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9話

ブクマありがとうございます!閲覧数も250突破しました!


「大丈夫か?」


優しく話しかけた。


「うるさい!あんな奴、俺だけでも倒せた!」


「ちょ、スバル」


「まっててお姉ちゃん!俺がお姉ちゃんを守るから!」


ダッと、走って突進してこようとする。しかし、遅いのでひらりと身をかわす。避けると、次は拳で殴りかかろうとしてきた。


「ちょ、ちょっと!話を聞いてよ!」


「お前も!どうせ!そんな事言いながら!俺と姉ちゃんを連れ去るつもりだろ!」


「そんな事しないって!」


「そんな言葉、信用出来るか!」


くっそ〜なかなか話を聞いてくれない。女の子の方は何か言いたげだけど言えない状態だな。


それにしても、フェルは遅いな〜


一度パシッと男の子の拳を受け止める。その力はとても弱くて、痛くなかった。


「助けた相手にそれはないだろ」


「離せ!離して!」


「氷柱…」


目を見開き暴れ始めるが、その暴れる力さえ弱かった。一度、躾が必要な様だな。


薄墨うすずみざ…」


「スバルから手を離して!」


横から女の子が、男の子の手を掴んでいる腕に噛み付いてきた。


「いった!」


「スバルから離れて!」


「姉ちゃん…」


"おやおや、喧嘩ですか主人?"


「フェル…」


「「銀狼様!?」」


え、なに、銀狼様って…じーとフェルを見ると。まぁ、見とけ。と言わんばかりにドヤ顔をしてくる。うわ、めっちゃ腹立つ!


"楽にしてていいぞ、幼き獣人よ"


「「はい」」


"まずは、君たちが無事で本当に良かった。その為、助けてくれた人には感謝しないとな"


「ほら、スバル。お兄さんにお礼」


「で…でも…この人また、あいつらみたいにしてくるんじゃ…」


「銀狼様よ?銀狼様が言っているのだから絶対大丈夫だから。お兄さん、助けてくれてありがとうごさいました」


「…ありがとうごさいました」


「気にしないで、襲われてる人を見つけたら助けるのが普通だろ?」


すると、女の子の目から涙が出てきた。


え、俺なんか悪いこと言った?


「う…ぅ…嬉しくて……ごめんなさい…」


"泣きたい時は泣けばいい、お主も本当はお姉さんが心配で泣かなかったんだろう?"


「そうなのか?なら抱き締めてやるから、ギリギリ2人共抱き締めれるか?」


ダッと走って抱き締めてくる、お姉さんが抱き着くと男の子も徐々に涙を目の縁に溜まり始めた。


「怖かったー!」


「死にたくなかったー!怖かったぁーーー!」


「よしよし、2人共無事でよかった。お前は勇敢だったぞ、偉いな」


「さ、触んな…うわぁぁぁん!」


う〜んすごい泣きの嵐。そりゃそうだよな、見るからに暴力を振るわれた後が体に多数あるし、さっきのダイアウルフの事もあるし、もう心が押しつぶされそうだったと思うけど、兄弟の力が入ってくれたのかな…


("じ…主人、聞こえますか?")


(うわ!頭の中に直接フェルの声が聞こえるんだけど!きも!)


("…マジで殺すぞ ")


フェルの方をゆっくり見ると、ものすごい怖い顔をして今にも喰いついて来そうだった。


あちゃ〜やっちまったな!


(嘘だから!そう、嘘だから!)


("知ってますよ…さて、この子達は獣人の狼種。知性、機動力、力などが他の獣人よりは優れている種類です…ですが、その才能欲しさに違法奴隷商人が、一人でいる狼種捕まえて捕縛、奴隷として高値で取引されてしまいます。それに、他の子供が拐われると、村全体で探しに行きます)


(まじか…ということは、こいつらの村の奴らが沢山くるって事か…)


("そうゆう事です。それに、鼻がいいので少しでも痕跡があると臭いに気づいて追いかけて来ます")


なら、早く親の所に連れて行ってあげないとな。


フェルがゆっくりと腰を下ろして、気を抜いていた時、獣人の女の子が言った。


「お兄さん!後ろ!」


「え?」


後ろを振り返ると、そこには大きな口を開けて食べる寸前のダイアウルフだった。


(まずい!)


少し前に行くが、男の子がへばりついている為動きにくい、それに5歳なので体力もあまりない。


(くそ…フェル!)


こいつらの盾になりしゃがみこむ、喰われる!そう思った時、俺の目の前に2匹の謎の魔物がいた、両方ともとても綺麗な宝石を額に付けていて、片方は黒色、もう片方は銀色の宝石を額につけていた。鼬の様な…とりあえず綺麗な魔物だった…死の前に見れて良かった…


その魔物は、俺を食べようとしたダイアウルフに飛びかかり黒色の宝石の魔物の額が赤くなり、ビームを発射した。


「グギギャャァァ!」


内臓だけを破壊されて絶命した。


そして、もう片方の銀色の宝石の額に持つ魔物は、子供たちに近づきペロペロと傷を舐める、すると、あら不思議と言わんばかり傷が消えていった。


「ありがとう…」


("…、…!…ん!…あーあー、よし、会いたかったよ!")


("やっと、見つけたよ〜")


「なに…頭に直接…」


「この子たちが話してるんだと思う」


("ほら!僕だよ主人!君が小さい事飼ってくれていた兎!)


("そうそう、あの頃と変わってないね")


「お前ら!チョコとモモか!?」


(("うん!"))


あれは小学校の時…4年生は一年間兎の世話をする事になっていたけど、みんな飼育しなく、僕だけ飼育していると僕にだけ懐いてくれて5年生になっても、6年生になってもずっと小屋の中から見てくれていた2匹。懐かしい…


"これは、カーバンクルですね。富の象徴と言われています"


("そうなの!神さまに君に会いたい〜会わなきゃ死んじゃう〜って言ったらあっはりこの体にしてくれたんだ!")


("とりあえず、この森から出ようよ")


「ちょっと待って。まずはこの子らと話を付ける」


「「?」」


俺は同じ目線になって話し始めた。


「まずは2人に選択肢をあげる。1つ目は、このままここで別れて2人で親を探す。2つ目は、俺たちと一緒になって探す。その時はちゃんとしたご飯もベットもある。さぁ、どうする…?」


「私はお兄さんについていく!」


「姉ちゃん!?」


「まずは、ちゃんとご飯を食べて体力を付けないと、またあと人達に捕まっちゃうよ!」


「それは…そうだけど…お兄さん、俺ご飯沢山食べるよ!」


「飯は気にすんな。よし、決まりだな。異論は無いな、2人供?」


「はい!」


「お姉ちゃんが行くなら、俺も行く!」


やっぱり、兄弟愛は素晴らしいな。


それから、フェルの後ろに3人で乗って家まで帰った。やっぱり、銀狼には乗れないと言っていたけど結局乗ってくれた。カーバンクル2匹は2人の頭の上に乗っています。



















商人達ことば


「氷が冷たいです」



カーバンクルの宝石はヘマタイトと、スターサファイアです。

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