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サポーター  作者: エサミ
第1章
5/12

4

宜しくお願いします。

カードキーをかざし暗証番号を押してから家に帰るとリビングルームのソファに樹を寝かせてから那智は床に座り、樹が寝ているソファを背にして張り詰めていた息をはきだした。


心臓がドドドドドドッと胸を叩いている。脳裏には先ほどの光景が蘇った。怖かった。あんなにたくさんの人がなすすべもなく攻撃されて死んでしまった。涙が頬を伝った。膝を抱えて声を出さずに泣いていると。


「那智、帰ったの?今日の晩御飯の材料買ってくるから」


母親が玄関のドアを開けようとしていた。


「ダメ!!!母ちゃん」


那智は転がるように玄関に走った。母親はそんな那智の気迫にびっくりして少しドアを開けたまま言った。


「那智、どうしたの?」


「今、外は大変なことになってるから、家から出ないほうがいい。あっ、樹の母ちゃん知らないかも」


「何が起こっているのか、説明しなさい」


「樹の母ちゃんをうちの家にきてもらってから、説明する。だからちょっとまって」


母親は那智の頬に残っている涙を親指で拭い那智の目を見て、何か大変な事が起こっていることを感じた。


「わかった。じゃぁ、私も那智といっしょに多江ちゃん(樹の母親)を連れてくる」


那智の母親は、決めたら絶対にゆずらない性格をしている。今ここで押し問答をするよりは連れて行ったほうが面倒くさくないと思い。


「母ちゃん、僕からぜったに離れないで。何がいるかわからないから」


「わかった。何か持って行ったほうがいい?」


母親は防犯の為に置いているバットを指さした。僕は頷いでからバッドを持ってから自分を先頭にして外に出た。

母親が僕の肩に手を置くとパネルが出てきて、赤いマークと白いマークと青いマークが出てきた。

ゲームでいくと赤いマークは敵だ。白いマークと青いマークはわからない。近くに赤いマークはいないようだ。樹の家を見ると白いマークがあった。樹の合鍵で家の中に入ると白いマークのところに多江がいた。


多江はバッドを持っている那智を見て


「何?何?どうしたの??那智君。美月(那智の母親)も何があったの?」


「樹の母ちゃん急いで僕の家に来て。お願い!!」


美月は多江の手を掴み


「多江ちゃん、私も何が起こっているのかわからないけど、家に来てほしい。樹君もうちの家にいるから」


そして有無も言わさずに樹の母親を連れてきた。


「で、何が起こっているの?」

美月は那智に向かって詰め寄った。


「僕は説明するのが上手くないから、たぶんテレビで報道してるかもしれない」

那智はリビングのテレビをつけた。


そこでは、女性のアナウンサーが早口で現場の説明をしていた。


「全国でいま、たくさんの人達が人を襲っているもようです。あ、あれはなんでしょうか」


カメラが切り替わり感染した女性が男を殴っている。目が血走っているその女性を一人の男が羽交い絞めにしたけれど、それを振り回して振り落とし、今度は羽交い絞めにしていた男を殴っている。

あきらかにおかしいのだ。痩せているどこにでもいる女性が筋肉質な男性を殴っていているのだ。そこに警察官が3人掛かりで女性を押さえつけていた。


「何?これ?」


那智の母親は手で口をおおった。


「僕たちが、家に帰っていると化け物にあって、その化け物が人を傷つけるとウイルスに感染するみたいなんだ。で、樹も僕を庇って感染したけど、薬を打ったから大丈夫だと思う。だから、外に出ないほうがいいと思う」


那智の母親は考えごとをしているようで数分間ウロウロしたあと、


「ダメよ。うちにいたとしても食料がもたないわ。今のうちに必要なものを買った方がいいと思うの」


ですよね~。


「わかった。僕と樹が行くから、母ちゃん達はここにいて。いるものはラインしてくれればいいから」


「ダメよ。いっぱい買わないといけないから人ではいるわ。もしかしたら、樹君は具合が悪くて行けないかもしれないし。準備してくる」


那智の母親はリビングから走って出ていってしまった。那智は樹を起こすことにした。


「はよ。もう晩飯?」


「お前・・、寝ぼけてんのか?あれ、覚えてるよな?」


樹は少し考えた後に、叫んだ。


「化け物!!」

「今は僕の家にいるから大丈夫だ。体調は大丈夫か?」

「あ~腕が痛いぐらいで、大丈夫だと思う」

「母ちゃんの準備がすんだら、食料の買い出しにいくぞ」

「何言ってんだ。化け物がいるんだぞ」

「家にある食料ではもたないから、早く買いに行かないといけないって母ちゃんが」


樹は頭をガシガシとかきながら


「わかった。那智は職業をもらったんだよな。外に出るならこれは重要だと思う」


「だな。僕は『手助けする人』だって」


「俺は、『撃つ人』だ」


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