10話
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あの悪徳違法奴隷商人達をマークの詰所に報告して、後で報酬金を家に送ってもらう事になった。金貨10枚だって。
この世界では、銅貨→銀貨→金貨→大金貨→白銀貨→大白銀貨の順に価値が高いんだって。
家に帰る帰り道でカーバンクル2匹がご機嫌で喋り出した。
"ね〜ね〜獣人くんの頭の上ふさふさで気持ちいいね〜"
"そうだな。 けど、臭いな"
「おいおい、それはこの子らは捕まってたんだから仕方ないだろ。それと、女性にそんな事言っちゃいけません!」
「お姉ちゃんは綺麗なんだぞ!」
「スバル…仕方ないよ、お風呂なんて捕まって以来入った事ないんだから」
"みなさんで一緒にお風呂入ればいいでしょう。女性は別で"
「なんで姉ちゃんだけ1人なんだよ!」
"それは…その……"
「あれだよ、性別が違うからって事。お母さん達とお風呂に入れば大丈夫さ」
「お母さんって…私たちの事変な目で見ないかな…」
「そこは大丈夫だよ。お母さんは元冒険者だったらしいから」
"耳の毛のところがふさふさ〜"
ぺろぺろとチョコが彼の耳を舐める。すると彼はもじもじしだした…あ、これはまさかの性感帯だったり?
「あ、あのさ…その…変な感じするからやめてほしい…」
ビンゴ。やっぱりか…風呂場で触ってやろうと思ったのに…
ぐぅ〜〜〜
彼のお腹と、彼女のお腹から可愛いお腹の音が鳴り出した。
「…っ!お腹空いた!」
「私も…あんまり食べてなかったから…」
「ふふ、大丈夫だよ。フェル焼き鳥出してくれるか?」
"焼き鳥って〜?"
"焼き鳥って言うのは、鶏肉を串に刺してタレをつけて焼いた食べ物だよチョコ"
"分かりました、でしたら一度降りてください"
一度降りて、近くの木にまた謎の液体をかけて顔を入れる。少し待つと、少し湯気があるマークの街で買ってきた焼き鳥を出してくれた。
"食べ歩きは良くないので、近くに座って食べましょうか"
またまた顔を入れて取り出してきたのは、なんと遠足とかで使うビニールシートだった。なんでこんな物を持ってんのさ。
近くの草原にビニールシートを敷いて、その内側に座り焼き鳥を食べる。ももから水を出してもらって手を洗ってからね。
「じゃあ、いただきます」
「?、ねぇ、いただきますって何?」
「食材に感謝を込めて食べるから、鳥の命を頂いて俺達は生きてるから、命をいただくから、いただきます。って言うんだよ」
「そうなんですか…じゃあ、いただきます」
「い…いただきます」
" " "いただきます!" " "
「ふふ、沢山あるから食べるんだぞ」
一口食べる。濃厚なタレが大好物の鶏肉と絡んで最高のハーモニーを奏でている。なんとも美味しい!点数、78点!
横をチラッと見ると、女の子は1本1本食べているのに対して、男の子は手に焼き鳥が3.4本持っており口にも沢山入っていた。行儀は悪いけどこれは、これで微笑ましいし、買ってよかったと思った。
「スバル行儀が悪いよ」
「だって美味しんだもん!このタレ美味しい!」
"確かに美味しいですね、タレと絡んで美味しいです"
"もも〜これ美味しいね、宝石の方が美味しいけど"
"チョコの舌はお子ちゃまね、こうして肉を食べるのは初めてだから新鮮だわ…"
楽しく喋っていると、後ろから声をかけられた。振り返ると武装したおじさん達の集団がいた。
「ねぇ…君たち?おじさん達も一緒にいいかい?」
俺はすぐにフェルの方を向く。
(フェル、一応みんなに完全弱体耐性を付与しといて、それと2人を守って)
("分かりました")
「え〜おじさん達と食べるの〜?」
周りを見ると、ニヤニヤしてこちらを見ている。見ているのは俺以外の獣人と、フェルと、カーバンクルのももとチョコの全員だった。これは…間違いなく誰かの依頼で来たな…
食べてすぐ運動するのは良くないんだけど…仕方ない。
「なら、僕に勝ったらいいよ!僕、魔法使うのは得意なんだ!」
「なら、俺も("獣人くん、今は静かにしてて")」
「そうかい、そうかい!ならおじさん達も張り切っちゃうぞー!」
全員が俺の目の前に立つ。数にして18人か…まぁ大丈夫だな。
「どっからでもかかってこい!」
「お前らかかれ!」
うおーー!と雄叫びをあげて迫ってくる。大の大人がそんな子供に本気を出すなんてな。
「火球!」
「雷! 」
「水球! 」
「氷柱、桜吹雪 」
ピンク色の氷の桜花がやってきて俺の周りを回転する。奴らが放った魔法は桜の花びらに当たって消える。
「なんだ、この餓鬼!拘束! 」
効かないな〜フェンリルの弱体耐性舐めんな!
「氷柱、淡墨桜 」
奴ら1人1人の真上に氷柱を出して、押しつぶす。
頑張って壊そうとするが、まぁ死なない程度に放っただけだから、そう簡単には壊さないよ。
「で、お前達の目的はなんだ?」
「何にも目的なんてねーよ!」
「なら、今から見せる技を君の仲間にもやるだけだから」
遠くにいたイノシシみたいな魔物に氷球 を放ち、見事命中。こっちに突進してくる。
「氷柱、桜吹雪・〆の舞」
(もも、チョコ!2人には見せないように!)
(" "了解!" ")
「ちょ!見えないよ!」
イノシシの辺り周辺に桜吹雪が周り、次々と桜の花びら一枚、また一枚とイノシシの皮膚に当たり切り刻んでいく。そして、イノシシは奇声をあげながら絶命した。その姿は皮膚だけを切り刻んだ酷い状態だった。
「こうなっちゃいたくないなら話そうね?」
「分かった!分かったから!俺達は貴族に頼まれて狼族の綺麗な奴を取っ捕まえて来いって命令されたんだよ!それでちょうどいいところにお前たちがいたから攫おうとしただけだ!」
やっぱりは…こんな治安の良いところに武装しているおじさんとか不自然にも程があるよ。
さてさて〜どうするかな…縛り上げるのは確実だけど、今から行くのは…めんどくさいからな〜
"放置でいいと思います"
"賛成〜"
"同意見です"
「というわけだ、残念だったな。氷の鎖 。氷柱、断罪の柱 」
全員の首に鎖を掛けて天使の描かれている柱に固定しておく、これで大丈夫。自分のやった事を後悔して懺悔するなら氷の鎖 も一緒に壊れる様に設定してっと。
「あんまりだーーーー!!」
☆
「ふ〜極楽極楽〜」
"気持ぢ〜よ〜"
"体が〜とろけ〜ちゃう〜"
"やはり気持ちがいいですね"
「鍛練の後の風呂は最高だな〜」
「ほ〜ら、暴れんなってスバル」
「目に入ったんだってば、兄ちゃん!」
家に着くと、すぐにお母さん達が出てきて最初は、攫ってきたんじゃ!ってなったけどすぐに説明すると納得してくれて、お風呂に入ってから詳しく話しましょう。って言ってくれた。お母さんありがとう。
セロお兄ちゃんと結構な距離が縮んでいた。帰ってきた時、ちょうどお兄ちゃんとお父さんが鍛練をしていて、カッコいい…って一目惚れしていた。ちょうど鍛練も終わったので、男は裸の付き合いや!って事で全員で入ってます。
「兄ちゃん…その……あんまり耳触らないで…変な気分になるから…」
「変な気分か、へ〜」
「なんか…体が熱くなってきちゃう……」
…あれは、スバルの貞操がやばいな。
「お兄ちゃん!久しぶりに洗ってよ!」
「よっしゃ、任せとけ!スバルは風呂に浸かってな」
セロお兄ちゃんは手にシャンプーを取り、頭を洗ってくれる。すごい上手いんだよねセロお兄ちゃんの頭洗い。
"あ〜蕩ける"
"わざわざすいません、お父さん"
"本当にいつもありがとうございます。鑑定してみていかがですか?"
「フェンリルの次はカーバンクルか…頭が痛くなるよ。ハルヤは神の使徒か何かなのか?まぁ、可愛い俺の息子だから別にどうって事無いけど」
一方で、スバルは風呂にちゃんぷんと入ってからお父さんに近づいていった。
「お父さんのとこに座っていい?」
「どうしたスバル、お父さんが恋しくなったか?大丈夫、来ていいよ」
スバルはお父さんの股の上に乗る。
すいすい〜と犬かきをしてスバルに近づいていくチョコ。すんすんと体の匂いを嗅いでからスバルの股の上に座り、頭をすりすりとしている。
"獣人君の匂いがいい匂いになったね〜狼種特有の匂いとシャンプーの匂いが混ざってすっごくいい匂いする〜にゃ〜"
猫かよ。
最後にスバルの色々な事を聞いた。
スバル口からは、名前をスバル・ウェルナという名前で、なんと俺と同じ年だそうです。
自身が狼種の中でも黒銀狼と呼ばれていて、普通の狼種とは少し違うそうです。そしてスバルは黒銀狼の色々な事を教えてくれた。
けど、1つだけ喋ろうとした時、時間が止まった。言いたくない事があるらしいが、別に隠したい事があるなら無理に言わなくていい。と言うとスバルの心の鎖をがジャラジャラと解かれるよう泣き出した。それだけ、姉を守る為に自身を犠牲にするまでする強い男だと分かった。
それから、みんなでお風呂を一緒に出て、体の拭きあいっこして、飲み物を飲んでからリビングに戻った。
兄弟は同じ年の5歳です。双子の双生児です。
弟:スバル・ウェルナ 姉は後程名前でますのでご期待ください!




