3話
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また、少しでもお読み頂けた方が150いきました!
俺に攻撃してこようとしてきたダイアウルフ達を追い払ってくれたフェンリルのフェルが勝手にテイムされた。
とっても嬉しいけど…てか、なんでこいつさっきから鼻歌歌いながら歩いているんだ?
"主は、なんでこの世界に?"
「あ〜買い物してる時に女の人庇って刺されてって感じ」
"へ〜私は普通に寿命で飼い主に見守られながら死にました"
「でも、嬉しかったんだろ?」
"それはまぁ…私が生まれた時からお世話してくださいましたからね"
こいつにも事情があるんだな。というか、家に帰った時の言い訳どうしよう…
「なぁ、お前俺の家に行くのか?」
"もちろん、私は貴方の従魔なんですから"
あ〜ダメだこりゃ。
とりあえず、まずは街に行って買い物だけ済ませてから考えよう…
「少し早めに行けるか?」
"全然、問題ないです"
駆け足で走るフェル。本当に綺麗な白銀こ毛だな、売れば何円ぐらいするだろう。というか!見た目はサラサラなのに触るともふもふってチート級にずるい!
街に着きました。しかし、みんなえぇ…って表情で俺を見てきます。
主にフェルが悪い。
「ぼ…坊や?あ、危ないよ?」
「あ、大丈夫です。ちゃんとリード付けてますから、それにほら、お手も出来ますよ」
「そ…そうかい、頑張れよ」
みんな見てくるけどリードと首輪があるおかげか、一安心している様子だった。
「えっと…魚屋さんで魚18匹、八百屋さんで野菜とか色々買ってこなくちゃ」
"魚でしたら、私ありますよ?"
「え?いやいや、そんな、いくらフェンリルだからってそんな…そんな…なんだろう、ごめん」
フェルは壁に手から出た謎の液体をかけて、そこに顔を入れて取り出してきたのは、現世で言うところの、ハンマーヘッドシャークや、マグロとハマチの中間みたいな魚に、えっと…シイラ?だっけ、そんな緑色をした魚を出してから戻ってきた。
"これくらいですかね、他にもありますけどここじゃ騒ぎ起きちゃうからやめときますね"
「これ、全部新鮮じゃない?」
"私の収納魔法です、現世で魚は血抜き?と言うことをすると美味しいと、いつも飼い主がテレビで見ていたので覚えていました。だから血抜きをして収納魔法の中に投げ込んでおいたのです"
「まぁ〜頭のいいこと」
なんだ、なんだと周りの人が集まってきた、そこに多分俺が本来行くはずの魚屋さんの看板の文字が入った服を着た男の人がこちらを見て、目を見開きながら俺に近づいてきた。
「ぼ、坊主、その魚おじちゃんにくれね〜か?」
「えぇ…なんでですか」
"そうです、理由を教えてください"
「うわ!犬が喋った!」
"私はフェンリルのフェルです、今は彼の従魔として付き添っています"
「そうですか…すいません。そのな…食べてみたいって言うのか本音なんだ…ちゃんとお金は払う、だからこの通りだ」
おじさんは深々とお辞儀をして頼んでくる。
確かに、この街は田舎だから、あっても川ぐらいであんまりこんな大きな魚を見た事がないのだろう…
"フェル、一匹周りの人と試食してみないか?"
「主がいいのなら、ちょっと待っててくださいね」
また、手から壁に向かって謎の液体を付けて取り出している。
「…フェンリルは何をしているん?」
「フェルは収納魔法を持っているらしくて、こうやってさっき取り出してくれたんです」
「ほぁ〜坊主は神の使徒か何かか?」
「僕は、ただのユール家の三男のハルヤ・ユールです」
「えぇ!?あのユールさん家の息子さん!?」
"あらよっと"
「「……なにこれ」」
"試食なので、大きいやつを出したんです、もちろん血抜きはしてあります"
「じゃあ、おじさん後はよろしくね」
「お…おう、任せとけ、後で店の前に来てくれるか?」
「分かりました、行こフェル」
"分かりました、調理はよろしくお願いしますね"
俺はその場去って、八百屋さんに足を運んだ。
八百屋さんで、キャベツ2玉と、人参3個を買ってお金を払った。
その時、八百屋のおばあさんから、オマケでペロペロキャンディーを貰った。
フェルには、トマトを一ついただいた。
「ありがとうおばあちゃん!」
「大丈夫だよ〜それにしても、おーきなワンちゃんだね〜」
「触り心地も最高なんだよ!」
「そ〜かい、一回触っていいかね?」
"トマトを貰えたので、お礼です。どうぞ"
「ありがとうね〜じゃあ、柔らかいね〜」
おばあちゃんは微笑みながらフェルを撫でる、フェルも気持ちよさそう。
それから、またフェルはトマトを貰い、おばあちゃんにお礼をしてから八百屋を去った。
"撫で方が…前の主人と同じで懐かしかったです"
「へ〜よかったじゃん」
さてと、まだ4歳の体では歩くのはもう限界なので、フェルの後ろに乗る。
あ、やば…フェルが動く時の振動が眠気を誘ってくる…
「フェル…眠くなっちゃった…」
"では、景色の良いところでお昼寝しましょうか、すぐなので寝ないで下さいね"
ダッ!と走り出したフェル。
街を超え、川も超え、山は超えずに、山の山頂にある大きな木のところに30秒程度で着いた。
「うお〜すげー!」
"ここでお昼寝しましょうか"
「フェルは枕になってよ?」
"ふふっ、前の飼い主のお孫さんみたいですね。じゃあどうぞ"
「少しだけ…寝るから、すぐに起こして…」
"はい、分かりました"
俺はそのまま、フェルに体を預けて眠りに着いた。