表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国の術師  作者: 葉泪 秋
幕府編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/127

九十八話 三本柱

 翌日、再び城に召集がかかった。


獅電「あいつはヘタレだ」

俺たちが大広間に入って早々、獅電さんが呟いた。


俺「?」


宰川「全員集まったか? ・・よし。昨日、獅電と坂本が拷問を行った。その結果、指を一本切られた瞬間あいつは情報を吐いた」

ヘタレだな・・・・


霧島「一本んん!?」

それはちょっと驚きすぎだが。


俺「まぁ、何本目で白状したかとかはどうでもいいだろ。大事なのは吐いた情報だ」

華城が大きく頷く。


獅電「まず、銭湯での事件を起こしたのはあの男で間違いない」


忠勝「まぁ、それ以外考えられなかったけど・・昨日銭湯に居た理由は何だったの?」


獅電「死体が発見されたことを知り、幕府が調査を行うと踏んで待ち構えていた。あわよくばもう一人殺そうと思っていたらしい」

直政たちのおかげでそれは失敗に終わったんだな。


将英「他の二か所の事件については?」


坂本「犯人に関する情報はあまり出なかったが、でも何か組織の存在をほのめかす発言は絶えなかったぜ。絶対何か裏がある」


華城「組織の下っ端が鉄砲玉として使われたな」

そう聞くとあいつが完全に悪いとも言えないが・・民間人を殺した事実は変わらない。処分されて正解だろう。


俺「その組織については何かなかったか?」


獅電「なかった・・が、華城に思い当たる節があるらしい」


華城「元々、そういった闇の組織の話は耳に入っていたが、尻尾を掴めずに居た。しかし、地下街に拠点を置く組織『夜叉衆』というものがあるらしく、度々騒動を起こしているらしい」


俺「そいつらが黒幕だってことか?」


華城「確証は持てない。が、それが真実であろうとなかろうと、早めに潰しておくべき団体であることは事実だ」


信雄「また・・戦うんですか?」


右京「いつまで星武の乱はお預けにされるのやら・・」

呆れた表情で言った。


久遠「仕方ないさ。焦らず着実に行こう」

そんな悩みのタネを抱えたまま決戦は始められねぇしな。


宰川「明日から地下街を調査する。組織の特性上、わかりやすい場所の拠点は置いていないはずだ。虱潰しに探していくぞ」


全「了解!」

ちゃんと入ってみるのは初めてだな・・地下街。

若干、ワクワクしている自分もいるが・・ダメダメ、これは大事な任務だ。真面目にこなそう。


 翌日になり、俺たちは地下街へと向かった。


霧島「まぁ、地下街が地上の町に比べて治安が悪くなるのは仕方ねぇよな」


彰「そうですね。やはり人目につきづらいですから・・」


俺「手分けしていろいろ探してみるか」


華城「二人一組で動こう。各々適当な人と組んでくれ」


全「了解」


気づいたら隣に了斎が居たので二人で探索を始めた。


俺「全然治安が悪そうには見えねぇな・・」


了斎「このあたりはまだまだ人が多い。もっと奥深くに行ってみよう」


俺「俺たちが鍛錬で広げまくった洞穴がこんなことになるなんてな」


了斎「感慨深・・・・くはないか。とりあえず、きれいな街だな」


とにかく奥を目指し、怪しい建物を探した。


了斎「これは・・どう思う?」


俺「俺は怪しいと思う」


了斎「わしも思う。戸を叩いてみるか」


俺「おい、忍び込むとかじゃないのか?」


了斎「そんなのかえって怪しまれるだろ。まずはまっすぐにやってみよう」


戸を叩いて待つと、いたって普通そうな女性が出てきた。

まずい、どうする・・・・なにか適当に理由をつけないと怪しまれる・・!


女性「何でしょうか?」


了斎「あなたは神を信じますか?」

思い切り戸を閉められた。


俺「お前・・・・・・上手いな」


了斎「家の中を見た限り、普通の家だ。女性も子どもを背負っていたしな」


俺「ああ。ハズレだ」


その後も何軒か怪しい場所を見つけては神を信じるか訪ねたが、当たりはなかった。


俺「うーん・・」


      *


私「何でお前が私との組なんだよ」


彰「あれ、忘れたんですか? 最初に『俺と茜はできるだけ一緒に行動』って言ってたじゃないですか」


私「あーわかったわかった。もう良いから探そ」


彰「はい!」

本当に良いやつなんだろうけど・・うざい。


私「ありそうなところって例えばどんなところだと思う?」


彰「えー・・やっぱり人通りが少なくて目立たないところじゃないですか?」


私「それ大前提でしょ。もっと深い情報は」


彰「ありません」


私「まぁそうだよなー」


春日「うわぁ!?!?!?」

比較的近くを行動していた春日が急に大声を出した。


私「うるさ」


将英「二人ともこっちに来てくれ」

春日と組んでいた将英がこちらへ来て言った。


私「わかった」


春日「ねぇ何あれ・・」

洞窟の最奥に、不気味な館が見えた。


私「間違いなくあそこでしょ」


将英「本拠地に四人で特攻はないな。一度連絡に戻ろう」


春日「だね!」

風刃術を使って城に戻り、宰川殿たちへ報告した。


宰川「不気味と言ったが。具体的にはどのようなところが?」


春日「たくさん生首があったり、人が吊られてたり・・」


久遠「間違いなくそこが拠点だろう」


華城「いや、本拠地とは限らない。あえて露骨に怪しい建物を設置しておくことでそちらに意識を向けさせ、本当の拠点を隠す意図もあるかもしれない」

そこまで推理するんだ・・すっご。


      *


虎影「伝令だ。宰川殿から至急、城に戻るようにと」


俺「何か発見したのか?」


虎影「ああ」


了斎「わかった、戻るよ」


俺「ありがとな!」


虎影「問題ない」

俺よりもよっぽど落ち着いた虎だ・・・・


 城に戻り、皆が揃うのを待った。


宰川「春日、そして将英が敵の拠点らしき建物を発見した」


俺たちは固唾をのんだ。


華城「間違いなく組織が活動する拠点ではあると思うが、本拠地か否かはまだ結論を出せずにいる。この後、人数を絞って調査に向かう」


霧島「残った奴らは?」


華城「何か非常事態が起こったときのために地下街の各地で待機する」


全「了解!」


宰川「そして、調査へ向かうのは獅電班の獅電・晃牙・繭・雷煌・霧島の五人になる」


獅電班「御意」


伊海「いつも危険な役回りをお願いして申し訳ないですが、今回もよろしくお願いします」


獅電「問題ない。俺が宰川の命令をしくじったことは一切ない」


宰川「ああ、頼りにしているぞ」

獅電が頷き、五人は地下街へ向かって移動し始めた。


華城「地下街の簡単な地図を作成しておいた。均等に分かれて待機を頼む」


俺「ありが・・てぇけどやっぱり絵は下手だな」


信雄「言わないであげてください」


華城「?」

本当に自分が下手だという自覚がないのか。


兵士「宰川殿!!! 地下街入り口付近で大きな爆発音との連絡を受けました!」


宰川「何!?」


坂本「やっぱりそいつらの嗅覚は半端じゃねぇな・・もう気づきやがったか」


春日「獅電さんたち、引き返したほうが良いんじゃないの?」


京夏「これで引き返しては相手の思うつぼです。気を逸らすためにやっているのですから」


春日「わかった!」


直政「ひと仕事、いきましょうか・・」

伸びをしながら言った。


坂本「なまってんじゃねぇか? ガキの相手ばっかして」


直政「もう一度言ってごらんなさい」


坂本「ごめんなさい」

よっわ。


宰川「では、全体の指揮は久遠と直政に任せた。地下街に潜む敵を殲滅してこい!!」


全「はっ!」


結局、武士の生活から戦いが絶えることはないんだな。

まぁいいさ、いくらでも相手してやる。


      *


 地下街の入り口で騒動が起こっている。


雷煌「先にここを対処しますか・・?」


俺「それは俺達の仕事ではない。後続の兵士たちに任せる。目標は変わらず敵の拠点だ」


獅電班「了解!」


 館に近づくと、異様な重たい空気を感じた。


霧島「なんだこれ・・気持ち悪いな」


雷煌「館に窓も通気孔もないあたり、徹底してますね・・」


俺「ただ、これは一つの情報でもある。ここで暮らすのであれば必ず窓や通気孔が必要になる。しかし無いということは、完全にここは活動のために用意された場所だな」


繭「今、中に人がいる可能性は?」


俺「極めて高い。ここから指示を出して入口付近の攻撃も行ったのだろう」


霧島「今の俺たちにできることは・・?」


俺「敵の殲滅だ」


獅電班「・・・・了解」


扉へ石を投げ、人が出るのを待った。


晃牙「敵、こない」

流石に警戒しているか。

ただ、このまま膠着状態では来た意味がない。


俺「そろそろ本格的に攻め・・」


霧島「上だ!!!!!!」

そう叫ぶや否や霧を出して俺たちを逃した。


銃声が響き渡る。


俺「館の上か?」


霧島「そうだ。くっそ、銃を持ってるのか・・・・」


俺「銃くらいは想定内だ。一番恐れるべきは・・・・」


晃牙「爆弾!!!!!」

俺たちを突き飛ばして爆風を避けさせた。


俺「大丈夫か!!」


晃牙「平気」


俺「銃を超える速度で攻撃できるのは雷煌、お前だけだ」


雷煌「はい、任せてください!」

一気に館の上まで上り詰め、銃を弾いて放させた。


霧島「よくやった雷煌!!!」

霧島が瞬間移動して敵を斬った。


俺「まだ精鋭は出てきていない。こうなったらもう強行突破だな」


戸を蹴り飛ばし、館へ乗り込んだ。


霧島「おいおい! ビビってんのかぁ? 早く出てこいよ」

奥から足音が聞こえてくる。


仁華「はぁ・・来ると思っていましたよ」


豪己「たった五人? 引き返すことをお勧めする」


美蘭「あんたらの天下統一は私らのおかげでもあるのに・・恩知らずね」


霧島「はぁ?」


なるほど・・これが華城の言っていた奴らか。


『夜叉衆には三人衆という最精鋭が存在する。まず仁華。三人衆の知略担当だ。常に冷静で分析を得意とする。まぁ・・敵に我がいるようなもの、というのが最もわかりやすい表現になる。そして豪己。三人衆の武力担当だ。圧倒的な力を持っている。まぁ・・言ってしまえば敵に剛斗がいるようなものだ。しかしこいつは剛斗よりも頭が切れる上に、体術を学んでいることから技術も持っている。対面した際は要注意だ。最後に美蘭。三人衆の妖術担当だ。術は縄を扱うもので、基本的に相手を絞殺するとのことだ。

このように、とにかく強く厄介な相手だ。今までの武士とは戦い方もまるで違うため、危険だと感じたらとにかく逃げるように。決して、決して!! 無駄な根性を見せて相打ちを狙うなどはしないように。我が攻略法を確立してから手堅く勝利を収める方だ良いだろう』


影狼「さぁ・・どうする?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ