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戦国の術師  作者: 葉泪 秋
星武決戦編

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百七話 次に会うのは

了斎「起きろ、清次」

体を揺すってきた。


俺「わかったわかった・・」

ゆっくりと体を起こすと、大広間に居るみんなが忙しなく動いていた。


俺「皆どうしたんだ?」


火蓮「昨晩、また久遠さんが吐いたんじゃよ。その後片付けじゃ」


俺「どうした昨晩のうちに掃除しないんだ」


霧島「したけど、まだくせぇんだよ」


久遠「おい、吐いたのはオレだけじゃないぞー」

坂本の背中を叩きながら言った。


坂本「俺はこいつが吐いてるのを見て、つられて吐いたんだよ!」


ストーンハート「じゃあしょうがないか・・とはならんぞ」


伊海「二人とも、あとで会議室に来てください。話がありますので」

こわっ。


久遠「えーまた説教? そんな時間あるなら作戦考えたほうが有意義・・」


伊海「大丈夫です。私たち三人が抜けても作戦は立てられます」


神楽「とりあえず、臭いと汚れは取れましたね」

額の汗を袖で拭いながら言った。


俺「神楽は、そういう処理するの平気なのか?」


神楽「はい。慣れっこですので」


俺「すごいなー。俺は途中で気分悪くなって出来ない気がする・・」


神楽「向き不向きは誰にでもありますよ」

好き。


宰川「久遠、坂本は星武の乱が終わるまで禁酒だ」


獅電「終わっても飲ませちゃ駄目だろ。幕府の上層部がこんなだと知ったら民衆が失望するだろうな」

凄まじい切れ味だ。


久遠「別に悪いことはしてないし、そんなに言われなくて良くないか?」


伊海「悪いことだという自覚が無いのが問題なのです。ほら、会議室に生きますよ」

ほーらまた怒られた。


俺たちは朝飯を食べたあともそのまま城に残った。


アストリア「では、また来月戦場で会いましょう」


ストーンハート「俺たちをがっかりさせないような戦力で来てくれよ!」


宰川「任せておけ。負ける気はしていない」


 アストリアが宮殿の方へ連絡し、数秒後に二人は消えた。


俺「これが団長の術か。すげぇな」

転送なんて便利な術、俺たちにもくれよ。


宰川「皆、席についてくれ」

会議室は伊海たちが使用中なので、大広間で会議が始まった。


華城「今日は宮殿の構造をもとに大まかな作戦を考えていく」


華城「一度行ったことのあるものは分かっていると思うが、宮殿正面には大きな庭園がある。戦う際はあそこに多くの術師を配置してくるだろう。そして宮殿は正面からみて三つに分かれている。仮に左から一号館・本館・二号館と名付けておく。本館と左右の各館は二階の廊下で繋がっており、それぞれの館に正面入口がある」


俺「んじゃ、班ごとに攻める館を決めておくのか?」


華城「そうだ。ただし、どの館に誰が居るかは不明だ。我の予想では本館に団長であるレオナードが居ると思っているが、確証は持てない」


霧島「正直、決め打ちで行くしかねぇよな」


華城「そうだ。編成は一週間後に発表しようと思っている」


宰川「そしてもう一つ大切なことがある。それは民衆への説明だ」


俺「何の説明もなしに俺たちが消えて、幕府が滅亡したらたまったもんじゃないもんな」


華城「星武の乱を行うという声明は二週間後に出す。納得しない者も多数いると思うが、仕方ないから無視する」


宰川「細かな作戦も編成の発表と同時に説明するつもりだ。今日の会議は終了、各自鍛錬に励んでくれ」


全「はっ!」


 俺たちは家に戻ってきた。


将英「提案がある」


俺「どうした?」


将英「アストリアやストーンハートはオレたちがどんな術を知っているだろ?」


俺「そうだな。一緒に戦ったこともあるし」


将英「すると、かなり対策を練ってくるはずだ。そこでオレたちが優位に立つには何か予想外の攻撃をする必要がある」


火蓮「そうじゃな。それで、どうするんじゃ?」


将英「一ヶ月後までに一人一つは術の派生を編み出しておこう」


俺「ほう?」


将英「例えば清次の地面に棘を生やす派生、了斎と火蓮の火球などだ」


霧島「簡単に言うけど、そんな簡単に派生って出来るのか?」


将英「ものは試しだ。どんどんやっていくうちに何か思いつくかもしれない」


華城「我はどうすればいい」

初めて会ったとき、華城は『叡智』という術を使うと言っていたが、俺たちは単なる冗談だと受け取っていた。

しかし、時間が経てば経つほど華城の頭脳は単純に優れているだけではない気がしてくる。


もし叡智という術が本当ならば、派生ができる可能性もある。


俺「叡智って術を無意識に使ってるだけなら、意識することでまた何か新しいことが出来るかもしれないだろ」


華城「試してみる」


 鍛錬場所にやってきた。


俺「やってみるか・・」

地割れの術はおそらく派生させやすい。棘だったり亀裂を作ったり・・


俺「これでどうだ!」

何もなし。


俺「これなら!!」

単なる地割れ。


俺「そうくるならこうだ!!!」

棘が自分の足元に生えた。


俺「あぶなっ」


本当にこの調子で派生させられるか・・?俺。


      *


 二週間経過し、俺たちは城にやってきた。


宰川「今日の会議はしっかりと会議室で行う。皆、移動して席についてくれ」


同期組「はっ!」


星武の乱直前となったからか、皆の面構えが変わっている気がするな。

いつも柔らかい表情をしている直政や神楽も、今回ばかりは鋭い目をしている。


華城「まず編成の発表だ。まず、庭園に待機している術師と対峙するのは久遠班・坂本・忠勝・濃霧衆だ。ここに精鋭はあまり多く配置されていないと予想し、集団戦を得意とする久遠班を割り当てた」


坂本「俺がいる理由は?」


華城「余ったからだ」


坂本「酷い」

坂本がムスッとする。


宰川「久遠班を改めて言っておくと、久遠・剛斗・美咲・羽音・火蓮・信雄だ」

確かに集団戦に強い。


華城「そして、忍者は物が多い場所で真価を発揮する。おそらく木や植物のある庭園であれば、濃霧衆の皆も活躍しやすいと思い、この編成となった」


右京「皆に役割を与えていただき感謝する」


華城「正面から見て左側、一号館を攻めるのは宰川殿・直政・京夏殿・我・伊海殿・右京・翔斗・梶田軍兵士・神楽だ」


将英「豪華だな」


華城「普段前線に立たない人が多く不安な部分もあるが、伊海殿の結界がある上に、優秀な梶田軍兵士が居れば大丈夫と判断した」


俺「直政もいるしな」


華城「正面から見て右側、二号館を攻めるのは獅電班・旧坂本軍兵士だ」


霧島「理由は?」


華城「我の予想では、宮殿側から見て左側、つまり二号館にストーンハートに居る」


俺「何故だ?」


華城「人間は心臓が左にあることから何か選択をする時に左を優先する傾向がある。星界術師団で一番の戦闘能力を持つストーンハートは二号館にいるのではないかと思ったんだ」


宰川「正直、ストーンハートに勝てる可能性があるのはこの軍で獅電だけだ。任せるような形になってしまい申し訳ないが」


獅電「アイツは俺が殺す。お前らは情が入ってストーンハートを殺せないだろうからな」

確かに、俺がもしアストリアやストーンハートと対峙した時に迷いなく斬ることが出来るかは怪しいな・・


華城「獅電班は、獅電殿・繭・雷煌・霧島だ。晃牙が死亡したのはかなりの痛手だが、坂本軍兵士と協力して勝ってもらいたい」


俺「坂本軍兵士は何人くらい動員するんだ?」


華城「五千人程度だ。実際に宮殿の中で戦うのはもっと少人数だと思うが」


俺「なるほど」


華城「真ん中にある本館を攻めるのは将英班・風雅。豪の兵士だ。清次、理由は分かっているな?」


俺「ああ。俺が団長の首を切るんだろ?」


華城「理想はそれなんだが、負けると思ったら地割れを起こして宮殿を崩してもらって構わない。それで術師たちが外に出てきたところを大量の兵士で攻める」


俺「了解」


華城「将英班は将英・了斎・清次・蒼月・茜・彰・春日だ。経験の浅い人が多いが、実力に不安は感じていない。最も重要な役割だ、頑張ってくれ」


俺「任せとけ」


了斎「正直、わしらだけではレオナードを倒すに至らない可能性が高い。そうなったら皆頼む」


華城「言い忘れていた。一号館・二号館での戦闘が終わり次第、本館へ集結してくれ」


獅電「了解だ」


 班ごとの細かい動きを確認し、会議は終了した。

あとは、声明を出さなくちゃだな。


翌日。


華城「民衆の反応はあまり芳しくないな」


宰川「仕方ないさ。結果で納得してもらうほか無い」


伊海「ですね」

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