表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国の術師  作者: 葉泪 秋
秋の祭典編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/127

四十一話 楽しい楽しい

宰川「ハハ、貴様は術が効かない。だが、貴様の攻撃も俺が相手なら無意味だ」

宰川殿と敵軍幹部の剣戟が続く。


敵軍幹部「こいつは一体何なんだ! 何度斬ってもすぐに再生する」

よし、焦ってるな。

宰川殿の『即時回復』があれば何度腕を切り落とされようと、刀を刺されようとすぐに再生する。


敵軍幹部「オラァ!!」

敵が刀を宰川殿に投げた。刀が宰川殿の腹部に突き刺さる。


敵軍幹部「よし・・これならお前も何も出来ないはずだ。なんせ、斬られてねえんだからな!」

宰川殿が不敵な笑みを浮かべた。


宰川「お前、刀が無くなっちまったじゃねぇか。どうするんだ?」

宰川殿が腹に刺さった刀を抜いた。

刀とともに大量の血が流れ出る。


敵軍幹部「馬鹿め! 抜いたらお前は出血大量でそのうち死ぬ。俺をここで倒せたとしてもな!!」

捨て台詞を吐いて敵が走っていった。


火蓮「まずい、武士の死体から刀を奪い取るつもりじゃ!」

火蓮が敵を追いかける。


オレ「宰川殿、腹の傷は塞がったか?」

かなり痛々しい怪我だ。


宰川「ああ、塞がった。あいつはどうやら勘違いをしているみたいだな」


オレ「勘違い?」


宰川「俺の即時回復は負傷が治ると同時に失った血も元通りになる。何度斬って血を出させたところで同じだ」

まるで不死身だな。

 

      *


敵軍幹部「いつまで追っかけてきてんだお前は!!」


妾「逃がすわけがないじゃろ」

とはいっても、妾の彩炎術はこいつに効かない。単純な一騎打ちで勝てる自信も妾には無いんじゃが・・・・


『火蓮さんは凄いです! どうしてそんなに綺麗に斬ることができるんですか!?』


『仮に火蓮が術を使えないとしても、我は火蓮には勝てない』


『純粋な刀の扱いなら、火蓮が一番上手いよな』


皆の言葉が思い出される。

何故じゃ?戦績も実力も皆に比べて劣る。知力で華城に勝っているわけでもなく、体力で将英に勝っているわけでもない。

そんな妾を何故皆は褒めるんじゃ・・


武士になる前から妾と関わり続けてくれた雷煌。


『性別なんてどうでもいい』と言ってくれた華城。


初めて、同い年の純粋な友達になってくれた清次。


その三人が褒めてくれているんじゃ。妾はきっとできる。


敵軍幹部「術が効かない俺に何ができるんだ? お前」

刀を拾いながら言う。


妾「刀は武士の魂じゃ。自分の刀を軽率に投げ飛ばすような者を逃がすわけにはいかないじゃろう」


敵軍幹部「アホらしい。刀なんて所詮ただの武器、使う武士が居なきゃなんの意味もねぇんだよ。俺は死んだ仲間の魂を救ってやってんだ」

敵の言葉を聞き、妾は刀を鞘に納めた。


妾「ふうん・・刀を使わずに戦うのはどうじゃ?」


敵軍幹部「どうしてそうなるんだよ」

敵が悪態をつく。


妾「お主にとって刀をそれほど重要なものじゃないのじゃろ? ならば己の拳で勝負するんじゃ」


敵軍幹部「やってやるよ!」

敵が殴りかかってきた。

よし、殴り合いに持ち込めたのなら勝機はある。

武士になってからしていないんじゃが、元々妾が一番得意なのは『喧嘩』じゃ。


妾「アハハ、その意気じゃ」

敵の格闘の技術は感情に任せたお粗末なものじゃった。


敵軍幹部「クソ・・全然当たらねぇ!」

どんどん敵の攻撃が直線的になっていく。


妾「そんな適当な殴り方だけじゃから当たらんのじゃ」

敵の顎を狙って殴った。妾の拳もかなり痛いんじゃが・・・・

敵が怯んだところで寝技に持ち込んだ。


敵軍幹部「ぐっ・・・・」

苦しそうな声を上げる。


妾「真栄田、最後はお前に任せたぞ」


真栄田「なんだ、気づいてたのかよ」

真栄田がしけた面をして出てきた。


妾「あんな事言っておいて、本当は心配だったんじゃろ」


真栄田「念のためだ」


敵軍幹部「はぁ・・もういいよ。やるなら一思いにやってくれ」

敵が脱力する。


真栄田「一思いにやるわけねえだろ!!!」

怒鳴りながら真栄田が敵の顔面を殴り続けた。


将英「真栄田、何してんだ?」

困った顔で言った。


妾「将英、来てたんじゃな」


将英「火蓮が一人で行っちまうから着いてきたんだよ」


真栄田「将英! お前もやってみるか? こいつを殴ってより遠くに飛ばせたやつが勝ちだ」

嬉しそうに言いながら、真栄田が地面に線を引き始めた。


宰川「まったく・・・・」

宰川殿は完全に呆れていた。


将英「絶対に勝つ」

拳を握りしめながら言った。

どうしてそんなに乗り気なんじゃ・・


宰川「もちろん、俺も参加だ」

これは妾も参加しなきゃいけない雰囲気じゃ・・・・


真栄田「じゃあ、三人で始めるぞ」


妾「待つんじゃ」


真栄田「どうした、火蓮」


妾「妾も参加する」


宰川「そうこないとな」

宰川殿が微笑んだ。


真栄田「これでよし」

真栄田が線の前に敵を連れてきた。


将英「もう血まみれじゃないか。どれだけ殴ったらこうなるんだ」


真栄田「そんな事はいい! まずは吾輩がいくぞ・・」

真栄田が敵の腹を思い切り殴った。

飛距離はそこそこと言ったところじゃ。


将英「次はオレがやる」

飛んでいった敵を将英が連れ戻してきた。


将英「はぁっ!!!」

将英が敵を殴ると、真栄田のときの倍ほど敵が飛んでいった。


宰川「真栄田よりも飛んでるじゃないか」


将英「真栄田は力任せだからな。速さも大事なんだよ」

自慢げに言った。


妾「将英を超えられる気がしないんじゃが」


宰川「俺もだ」


真栄田「将英の勝ち!!」

真栄田が敵の手を使って拍手した。


将英「本当に最低な遊びだった・・」

将英が頭を抱えた。


妾「たまにはいいじゃろ」


将英「まあ、旧与根川軍だしな」

そこは関係ないんじゃないか・・?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ