プロローグ
宜しくお願いします。
「右15度下」
「左60度」
那智は目の前のパネルを操作しながら話している。那智の右隣にいる銃を構えている幼馴染の樹は、那智が言った言葉をイヤモニで聞きながら撃っている。
那智達の後ろでは、同じようにもう一人の那智が樹の兄にイヤモニで指示をしてそれにあわせて撃っている。
「那智、弾なくなりそう」
「ちょい待ち」
樹の銃の装填をパネルで行いながら。
「この銃装填が20しかできないからめんどい・・。改良が必要だよな~。樹了」
「了」
反対側では
「那智弾なくなった」
「律兄~無くなってから言うなよ。ちょい待ち」
こっちも装填してから
「了」
「了」
各々指示を出し、それに銃で撃っていると律が
「おい、何か聞こえねぇか?」
那智ともう一人の那智と樹は片方のイヤモニを外して音を聞くと。
ドカ・バキ・ウホ・バキ
と、音がどんどん大きくなってきている。何かがこっちに近づいてきているのだ。
「ヤバ!!ボスがきた!!」
那智が見ているパネルでは捨てる時の表示のような模様に真ん中に『ボス』と表示されていた。体育館の壁がすごい音を立てて壊れたところにはドロドロの液体が周りに飛び散りながら怒った様子の丸い巨大が出てきた。
ドロドロの液体が落ちた床は溶けている。
二人の那智はパネルで今まで装填していた弾ではなく、左下にある弾を装填してから、床に置いてあった銃を持ちボスに向ける。
「「撃て―――」」