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辿り着いた場所
やっと着いた!
馬って意外と乗り心地悪いんだね。ドラマみたいに颯爽と駆けていくイメージだったけど、ガタガタして途中吐きそうだった笑。もしかして、こいつが単純にヘタなのか…?
「着いたぞ。早く降りろ。」
そう言われたので降りた。すると、遠くから誰かが走って此方に向かって来た。
「信長様!やっと帰って来ましたか!…えっと…その娘は?」
眉を顰めて信長に問う。
「あぁ、こいつか。草原で出逢った。面白かったから連れて来た。」
悪びれもせずそう応える。話している相手の柘榴石のような瞳は益々冷たくなっていく。
「それは、わかりました。では…娘の名は?」
「あぁ、そういえば訊いていなかった。」
また悪びれもせずそう応える。
「娘、名は?」
信長と話していた相手が僕に質問をぶん投げて来た。
「僕は、武茉花雷。歳は、16です。」
取り敢えず応える。すると2人は目を見開いた。
「失礼、疑って悪かった。俺は秀吉、信長様の重臣だ。」
そう自己紹介をされた。すると秀吉さんが、
「立ち話もここまでにして中に入りましょう」
そう言われ、城の中に案内された。