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戦国の術師  作者: 葉泪 秋
秋の祭典編

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四十五話 提案

俺「正直、団長の術があれば宰川軍なんて楽勝なんじゃない?」

髪をいじりながら言った。


レオナード「楽勝・・だと良いんだけど」

星界術師団団長『レオナード』、使用術『星界術』。

星界術師団を統べるものであり、そのポテンシャルは計り知れない。

星界術が術の起源であるという説など様々なものがあるが、真相はいまだ謎に包まれたままである。


 ここ一年で一気に勢力を広げた宰川軍。

何か明確な理由があるのだろうが、私たちには知る由もない。

武士と術師のパワーバランスが変わりつつある今、もう一度武士と術師が戦ったら面白い事になりそうだ。

もちろん俺たちが勝利を収めるが、武士の底力も見せてもらいたい。


イサベル「主力部隊のウチらが行くわけじゃないよね?」


レオナード「ああ、もちろんだ。ボコボコにするだけじゃ面白くないからね」


パール「ここはオイラに・・オイラたちに行かせてください!」

一番隊隊長のパールが言った。


俺「一番隊か・・確かに人数としてはちょうど良さそうだ」


パール「ありがとうございます!」

一番隊はパールを含む十人で構成されている。


レオナード「よし、宰川軍との初戦に向かわせるのは一番隊にしよう」


俺「宰川軍領地へのルートを模索する必要があるな・・この城より、宮殿から出発したしたほうが良いよな」


ウィリアム「もちろん、私が細かい動き方を決める」

やはり頼れる男だ。


アストリア「情報収集は僕に任せてよ、父さん」


レオナード「ああ、頼りにしている」


 術師の扱う『術』と武士の扱う『術』には身体能力からくる大きな違いがあった。

術師は、術を扱う武士と対面した時、初めてそれに気づくことになる。


      *


 よく分からんけど偉そうな女を会議室まで案内した。


俺「ここが会議室だ。来賓の席に座って待っておいてくれ。あと、宰川殿に失礼のないようにしろよ」

宰川殿に失礼をしまくっている俺が言うのもなんだけども・・


?「ありがとうございます」

女が座った。


霧島「こいつらはどうするんだ」

霧島が取り巻いている武士を指さした。


俺「あー・・」

引き離したら面倒なことになりそうだな。どうしたものか・・


?「この方々については、別の部屋でお待ちいただくことで問題はございません」


霧島「そうか。じゃあ待機室に連れてくぞ」


武士を待機室まで連れて行った。


 会談か対談か分からないが、とりあえず宰川殿に報告しに来た。


俺「宰川殿、例の客人を会議室まで案内した」


宰川「よし、わかった。話すのであれば、皆も参加させるぞ」


俺「わかった、連絡してくる」

各所を回って主力の皆を城まで戻らせた。稽古中の繭、羽音、風雅、神楽も連れてきた。


久遠「また面倒なことになりそうだな・・」

伸びをしながら言った。


信雄「仕方ないですよ、そういうもんです」

信雄って何気に精神年齢高いよな・・


宰川殿を含む主力が会議室に集まり、会談だか対談だかが始まった。


?「お話にお応えいただき、ありがとうございます。私の部下が迷惑をおかけしてしまったことをお詫び申し上げます。どうかお許しください」

ずーっと丁寧に喋るんだな。


久遠「ああ、それは良いんだが・・用件はなんだ?」


?「最近、貴殿が率いる宰川軍がかなりの勢力を築いておられるとのことで存じ上げます。また、最近では術師団も活発な動きを見せているとのことでございます。このような状況を踏まえ、私も貴殿との同盟を結びたいと思っております」

術師団との一件を知っているんだな・・

まあ、俺たちもここまでの大軍になったならこういった話が来るだろうと予想はしていた。


久遠「待て、あんたたちの伊海軍? についての情報が無さすぎる」

家紋が伊海軍のものらしい。

伊海軍・・名前だけは知っているが、規模も何も分からない。



華城「伊海軍は有名だ。この辺りの地域の軍ではないというだけでな」


翔斗「有名なのか・・伊海軍は強いのか?」


真栄田「吾輩らと戦っても結果は予想できない、と言ったら分かるんじゃねえか?」


了斎「なるほど・・真栄田軍と互角か。となると中々の戦力であるということは確かだな」

宰川軍には勝てないだろうが・・


?「山河軍とはかつて一度交戦した経験がございますが、幸いなことに私たちは勝利し、その戦いは終結しました」

蔵兵衛が生存している状態の山河軍に勝っているのならかなりものだ。


獅電「そうか。そしてお前が大将か?」


?「私は伊海美紀子と申します。親から伊海軍を継いでからまだ時間が経っておりませんので、不慣れなこともありますが、どうぞよろしくお願いいたします」

伊海・・武士と初対面の時は外せない質問をしておくか。


俺「使用術は?」


伊海「結界作成が可能です。結界には様々な効果があり、結界内では術を使用できなくなったり、結界から出ることができなくなったりします」


久遠「特殊だな。そして・・術が使えなくなるというのは今後かなり役に立ちそうだ」


真栄田「術師団を相手する時、術を封印してしまえば吾輩らの勝ちは決まったようなものだぜ!」


伊海「先程から気になっておりましたが、あなたは真栄田斬豪様でしょうか? どうして真栄田軍大将がここにいらっしゃるのですか?」

伊海が不思議そうな顔をした。


華城「その件は知らないのか。宰川軍と真栄田軍は現在同盟を結んでいる」


伊海「そうなのですか・・存じ上げませんでした。対立していたのに、今はこんなに仲良くされているんですね」

伊海が微笑んだ。


宰川「仲良くなど無い」


真栄田「コイツは照れ屋なんだよ」

もうすっかり仲のいい二人組になっている・・・・


久遠「ちなみに、山河軍も現在は宰川軍に吸収されている」


伊海「そうだったのですか!?!?」


繭「色々あって・・・・ハハ・・」

繭が気まずそうにしていた。


宰川「同盟だが、俺も喜んで受けさせてもらう」


伊海「大変心強く存じます。ありがとうございます」

伊海が頭を下げた。


久遠「頭を下げる必要はない。同盟は対等な関係、だろ?」

久遠さんが格好をつけた。


真栄田「ついでに、我軍とも同盟を組んでおかないか」

そうか、一応真栄田軍と宰川軍は別の軍という扱いなのか・・


伊海「真栄田軍まで! 本当にありがとうございます」

伊海が机に着くまで頭を下げた。


獅電「下げるなと言ったはずだ」

獅電さんが伊海の顔を上げた。


久遠「では、同盟成立だな。これから頼むぞ」


伊海「こちらこそよろしくお願いいたします」


 

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