、五日目は幕を閉じた。


 六日目。特に滞りなく進み続ける。

 

 七日目。馬に引きずり降ろされ真栄田が負傷。


霧島「何やってんだお前・・」


真栄田「吾輩は悪くないだろ・・馬が急に暴れ出したんだぞ」


俺「頼んだぞー風雅」

この程度の負傷であれば簡単に治るはずだ。


風雅「はいっす!」

風雅が手を当てると、真栄田の傷が徐々に治っていった。


宰川「その馬は少し危ないかもしれんな・・剛斗、その馬に乗るのはお前で良いか?」

とんでもない質問だ。剛斗がどうなってもいいのか・・?

いや、剛斗ならどうにもならないか。


剛斗「勿論だ!!!」


 八日目。ついに・・・・・・


将英「宮殿が見えてきたな」


了斎「ようやくか・・・・長かった・・」

しっかりと睡眠時間を取っていたこともあって、体は全員元気だった。


宰川「術師と遭遇する可能性がこれから非常に高くなる! 慎重に対応するように!」


全「はっ!!!」

二時間ほど走り続け、宮殿のかなり近くまでやってきた。


見知らぬ術師「止まってください!!!!!」

ついに遭遇したか・・術師。

俺たちに比べて随分と綺麗な服装をしている。

妬んでいる訳では無いが、なんとなく癪に障る。


宰川「先日手紙を送った『宰川上午』だ」

馬を降りて言った。


見知らぬ術師「僕は星界術師団通信士、アストリアです」

あすとりあ・・どのような漢字で書くのだろうか。


華城「片仮名・・か」

術師は武士と違った雰囲気の名前の人が多いんだっけか。


アストリア「でも、本当に宰川軍が来るとは・・・・分かりました。団長に連絡して参ります」

そういってアストリアは離れたところへ移動した。


 しばらく待つとアストリアが渋い男を連れて戻ってきた。


見知らぬ術師「私はウィリアムという。貴方が宰川上午だな? お目にかかることが出来て光栄だよ」


アストリア「宮殿にこの人数を入れるわけには行かないので五人程度に絞っていただいて良いですか?」


宰川「わかった。では、この前決めた者以外は待機!」


全「はっ!」

俺・真栄田・伊海・華城・久遠さん・獅電さんが馬から降りた。


女の術師「アンタ達はウチが見張っておく。少しでも不審な動きがあったら容赦しないから」

後から聞いたのだが、この恐ろしい女の術師はイサベルというらしい。


宰川「さぁ、行こう」

久遠さんに手を引っ張られ、俺も宮殿へ歩き出した。


了斎「頼んだぞ、清次」

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