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57話

学長先生が転移室を作ってくれた後そそくさと帰っていった。

俺達に少しだけゆっくりとした時間が流れる。

エリナにフェルの収納魔法から取り出した(異世界産の)ココアを使って3人分の温かいココアを作ってくれた。

フェルの収納魔法の中はまだまだ入るし、ココアだってフェルがガサガサとさっきしていたらたまたま見つけただけで多分まだ何かある。


「このココア美味しいね!」

「そうね、チョコレートって感じもあるし甘味もあってとっても落ち着く味ね」

" 主人、私にも一口 "

" スバル君!僕も!僕も! "

" エリナさん、一口ください "

「スト〜ップ!動物にはココアは良くありません!逆に毒です!」

" " " えー! " " "

「えー!じゃない!」


3匹はぷりぷりしながらスバルとエリナの足元に寄り添ってねだっているが、俺から目を合わせて、飲ませるな。と伝えると素直に応じてくれて一滴も飲ませなかった。

それじゃあかわいそうって感じだったから、後で買い出しに行く時に何か買ってあげる事にした。


「明日からか〜」

「そうね。あ、先に部屋決めましょう!」

「そうだな、なら俺は下でお前ら上「「それはダメ!」」

「お、おう…」

「ハルヤ兄とはたまに寝たいからみんな2階!」

「そうです!夜這いが階段の音でバレたらどうするんですか!?」


うん?エリナなんか変な事言わなかったか?

スバルとエリナのめっちゃ凄い説得で俺は折れてみんな2階で寝る事になった。各自の自分の鞄を持って2階に上がり部屋に入っていく。

部屋の中は机と椅子は全員の場所に完備されていてベットに服掛け、ロッカーなどもあった。


「ほえ〜もう家だなこりゃ」

" 前の主人の家の様です "

「そんなに?」

" そんなに "


ふ〜ん。

スバルはどうかな?

スバルの部屋は俺の部屋の扉を開いた階段の奥にあり、なんとスバルの部屋の隣は魔法でとんでもない広さのジムになっていたりするのでスバルにはもってこいだね!

エリナは俺の隣の部屋で、もしかしたら壁を突き破ってくるかもしれないので保護魔法を壁に使い強化だけしておく。


「スバルの部屋ってどんなの?」

「え?普通だったよ?」

「エリナは?」

「私もです」

「な〜んだ、つまんねぇ」

「ハルヤ兄、買い出しっていつ行くの?」

「あぁ、今が2時ぐらいだから…あと30分後かな。?それまでは着替えたり、片付けたりしようか」

「はい!」 「うん!」









「お昼の街も賑わってるね!」

" すごい!沢山人いるね! "

「まずは、八百屋とかの食べ物からな。それからは歩きながら食べ歩きとかすればいいかな」

「そうですね。なら八百屋さんは…ありました」


エリナは目を光らせて場所に確認してから買い物袋とお金の入った財布を持って小走りで走って行った。

俺らも少し早歩きで追うとエリナはこの短時間で6個程度野菜を頼み買っていた。

笑顔で、ありがとうございます。と言っているエリナを見て兄弟みたいな関係なのにドキン…とときめいてしまう。


「ハルヤ兄?大丈夫?おんぶする?」

「ふぇ!?あ、あぁ問題ない」

「ハルヤさん、買ってきました」

「まだまだ足りないからゆっくり買い物をしようか」


魚に関してはフェルの収納魔法に2年前の物やらなんやらがあるので良いとして肉…も収納魔法にあるからいいかな?


(ワイバーンとか、ドラゴンとか、マンティコア…は不味いから無しとして、ギルドの討伐ランキングのBやA、またはSランクに匹敵する肉もあるけどこれは、これだ)


あ、スバルのチョコが武器屋見てる。

それは置いといて、4時辺りに大きな木の下に集合する事で約束して各自で分かられ事にした。

スバルはすぐに武器屋を見に行き、エリナはハーブティーや、心が落ち着く様なお店に入っていくのを見てから俺も行動する事にした。

俺はその2人と別れた場所から少し離れたところにある小さなお店に入る。フェルは外で待ってもらっています。


「あ!いらっしゃいませ!」

「君がここにオーナーですか?」

「違うよ。私のお父さんとお母さんがオーナーさんだよ!お兄ちゃんは今日はどうしたの?」

「たまたま寄っただけなんだけど、ここにティーカップやお皿とかあるかい?」

「うん!あるよ!」

「見せてくれるかい?」

「うん!こっちに付いてきて!」


たったった。と走っていく女の子を追って奥に行くとそこには綺麗なガラス食器やらが沢山あった。

お椀に、茶碗、魚皿にティーカップ、お酒を入れる小さな物もあった。


「綺麗だね」

「そうでしょ!お父さん達が頑張って作ってるの!」

「そうか…なら、この色違いのティーカップとお皿と、猫の横顔が書いてあるお皿と黒いお椀とかを10個ずつちょうだい」

「えぇ!?お兄ちゃんそんなに買ってくれるの!?」

「え?ダメだった?綺麗な皿だったし、なんだか懐かしい感じだったから…かな?」

「ううん!全然大丈夫!ちょっとお母さん呼んでくるね!」


そう言ってレジの奥の部屋に入っていった。

この猫の横顔なんて俺がいつも使っていたお椀にそっくりだし、この焼いた魚を置く皿なんて俺の持っていたやつとそっくりだ。


ドタドタ!


と女の子が入っていった場所から音がする。


「お、お客様!遅れて申し訳ございません!」

「いえいえ、全然大丈夫ですよ」

「ありがとうございます!それではお会計ですが、銀貨100枚です」

「はい、金貨3枚でお釣りは要りません」

「そんな!こんな大金!」

「だって、お母さん風邪何か病気を抱えているのでしょう?」

「なっ!それを…何故?」

「分かるんですよ。これも運命の巡り合わせです。どうか受け取ってください」

「そ、そんな…大丈夫ですよお客様」

「お母さん…」

「リサ…ありがとうございますお客様。ではちょうど金貨3枚ですね」


そう言って急いで皿などを保護しながら袋に入れていく。


「お待たせしましたお客様。本日はありがとうございました」

「はい、また何か足らない皿とかあればここを寄らせて頂きますね」

「はい!また是非!」

「お兄ちゃんばいば〜い!」


女の子に手を振ってから店を出た。

フェルから早く行きましょう。と目で訴えてきたのですぐにフェルの収納魔法の中に入れてもらってから街を歩いていった。





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