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櫻の樹の下に埋まっているのは  作者: 朝倉メイ
第一章 夫婦の日常
6/25

夫VS妻 3

本日6話目です


かなり切り替え多いです

香織→武尊→香織→武尊→香織



 こんな時まで武尊(たける)は冷静に話すのね。

「だいたい香織(かおり)だって昨夜もしてたじゃないか」

え、武尊は今何て言ったの?

()()()と言ったわよね? 何時(いつ)もひとりでシテいる事を知っていたの?

知っているのに知らない振りをしていたの?


 羞恥と怒りで頭がグラグラしてきた。

「何でっ! 何で知ってて知らない振りをしてたの!? 浅ましい女だって笑ってたの!? 気付いてて、何で抱いてくれなかったのっ!」

言いながら涙が溢れてきた。涙と鼻水でとんでもない顔になっているだろう。



▼△▼△▼


 あぁ、本当に面倒くさいな。余計な一言を言ってしまったばっかりに怒らせてしまった。

いや、風呂場で見られたのが不味かったんだよな。

「気付いてて、何で抱いてくれなかったのっ!」


 ひとりで抜く方が楽だから、何て言ったら絶対に怒るだろうな。何て言って誤魔化そうか。

「笑うなんてとんでもない。それより香織は僕に抱かれたかったの? そんな事は言ったことなかったじゃないか」

香織にティッシュの箱を差し出しながら言った。

「何で抱いてくれなかったのって言われても、そもそも香織は抱いて欲しいなんて言ったことないよね。結婚するときに言ったよね。お互いにして欲しい事があればその都度伝えるって」

まぁ、気が付いていたけど、面倒なので気付かない振りをしていたんだけどね。

そう心の中で呟いた。



▲▽▲▽▲


 武尊が物凄く優しそうな顔をしている。

彼がこんな顔をする時は話を誤魔化そうとしている時だよね。

「香織は僕に抱かれたかったの?そんな事は言ったことなかったじゃないか。」

え?何ですって?

「結婚するときに言ったよね。お互いにして欲しい事があればその都度伝えるって。」


 差し出されたティッシュの箱を叩き落として叫んでしまった。

「私は抱いて欲しいって言わなきゃ抱いて貰えないの!?私はお願いしないと抱いて貰えない程つまらない女なのっ!?」

なんで、なんで?なんでっ!?

武尊にとって私は女としての価値は無いの!?



▼△▼△▼


 全く面倒くさい事この上ない。やっぱり結婚なんかしなければ良かったかな。

「逆に聞くけど、何で抱かなければいけないんだ?香織だって自分でしてるんだし、お互い様だろ。それとも結婚したらSexは義務なのかい?」


 ティッシュの箱を拾ってテーブルの上に置いた。

「僕は超能力者者じゃあ無いからね。して欲しい事、して欲しく無い事はきちんと伝える約束だったよね」

私は言われてもいない事をする程親切ではない。

其処までして結婚を維持する気もない。

結婚相手が香織である必要もない。相手何て誰でもいいのだ。



▲▽▲▽▲


 今まで私は武尊の何を見ていたのだろうか。

「逆に何で抱かなければいけないんだ?」

「結婚したらSexは義務なのかい?」

これが彼の本音なのだろう。武尊はこんな男だったのか。


 ティッシュで鼻水を拭いてごみ箱に棄てる。

少し頭が冷えてきた。

「愛する(ひと)に抱かれたいと思うのは当たり前じゃないの?武尊は私を抱きたいとは思わないの?」


 勿論、肉欲もある。だけど何より私は武尊の子どもが欲しかった。

「武尊にとって結婚って何なの?愛する人と家族を作る事じゃあないの?」

 好きな男のDNAを残したいと思うのは女の本能なのだ。

「結婚って夫と、子どもと、家族になることじゃないの?」


 結婚は家族を作る事じゃないのか、そう言った私に武尊は躊躇なく答えた。

 


 

「僕は子どもが欲しいと思った事は無いな。香織だって避妊していたじゃないか。要らないのかと思っていたよ」

 


本日はあと4話投稿します

9時に本日分の最終話を投稿します


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