三題噺第1弾「ペガサス」「ボールペン」「将来設計」
私には夢がある。
それは、素敵な旦那さんと結婚して、慎ましやかでも幸せに暮らして、いつの日か孫ができて、最後は幸せな状態で迎えられたらいいなと願っている。
そのためには、まずは婚活からスタートだ!
と、言ってもどうしよう……。私の年齢=あれだから。仮に付き合うことができたとしても、まったくもって何をしたらいいかがわからない……。
どうしよう。どうしよう。不安で胸が苛まれてくる……。
そんなとき、あるゲームでチャットをしていたら、偶然にも相談に乗ってくださる方がいらっしゃいました。
その方も私と似たような境遇で、親から「結婚して、孫の顔が見たいな」と、せっつかれていたみたい。
話を聞いてみると、方々の紹介から複数の男性と会い、今では家庭を築いていることを教えてもらいました。
その方のアドバイスにより、ステキな結婚相談所を教えてもらいました。
そこは、今のネット社会の中で、アナログの方法で出会いをするというものでした。
アナログの方法とは、手紙でやり取りすることです。
しかも、一般的な結婚相談所よりも激安で、すぐに登録しようと思いました。
登録方法は、審査があり、審査に通らないと、登録できないというものでした。
私は審査に通るか不安でしたが、熱意が伝わり、登録用紙にボールペンでアイデンティティを書きました。
数日後、ある方から手紙を受け取りました。
「はじめまして、葉月さん。今度一緒にペガサス流星群でも見に行きませんか?
とっても綺麗なんですよ」
と、書かれていました。
私は少し怖かったけど、会うことにしました。
会ってみるとその方は、とても優しくて、気さくで、話しやすい方でした。
「僕には両親に親孝行がしたい将来設計があるんだ。そこで、一番の親孝行ってなんだと思います?」
「一番の親孝行ですか? うーん、そうですねぇ。子供が幸せに生きていることかな?」
「それも素敵な答えですね。 僕はね、孫を見せてあげることだと思うんだ」
「孫……」
このとき、私は初めて会う方からは聞きたくない言葉を耳にした。
ただ……女の人としたいだけなんじゃないかって……。
「ほら、見て。流れ星が綺麗だよ。月も星もきれいですね」
「そう……ですね」
私はどうしたらいいんだろう。
この人と付き合うべきなんだろうか。
夜の闇に呑み込まれて、昇る太陽を待ちわびて、ただただ、時間が流れていきました。