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戦国の術師  作者: 葉泪 秋
出世編

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三十三話 強くないなら

 オレは一体何時間寝ていたんだろう・・・・頭が痛い。

とりあえず広間に行こう。


オレ「なんだこれは・・・・」

オレ以外の全員が広間で寝ていた。何故自分の部屋で寝ない?

まあ、起こすわけにもいかないが・・・・


 しばらく皆の寝顔を観察していた。

清次は意外と寝相が良い。そして、火蓮の寝相は最低だ。隣りにいる雷煌が窮屈そうにしている。


了斎「将英・・起きてたのか」

了斎が一番に起きた。


オレ「なんでここで寝てるんだ?」


了斎「将英が起きるまで待とうと思ってたら寝ちまった・・」

皆二度寝ってことか。


オレ「そうか」

皆を起こさないように小さな声で会話したんだが、剛斗が起きてしまった。


剛斗「将英!! 起きたか!!!」

案の定、剛斗の声で全員が起きた。


清次「剛斗! うるせぇ!!」

清次は本気で嫌がっていた。


雷煌「今って何時ですか・・」

眼帯を調節しながら言った。


オレ「朝五時だ」


霧島「五時!?!?」

霧島が後ろへ転がった。

そんなに驚くか・・?


清次「ってことは・・将英は半日くらい寝てたってことか」

若干引いていた。


オレ「そういうことだな」


美月「そんな事はいいから、朝ごはんが食べたいわ」

腹を撫でながら言った。確かにいい時間帯だ。


了斎「将英、作ってくれるか?」


オレ「今から作る」

ある程度の食材は家にあったのでオレは朝飯を作った。


オレ「出来たぞー」

皆が目を輝かせながらこっちを見てくる。なんか緊張するな・・・・


全「いただきまーす」

皆で朝飯を食べ始めた。


清次「うーん・・」


了斎「なるほどな・・」


翔斗「まぁまぁ・・・・」

皆の反応は全て微妙なものだった。

オレも食べてみた。

・・・・たしかに微妙だ。


霧島「不味くはないんだけど・・」

申し訳無さそうに言った。


華城「良いことを思いついた」


オレ「何だ?」


華城「家庭内労働者を雇うぞ」

華城の言葉を聞いて全員が爆笑した。


清次「最初からそうしろよ!!」

笑いながら言った。

まあ、どう考えても忙しいオレらがすべての家事をこなすのは不可能だ。


オレ「今日、城で久遠さんに伝えるか」

昨日の会議は何だったんだ・・・・


 とりあえず朝飯を完食し、身支度を始めた。

剛斗は一分も経たないうちに支度が終わったが、火蓮と美月はかなり長かった。


火蓮「待たせてすまん」

火蓮が広間に戻ってきた。


霧島「美月がまだだ」

気だるそうに言った。

しばらく待ち、美月も支度が終わったところで城に向かって風刃術で移動し始めた。


      *


 城に戻ってくると、久遠さんが朝ごはんを食べていた。


俺「久遠さん!」

久遠さんの近くに寄った。


久遠「おはよう、清次」

ご飯を食べながらが言った。


俺「頼みがあるんだけど・・」


久遠「なんだ?」

久遠さんはきょとんとしていた。


俺「やっぱり家庭内労働者を俺たちの家にも付けてくれませんか?」

そう言うと、久遠さんは笑い始めた。

何がおかしいんだ・・・・!


久遠「そんな事か! わかった、伝えておくよ」

なんか馬鹿にされている気がするが、とりあえずお礼をして皆のところに戻った。


俺「良いってさ」


 さらにしばらく待つと、大広間に真栄田軍幹部、生き残った山河軍、獅電さんが集まってきた。


久遠「では、会議室に集合だ」

久遠さんが指示を出したので、俺たちは会議室に向かった。


宰川「まずは、山河軍のこれからについてだ」


久遠「山河軍の兵が宰川軍に加わるのは確定事項だ。山河軍兵士にも説明してある」


華城「ただし、繭と羽音をどうするか・・」

繭を見つめながら言った。


俺「武士はやりたくねぇんだもんな・・近くの町で暮らしてもらうか?」

俺の故郷の町だったらたまに会いに行けるしな・・


繭「わたくしから提案が・・」

遠慮がちな態度で言った。


宰川「どうした?」


繭「わたくしは宰川殿や宰川軍の皆さん、真栄田殿を見て『武士として生きるのも悪くない』と思ったんです。虫が良すぎる考えだと思うのですが・・わたくしらも宰川軍に加わらせていただけませんか!!」

繭がこれ以上無いくらいに頭を下げた。


久遠「どうする? 宰川殿」

久遠さんが宰川殿の方を見た。


宰川「羽音はそれで良いのか?」


羽音「私も同じ気持ちです」

本気で言ってる・・?

やっぱり楽しそうにしている武士を見ると武士をやめたくなくなるのか・・?


華城「お前ら、物事を最大値で考えていないか? 我らのように楽しくやっている武士はほんの一握りだ。それどころか、我らもこれから落ちぶれていくかもしれないんだぞ」

華城が警告した。


羽音「問題ありません。二人なら何でも乗り越えられると分かっています」

繭はかなり覚悟が決まっているみたいだった。


宰川「まぁ、よかろう。山河軍に入った時点で命を捨てる覚悟はできていただろうしな・・・・」


繭・羽音「ありがとうございます!」

二人がまた頭を下げた。


華城「その代わり不審な行動を見かけたらすぐに殺す」

華城がまた警告した。

宰川殿と久遠さんは結構甘いところがあるので、華城の存在は大切だ。


久遠「では、山河軍兵士は宰川軍に入ってもらう。階級は山河軍時代の功績を考慮して分けさせてもらうぞ」


華城「繭と羽音は幹部に入ってもらう」


羽音「良いのですか!?」


華城「我らが幹部複数人でかかっても繭には勝てなかった。実力は申し分ないだろう」

褒めちぎったな。


羽音「でも、私はずっと戦っていなかったですし・・」

羽音が不安そうに言った。


華城「確かに羽音は弱い。術を使わない我相手でも苦戦を強いられていたからな」

急に辛辣な事を言いだしたな・・


華城「だが、強くないなら強くなればいいだけの話だ。みっちり繭が稽古をつけてやれ。恋人だからといって甘やかすな」

口は悪いが、華城は人のことをよく考えているんだよな・・・・


繭「はい!!!」


俺「そんで、これからの真栄田との関わり方は?」

連合軍との戦いが終わった今、約定は無いようなものだ。


宰川「真栄田。これからも同盟は維持したいと思っているんだが」


真栄田「勿論だ!! 頼りにしてるぜ、お前ら」

俺たちを見て言った。

二人は固い握手を交わし、今日の会議は終了となった。


了斎「ちなみに、山河軍兵士の階級の割り振りとか、事務的な部分は誰がやるんだ?」

気になっていたことを聞いてくれた。


宰川「華城、久遠、美咲だ」


雷煌「美咲さんもやるんですか?」

雷煌は意外そうにしていた。


久遠「美咲はお前と違って真面目だからな。こういった仕事に向いてるんだ」

俺を見て言った。


俺「なんで俺の方を見るんだよ!」


 会議が終わり、俺たちは大広間に戻った。

ようやく、大一番が終わったという感じだ。

十年ぶりに『平和な生活』を俺も味わえるかもしれないな。

でも、俺は平和じゃなくてもいいんだ。幸せなら良い。

その幸せを脅かす奴が居るなら、同期全員で叩き潰してやる!


火蓮「清次、なに拳を握りしめているんじゃ?」

後ろから声をかけてきた。


俺「お前!! 急に話しかけるなよ・・」


火蓮「何赤面してるんじゃ。恥ずかしいことでも考えていたのか?」

本当にこいつはもう・・・・


雷煌「火蓮さん! いい加減にしてください!!」

雷煌が電気を流したようだ。


雷煌「清次さん、この人のことは無視していいですよ」

なんだか、火蓮と雷煌の上下関係が逆転してきている気が・・・・・・

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