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私の話。  作者:
89/125

八十九編

 聞いた話。


 道路には何もない。誰かが何かを置いたりはしない。

 置いたとしても気がつけばそれはどこかに消えている。

 誰がそれを片付けているのだろう。


 ある夜、道路の真ん中を男が自転車で通っていると何かにひかれた。

 自転車は宙を舞い、男は体を地面に強く打ち付けた。息が止まるかのような激痛。

 虚ろな意識で辺りに首を這わす。しかし、後ろにも前にも車らしきものは一切なかった。

 ただ物が腐るような臭いと野太い笑い声だけが夜道に響いた。


 どういうことですか、と私が聞くと老婆は言った。

「百鬼夜行の群れにひかれただけだよ、その坊ちゃんは。子供のときに道の真ん中、通るなって言われなかったのかねえ」

 道の中心というのは人ではなく、神々やそれに類するものの通り道なのだという。

 老婆は鬼を見なかっただけ運が良かったといった。

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