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戦国の術師  作者: 葉泪 秋
秋の祭典編

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三十八話 術師団

 花火が打ち上がり、夜空に咲いた瞬間、爆発音が聞こえた。

なるほどな。花火と同時に爆発を起こすことで我らに気づかせないということか。


民衆「キャー!!!」

悲鳴が聞こえてくる。

今の爆発で何人死んだだろうか・・・・

とにかく、今は民衆の避難が第一だ。


我「真栄田軍幹部! 宰川軍幹部の豪の兵士も全員聞け! 旧与根川軍がこちらへ侵入してきた! 真栄田軍は掃討を、宰川軍は民衆を避難させろ!!」

指示を聞いて兵士が走り出した。


 逃げている民衆が次々と敵軍に殺される。


豪の武士「華城さん! 他の皆様はまだですか!!」

顔面蒼白になって言ってきた。


我「笛は既に鳴らしているからこれから次々と来るはずだ。民衆の避難を続けろ」


豪の武士「ははっ!」

敵軍の武士が真栄田軍幹部と戦いを繰り広げている。

まだ爆弾を持っている可能性がある以上、下手に近づくわけにはいかないが・・

船を見ると、敵軍が爆弾を投げようとしているのが見えた。

なるほど、爆弾を投げる役は船に残るんだな。

ただし、爆弾を持っているところへ特攻はできない。

狙うとしたら、爆弾を投げた瞬間だ。


我「お前ら! 爆弾を投げ、あいつらの手が空いた瞬間に乗り込むぞ」

真栄田軍幹部に伝えた。


豪の武士「はい!!」


 爆弾を投げた直後を狙って船に乗り込んだ。

我の乗り込んだ船には四人が乗っていた。


旧与根川軍兵士「こんな狭いところで四人と一人。お前は何でわざわざ死にに来たんだ?」

刀を抜きながら言った。


我「その回答は、お前らが死体になってからしよう」

四人の腕を斬り落とし、爆弾に火をつけて逃げた。

船が敵含めて爆発する。


我「これで邪魔者はいなくなった。だが、一番厄介なのは陸上に居るあいつらだ」

対岸に五十人ほど武士がいた。

身なり的には幹部のようだが・・実力はどうだろうか。


宰川「華城! どういう状況だ?」

宰川殿と翔斗と真栄田が馬に乗って来た。


我「旧与根川軍が船で山を下ってここまで来た。それだけだ」


宰川「わかった、あっちに居るのが幹部か?」

対岸を指さして言った。


我「ああ。宰川殿にも戦ってもらう」


宰川「もちろん、そのつもりだ」


我「翔斗は我らの補助を頼むぞ」


翔斗「もちろんだ」

真栄田は話も聞かず特攻していった。


 今は戦闘に集中しなければいけないが、一つ懸念点がある。

獅電殿は、ここから最も遠い老柁城の西の山に配置されている。

老柁城は、山河軍本拠地だ。

山には音を遮るものが多い上に、単純な距離もあるので笛の音が届かないかもしれない。

獅電殿がここに来ないまま戦闘が終わる可能性がある。そして、獅電殿が敵を新たに発見しても我らが気づけ無いかもしれない。


      *


 ずっと山で待機しているが、敵は見当たらない。

山頂のほうが見通しも良い。今から登っても遅くないな。

山を登ると、中腹に拠点のようなものがあった。

宰川軍はここに居ないはずだ。となるとこれは部外者の設置したもの・・・・

確認してみよう。

近づいた瞬間、見張りの人と目が合った。

まだ敵とは限らない。丁重に行こう。


俺「初めまして」

見張りは俺の言葉を聞かず拠点の方へ走っていった。


旧与根川軍兵士「侵入者だ!! お前ら全員でたたくぞ!」

クソ、やはり敵だったか・・・・

とにかく、笛を鳴らさねば。

笛を取り出し、吹こうとした瞬間、敵が横から出てきて笛を取り上げてきた。


旧与根川軍兵士「そんな小賢しい真似はさせないぞ」

まずい。

一人でこいつらと戦うのか・・?


俺「問題ない。全員でかかってくるが良い」

多くても敵はせいぜい百人くらいだろう。


旧与根川軍兵士「俺たちは囲んで一方的に殺すってのは好きじゃねぇんだ。一人ずつで相手してやる」

俺に一騎打ちで勝てる人間がいるとでも?


旧与根川軍兵士「まずは俺から活かせてもらうぜ。まあ、俺が終わらせてやるけどな」

自身ありげな男が出てきた。


旧与根川軍兵士「やったれ!」

敵軍の応援が聞こえる。


旧与根川軍兵士「はぁぁっ!!」

斬りかかってきたが、遅すぎる。

すぐに敵を細切れにして、一口大にしてやった。


俺「この人数を一々相手するのは面倒だ。一気に来い」


旧与根川軍兵士「こ、こいつ・・化け物だ!!!!」

俺が殺したのはなかなかの手練だったらしく、敵は酷く怯えていた。吐いている物も居る。


旧与根川軍兵士「い、いくぞ・・お前ら! かかれ!!」

半分くらいの人数が一気に斬りかかってきた。


 まず一人を八つ裂きにし、落ちた体の部位で五人の顔面を殴打した。


旧与根川軍兵士「ぐぁぁ!!」

敵が吐いた血も利用しよう。

血を吐いている最中のものを蹴り飛ばし、人が固まっているところに突っ込ませた。

数人は、血反吐が目に入って動けなくなっていた。


旧与根川軍兵士「よくも!!!!!」

大柄な男が頭上から斬りかかってきた。


俺「無防備すぎる」

腹を刺して地面に叩きつけた。


旧与根川軍兵士「お前ら! 離れろー!!!!!」

声のする方を見ると、大砲が出てきていた。


俺「俺のことを打つつもりか?」

これはまた大層なものを持ってきやがったな。


旧与根川軍兵士「当たり前だ!! ここで死ね!!」

砲弾が打ち出される。

まあ、俺は避けないが。


俺「俺の刀が普通の刀だと思ったら大間違いだ」

砲弾を半分に切った。

そう、戦が始める前に美月に光刀へ変えてもらっていた。

そして今夜は満月だ。美月の月華流の効果も最大まで引き上げられている。


旧与根川軍兵士「ありえない・・ありえない!!」

砲弾がまた飛んでくる。

何度やっても同じだ。


旧与根川軍兵士「クソ・・」

大砲が最終手段だとしたら、もうこいつらに手は残されていないはずだ。


俺「さあどうする?」


?「面白くなってまいりましたね」

杖を持った男が出てきた。見た限りだとこの男は刀を持っていない。

本物の『術師』が現れたか・・?

術に頼る武士を『術師』と揶揄することはあるが、本物の術師はそんなものとは比べ物にならない。


俺「術師か」


?「よく分かりましたね、そうです。『星界術師団』第八百二十九位『望全』とは私のことです」

その名前は知らんが・・・・とにかく術師であることは確かだ。


俺「星界術師団?」


望全「ええ。あなたも名前はご存知でしょう」

星界術師団とは、この大陸で最も力を持っている術師団である。

術師団と武士は対立し続けており、宰川軍も関わらないようにしていた。

だが、ついにその時が来たようだ。


俺「何故術師団の人間がここに?」


望全「武士同士の滑稽な争いを見学しに来たのですよ。ですがあなたは中々の実力者のようなので気になって出てきてしまいました」

随分とお高く止まって嫌がるな。

まあ当然だ。武士と術師には圧倒的な力の差がある。有力な術師団に所属する術師なら尚更だ。


俺「お前と戦うのは、こいつらを蹴散らしてからでいいか?」

口をぽかんと開けて立っている旧与根川軍の武士が邪魔だ。


望全「良いでしょう、私も協力しますよ」

言葉遣いが一々癪に障る男だ。


 やはり術師ともなると並大抵の武士では刃が立たないようで、一分にも満たないうちにここにいる旧与根川軍は全滅した。


望全「それでは、私が待ち望んでいた『強力な武士』との戦いを始めるとしましょうか」


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