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私の話。  作者:
90/125

九十編

 聞いた話。


 死にたい人は死ねばいいし、生きたい人は生きればいい。

 ただ、どちらも人に迷惑をかけるな、と思う。


 彼女は自殺しようと思っていた。何を行っても上手くいかず、勉強にも身が入らない。立て続けに起こる不幸にも嫌気がさしていた。

 街中で十円玉を親指で弾く。裏が出たら死のうと思った。

 ばさりという羽ばたく音。

「あっ」

 十円玉がカラスに持っていかれた。

 もう一度、弾く。十円玉はクルクルと回転し、地面には落下せず、ドブの小さな穴に入って見えなくなった。

 もう一度、弾く。胸ポケットに入った。

 もう一度、弾く。地面に垂直に立った。

 もはやそうなると彼女はおかしくて仕方がなかった。

 自分は見えない何かに死ぬなといわれているとしか思えなかった。


 彼女は死ぬのをやめた。

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