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私の話。  作者:
108/125

百八編

 聞いた話。


 神を弄んではいけない。彼らを弄んではいけない。

 私達は彼らと対等ではないのだから。


 それらを捕らえる方法というのは結構な数である。それに伴って従わせる方法というものも多い。

 ある男は好奇心からそれを行い、ビンの中にそれを閉じ込めた。それを従えることができれば、自分の未来は明るい。

 そんな気持ちでその日は眠りについた。


 夢に自分が出てきた。

 真っ白な部屋。ミニチュアのベットで寝そべる小さな自分が見える。自分を俯瞰の位置から見つめるもう一人の自分。

 ミニチュアの置かれたテーブルを囲み、見下ろす人々がいる。それらは異形の姿のものいれば人の形をしてるものもいた。

 彼らは男には分からない言葉で何かを相談している。議論が終わったのか、一瞬の静寂が場を包む。次の瞬間、ツルでできたヒトガタの化物が肉厚のナタを持ち上げた。宣告に似た言葉をその場で告げる。

 彼にはそれが分かった。その化物が何をしようとしているのか分かった。

「殺さないでくれ!」

 声を張り上げてベットから起きた。

 辺りは薄暗闇で何もいない。何も映さない。彼は自分の夢を笑い、部屋の灯りをつけた。ビンを見るとそれはまだそこにいた。ふと、カーテンのはためく音。彼は窓を閉めようとカーテンを開いた。

 窓を覆うような大きな目玉が彼を見ていた。

「うわああっ!」

 彼がその場で尻餅をつき、顔を上げる頃には目玉は消えていた。


 男はすぐに捕まえたそれを逃がした。

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