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櫻の樹の下に埋まっているのは  作者: 朝倉メイ
第一章 夫婦の日常
10/25

妻Win

本日最終話です



 香織の眼に力がこもった。こうなった彼女に私の勝ち目は低い。

「社会的信用の為だったら、子どもも必要なんじゃないの? 私も“女は子どもを育ててこそ一人前”とか言われるもの」

確かに後一年もすれば私も言われるだろうな。

不妊治療中とでも言って誤魔化す気だったが、離婚したら無理かな。


 仕事モードの香織は強気で話を進めてくる。

「身体の相性だって良かった筈よ」

耳許で囁くように言われると、意思に反して身体は反応する。

「私を抱くのは嫌ではなかったのでしょう? だったら今度は()()抱いてあげる」


 畳み掛ける様に言われて思わず喉がコクリと鳴ってしまった。

香織が其れを聞き逃す筈もなく、ゆっくりと主張を始めた私自身を服の上から触り口角を上げた。



▲▽▲▽▲


 武尊がコクリと喉を鳴らした。元々今夜は襲うつもりだったので予定通りだ。

武尊の象徴を服の上から触って確認する。風呂で吐精をしていたので無理かなと思っていたが、大丈夫そうね。

そのまま武尊のソレをやわやわと触りながら耳許で囁く。

「ここでする?其れとも寝室に移動しよっか?」

武尊の顔は完全に欲情している。

――勝った……。

自分でも口角が上がるのが判った。


 初めて一方的に武尊を啼かせて辱しめてやった。快楽を耐える武尊を見下ろすのに愉悦を覚え、溢れる恍惚感に私は自分の性癖を改めて思い知った。



▼△▼△▼


 ()ちあがった私自身を服の上から擦りながら香織は囁いた。

「ここでする?其れとも寝室に移動しよっか?」


 今迄香織からするとあり得ない台詞だ。

結婚してもうすぐ4年目に入るがリビングでした事など一度もない。

香織は上になる事すら恥ずかしいからと嫌がっていたのだから。


 其のままソファーに押し倒され、一方的に私を攻め続ける香織の下で只管(ひたすら)喘ぐ事しかできなかった。

 行為が終わって心地よい疲労感でソファーで抱き合ったまま微睡(まどろ)んでいると食洗機の音が止まった。

終了ブザーは五月蝿いので切ってあるから鳴らないのだ。気だるい身体を起こして食器を棚に戻していく。


 後ろでごそごそとソファーから起き上がる気配がしたので、振り向かずに話しかけた。

「今日は僕の完敗だな。明日も仕事だろ? 早く寝なさいね」


 そう私が言うと香織は気だるそうに答える。

「ン、もう一度シャワーだけしてくる」

そう言い残して香織はリビングから出ていった。



▲▽▲▽▲


 久しぶりの行為に満足して、抱き合ったままソファーに横になっていると食洗機の音が止まった。

食器の乾燥が終了した事に気が付いた武尊は身体を起こしてキッチンへと向かった。

流し台から手を洗う音がした後、どうやら食器を棚に戻している様だ。


 こんな完璧な夫を絶対に逃す訳にはいかない。『結婚は日常生活だ』と言った武尊は正しいな。

「今日は僕の完敗だな。明日も仕事だろ? 早く寝なさいね」


 今日は、か。次も負ける気はない、育休の事だってその内絶対に認めさせてみせる。

私はプレゼンで負けたことはないのだから。

「ン、もう一度シャワーだけしてくる」

そう言ってからバスルームへと向かった。

明日、幕間を1話投稿します


お付き合いいただきありがとうございました

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