2話
見てくださりありがとうございます!
俺はお母さんのお、お、おっぱいを飲んですくすくと成長して、4歳になった。
4歳になって歩く事も普通に出来るようになった。初めて家族の前で掴まり立ちをした時は、親は大泣き、兄弟はすごい!可愛い!天使!なんて言ってくれた、あの時はすごく照れくさかった。
言葉だけど、あの神様の加護のお陰で3歳になった時に理解出来るようになった。初めてお母さんの言葉に反応した時は、お母さんは一回気絶した。
そんな事もありながら、家族や使用人の人達に囲まれてすくすくと育っていっています。
名前も覚えました、俺はこの世界では、ハルヤ・ユールの名前をもらった。
ちゃんとあれは付いてます、男です。
お母さんは、アミ・ユール。
お父さんは、レグ・ユール。
お兄ちゃんとお姉ちゃんは、セロ・ユールとセラ・ユール。という名前らしい…嬉しい事に日本の名前と似ている名前の為反応しやすかった。
「はぁーー!!」 カキンッ!キンッ!キンッ!
「セロ、剣のスピードが落ちているぞ!」
「分かりました!」
机の近くの窓から外を見るとセロお兄ちゃんは、お父さんと剣の鍛錬をしていた。お兄ちゃんは俺より、5歳年上で騎士を目指していて、2年前からお父さんと鍛錬しているらしい。
お姉ちゃんは俺より4歳年上です。
「あれ、ハルヤはお父さんと鍛錬しないの?」
「うん、僕は魔法の方が合ってるから。それより、セラお姉ちゃんは何見てるの?」
「これ?この世界の歴史書を読んでるのよ、私は学者になりたいからセロとは違う道を進むの」
「学者かーすごいね!」
「ハルヤは魔法使いになってから冒険者とかになるの?」
「う~ん…どうなんだろう」
正直、ほとんどなんでも出来るこの体でゆっくり生活するのもいいし、冒険者になって世界を回るのもいいし、俺はどうなんだろうな。
「あら、セラにハルヤ、お勉強中だったのね」
部屋のドアが開いてお母さんが入ってきた、なんだろうね、俺はお母さんが来るといつも抱き着いてしまう。
「お母さ〜ん!」
「ふふっ、ハルヤは甘えん坊ねぇ〜」
「えへへ〜お母さん大好きだもん!」
「もぉ〜この子は可愛いんだから〜まったく。そうだセラ、おつかい頼んでいいかしら?」
「えぇぇ〜私〜?」
「少しだけなの、お願いよセラ」
「私が〜?そうだ!ハルヤに行かせたらどう?」
セラお姉ちゃん…そこで俺を持ってくるのかよ。
「う〜ん…ハルヤ、行ける?」
いやいや、日本で成人済みの俺に頼むか!?
しかし、お母さんの頼みだから行こうかな…
「僕おつかい行くよ!」
「あら本当に?なら準備するから本を戻してから下に来てね」
お母さんは小走りで部屋を出て行った、セラお姉ちゃんはくすくすと笑っていた。
「ありがとねハルヤ」
「次からは行ってよね、お姉ちゃん」
「行けたら、行くわよ」
「むぅ〜お姉ちゃんのおたんこなす!」
「え、何、おたんこなすって」
ふん!俺はぷりぷり怒りながら部屋を出て行った。
2階に降りた行き玄関で俺を待っているお母さんの元に走った。
「じゃあ、この紙におつかいする物が書いてあるからね。そしてこれがお金、絶対に落とさないようにね。それから手提げ袋とお守りね」
「なんでお守りなの?」
「ハルヤが可愛いなら連れ去られないようにする為に、お母さん特製のお守りなの大事にしててね」
「じゃあ行ってくるね!」
「行ってらっしゃい!余ったお金でお菓子買ってきていいからね〜!」
子供かっての。あ、子供か…
俺は駆け足で近くの町まで行く、その距離1km。
別にそうでもない距離と思うけど、子供の歩幅と体力を考えると結構長い距離である。
「はぁ…めんどくさいな〜」
家族の前では偽っている口調をやめて、本来の俺の口調にする。
「ここで、大きな魔物が現れたりして〜(笑)」
そんな時だった。
近くの森からガサガサと音がしだした、その音はどんどん大きくなっていき、音の数も増えていった、そして姿を現したのは…
「ダイアウルフだ!」
ダイアウルフは、魔力を取り込んで強化されたその身体能力は高い。野太く、耳障りな吠え声。全身を覆う、夜のような、群青色の毛。縄張りは広く、数キロ四方にも及ぶ。その攻撃性は非常に高く、縄張り内に踏み込んだ者は、何者であれ、優れた追跡能力で追いかけられ、仕留められる。
なんでこんな所に!
俺はすぐに街に走った、魔法を使って身体を強化して行くがそれは雀の涙ほどでしかなかった。
ダイアウルフに気づかれて、俺に群れで一度遠吠えをしてから俺の方に向かってきた。
(やばい!やばい!やばい!やばい!やばい!)
ここで終わるのかよ!ちくしょう!
「誰か助けてー!」
ダイアウルフは一斉に俺の飛び掛かり襲おうとしたその時、ダイアウルフが情けない声を出して飛び散った。
目をゆっくり開けると、そこには白い…いや白銀に輝く姿をした奴が俺を守るようにダイアウルフの前に立ち塞がった。
「キャン!キャン!」
「ガァァァ!」
目の前の奴が吠えると、一歩ずつ後ろに引くダイアウルフ達。
しかし、恐れを知らないと思われるダイアウルフ1匹が隙を突いてこちらに向かってくる。
が、それをいとも容易く避け、奴の口の中に収まり奴はダイアウルフを噛み砕いた。
「キャン!?キャ…………」
最後の声を出してから目の前でダイアウルフは死んだ。
それを見て恐怖したのか他のダイアウルフ達はすぐに森に帰っていった。
「あ…ありがとう…」
お礼を言うと、奴は後ろを振り向いて俺と対面に座り、ゆっくりとお辞儀をしてきた。
"あの日から貴方にお礼をしたかったんです、ありがとうあの時の少年"
「え、あ、え?」
"忘れてしまったかい?確か…君が大きな鞄を持ってい時、私が川で溺れているけど私を飼ってくれていたご主人が助けてくれなかった時に、貴方が私を助けてくれた事…あの時は忘れない記憶です"
「え…あ、その…」
"まだ思い出せないか…白い犬で…"
「あ〜?出て来るような…出てこないような」
"後は…飼い主がお年寄りのお爺さん"
「え、あの時の白い犬!?」
"そうです!あの時の白い犬です!やっと思い出してくれましたか!"
そうだ、思い出した。
あれは、高校2年生の時…朝から寝坊してしまい遅刻するギリギリの時に川に落ちてしまった1匹の白い犬がいた、助けなきゃ!と思ったけど遅刻もしたくなかった…飼い主が助けてくれるだろうと思ったけど、飼い主はお爺さんだったから、もう後でこの人に遅刻の言い訳の証言者になってもらおう!
という事で、まずは飼い主らしき人と話してからすぐに犬の助けに行った。
声が霞んでいく犬を掴み、すぐに持ち上げて陸地まで行った。
凄く飼い主さんに感謝されたけど、俺はすぐに学校に行った。結局遅刻はしたものの飼い主さんが学校に連絡を入れてくれて遅刻は無しになった。
「ははっ!あの時の犬か、お前大きくなったな!」
"はい!神様からフェンリルとして生まれ変わってほしいと言われたので、もしかしたら貴方に会えるかもって思って私を助けてくれた貴方を見つけれるようになるスキルを貰って今まで暮らしていました"
「へ〜てか、お前首輪付けてるんだな」
"あぁ、これは貴方の側にいたいので神様に頼んで、貴方にしか外れない様になっている特別な首輪を貰ったんです"
「そうなんだ、あ、おつかい頼まれてるんだった!」
"では、私の背中に乗って行きましょう。ちゃんとリードもあるので街中ではちゃんお利口さんにしますので"
「ありがとう、あのさ、名前…お前名前はあるのか?」
フェンリルは少し下向きう〜んとしてからこう言った。
"前の名前はありますが、私の今のご主人様は貴方なので名前を貴方から欲しい"
名前か…ギン、フェル、フェン、フェリ、フェリン…何にしようかな…
「じゃあ、お前の名前はフェルね」
"うっ、ありがとうございます、新しいご主人様"