8話
長い…のかな?
やっと寝る事が少しずつ減ってきました、どうもハルヤです。やっと5歳になりました。
今はこの世界の学校に行くか、行かないかで検討中です。
通学は馬車を利用するからいいとして、なかなか打ち解けなかったり、ぼっちになるのは嫌だな〜と思ったりしています。
けど、結局楽しそうだから学校には行くんですけど、僕は9歳から入ります。
学校は6歳から入れて3年間、つまり9歳でみんなが魔法を使えるようになる事を目指す。
9歳から12歳の間に少し強めの魔法、強い魔法を覚える。
12歳から15歳までで強い魔法の種類を増やす、資格を取るなど出来る。
僕はとっくに初級魔法を覚えて、強めの魔法も一応覚えてはいますが、基礎が大事だと思ったので9歳からにしようかと考えています。が、家庭教師の先生に教えてもらってマスターしたら12歳からなんですけどね…
「いいですかハルヤ君、この魔法を使えば一応魔法の応用として使えたり出来るからね?」
「分かりました、トロイア先生」
「よろしい、おっとっと、もう時間ですか。終わりにしましょう」
「ありがとうございました!」
この人はトロイア先生。ご老人だけど、お父さんのお師匠様なんだって。
「う〜ん…あのクソ餓鬼の子供はちゃんとしていて、私…泣きそうになります」
「あはは…お父さんってやっぱりやんちゃだったんですか?」
「そうだね〜もう周りからも阿保と馬鹿のオンパレードだったけど、それでも私の授業をしっかり受けたり、実践したりしてたからいい子でしたよ」
「そうなんですか」
「お、終わったか?」
「終わったよ、お父さん」
「そうか、そうか、偉いぞハルヤ、それと師匠ありがとうございます」
「クソ餓鬼がいっちょまえに父親しやがって、頭は妻に似て良かったな」
「師匠ひど!」
それから、ゆっくりとお茶を飲みながらお父さんの過去を聞いたり、トロイア先生こ過去の事を教えてもらった。数回、魔法と剣が重なったのは内緒。
「じゃあ、また来るからなハルヤ復習しとけな、それとクソ餓鬼はちゃんと子供の面倒見ておくんだぞ」
「うん!」
「分かってますよ師匠」
後ろを向いて手をひらひらしながら帰っていく。
☆
「はい、ハルヤ。お金と買う物リスト、よろしいねハルヤ、フェル」
「"はい!"」
前に、お父さんとフェルと行った事のある街【マーク】でお祭りが開催されるので、そこで俺たちも出店する事になった、マークの街の領収さんから手紙をもらったので…
それにしても、あの街でお祭りか…めっちゃ大規模だな。
「ちょっと楽しみ」
"私はこのままで行きますけどね"
「なんか…絶対に変な奴らに見つかりそう…」
馬車で通った事のある道を馬車よりは遅めにフェルは歩く。フェルから後で教えてもらったが、フェルには神速と呼ばれるスキルを持っていて、電光石火の如き速さで走れるのだという。
まぁ、神速なんて本当に遠い場所の物を買ってきてもらう時ぐらいから使ってもらうぐらいだからな〜
「ねぇフェル、道草してこ」
"…お母様に怒られますよ"
「大丈夫だって!ここら辺治安良いし、それにフェルもいるしね」
"その甘えは時に足元を掬われますよ"
「フェルのけち」
"どうぞ、なんとでも言っていてください"
ポカポカとフェルを叩きながら順調に街に向かっていく。
街に着くといつも通り入国審査です。
「お…おい、君…身分証明書か、入国金はあるかい?」
「ありますよ。それと、この子は従魔なので、ほらここにギルドの証が付いてるでしょ?」
「確かにそうだな…すまなかった坊主、許してくれ。とりあえず、ようこそマークの街へ」
僕はまた、フェルの後ろに乗って進む。
やっぱり、周りからの視線が凄いな…
みんな、すげ〜!とか、あれ…大丈夫なのかしら…とか、あれ奪ったらどれだけの価値があるんだろうな…とニヤニヤしながら見てくる冒険者らしい人物。
「フェル、ここを右に回ればお目当ての場所に着くよ」
"分かりました"
目的地の場所のお肉屋さんに着いた。
「いらっしゃい坊や、今日はおつかいかな?」
「うん、えっと紙に書いてあるやつと、コロッケを4つください」
「ありがとう、じゃあ用意するから横で待っててね」
〜数分後〜
「おまたせ坊や、紙に書いてあった物とコロッケ揚げたよ。じゃあお代をお願いね」
「はい、これでお願いします」
「うん、ありがとう。じゃあ、これおつりと荷物ね」
「ありがとうございます!おじちゃん!」
「また来てね〜」
俺はすぐに外でて、フェルがいるところを目指す。
すると…
「おい!この犬早く縛り上げろ!」
「早くしねーと、あの餓鬼帰ってくるって!」
フェルの辺りを紐のようなものが巻きついている、それを知っているのか、フェルは、これくらい貴方の力で対処してみてください。みたいな目でこっちを見てくる。分かりましたよ、フェンリルさま。
「氷柱・淡墨桜」
対象の頭上から大きな氷柱を出して落とす。めちゃくちゃ弱く出したので、武器を使えば壊れる。
身動きが取れなくなって、キーキー猿みたいに何かを言い始めた。まぁ、気にしない、気にしない。
それから、出店にあった焼き鳥風の物を沢山買って街を出た。
「ね〜フェル〜ここら辺になんか人が居なさそうな場所とかないかな?」
"…何を企んでいるんですか"
「今回は別に何にも」
"ほぉ…いいでしょう。行きましょうか"
ここで、まさかの神速を使われた。リードを持つ手の力は5歳というか10歳ぐらい分使ったと思う。
「うわぁぁぁぁーーー!!早すぎーー!」
着いた場所は近くにマークよりは小さな街がある森だった。聞くと奴隷商人が行き来していると噂があるらしい…違法じゃなくて本当の奴隷商人ならいいけど、違法奴隷商人だった場合はこうゆうところを通って行くらしい…定番だね。
「この森には…いるね、これ…」
"そうですね、主人には不意打ちを覚えて頂きましょうか"
…はい。
ゆっくりと森に入っていき、魔法を使って敵の位置をさぐると、沢山の群れが多分商人達に向かって飛びかかり色々な反応がバラバラに散りばめられた、多分奴隷達が入っていたところが壊されのだろう。
「よし、まずは商人からやってくるね」
"頑張ってください"
タッと走り出して、手に氷で作った蛇達を作る。
これは、拘束魔法と氷魔法を合わせた魔法。
そして、大群の方にはさっきも使った淡墨桜を放つ準備した。
目標を目視で確認すると、まずは蛇達を5歳の全力で投げる。
ぴゅ〜ん、どん…
…投げた距離短か!
うわぁぁぁぁーーー!とおっさん達が泣き叫んでいる。そこに大群…ダイアウルフだった。
あの時の借りを返させてもらおう!
「氷柱!淡墨桜!」
最大限の力を使い、ダイアウルフ達を串刺しにして全身を凍らせて、桜の花に変える。
一旦落ち着いてから、拘束魔法と氷魔法の合体魔法で囚われている商人達を氷でもう一度縛ってから一度周りを確認する。
すると、ダイアウルフ2匹が奴隷の2人に近づいていた。
「フェル!この人達よろしく!」
"承知しました"
俺は走った、頑張って走った、普通の5歳の子が一年で走る距離よりも走ったと思う。
やっと追いついた時に見た光景は、大きな木にへばりついていた獣人の子供、それをガルル…ガルル…と鳴いて様子を見ているダイアウルフ2匹。
「お母さん!お父さん!助けて!」
「姉ちゃんは下がって!僕が囮になるから!」
「いや!スバルとじゃなきゃ!」
ダイアウルフが飛び付こうとした時、やっと間に合った。ので、この子達の前に立ち塞がる。
「お前なんかにこの子らを食べさせるか!氷柱!染井吉野!」
俺は手から出た一つと針がダイアウルフの口に入り、刺さったところから無数の氷の針が突き刺さる。
「グギャャアァ!?」
もう1匹はそれを見て、一歩ずつ引いていく。けど、あの時俺を怖がらせた奴らはここで叩く!
「氷柱!八重咲き紅蓮の宴!」
ダイアウルフの下から氷柱が伸び奴を串刺しにしてから無数の氷の針が体を貫き、対象の全ての血を使い氷は赤く染まり、満開の赤い桜が咲き乱れる。
「綺麗…」
女の子は感動した様に一言呟くが、これ血だからね。
俺は後ろを振り返ると、震えていた兄弟はこの桜に夢中だった。が、すぐに俺を警戒して男の子が俺の前に立ち塞がる。
「お姉ちゃんに近づくな!」
酷い傷で、ボロボロの布の服を着ている。
女の子はフェルよりは薄い銀色の髪の毛、男の子は黒に近い色をした銀色の髪の毛だった。
俺はそっと近づく、ビクビク震えているのでしゃがんで頭を優しく撫でる。
「大丈夫か?」
優しく話しかけた。
新しい子を出しました。今後、この子達も成長していきます。
それと、技名ですが、家の前の桜が綺麗だったのを思い出して桜を多く使った技名になりました。