プロローグ
はじめまして飛鳥井雅鷹です。
まずこの物語は作者の妄想が頂点に達した故に書いたものです。見苦しい点もあると思いますが、温かい心で見逃して頂けると幸いです。
我慢がいかなかった時、また誤字脱字等があれば遠慮なく申して下さい。
2360年2月29日。この日、大規模な戦争が起きた。今までの戦争とは明らかに違った。今まで起きた国際戦争の大半は同盟国を作り、戦ったものだ。この戦争から400年以上昔となる第二次世界大戦もそうだった。しかし今回は明らかに異常だったのだ。
たった1つの国に対し、国際連合に所属する全ての国の精鋭のみを集めた、まさに歴史上最強とも言える軍勢が用意されたのだ。
総勢5000万人という人類史における最大規模の戦力だった。
当然その事は全世界に報道された。その雄姿を誰もが讃えた。俺もその1人だった。そして誇らしかった。自分の叔父もその中の1人だったから。その軍勢が負ける姿を想像した者は1人もいなかった。
この時、止めるべきだったと何度も考えてしまう。
しかし、当時の俺は万が一の状況を思い描いていなかった。ただただ5000万の精鋭を英雄だと思っていたクソ餓鬼だった。
これから彼等が戦う敵の事を何一つ知らなかったが故に。
ドラギロン王国。それが敵となった国の名前だ。戦争が起きる約2ヶ月前の1月1日に建国宣言がされたばかりにも関わらず、その存在はすぐに危険視された。それは奴らが建国宣言の際に言った、王国の最終目標にある。
『我々の目的は人類の殲滅である』
この発言は例え冗談であろうと看過できるものではなく、国連は奴らに発言の撤回を求めた。
しかし奴らは撤回しなかった。そうなれば取れる手段はただ一つ、戦争のみである。
発言内容の重さから、徹底的な軍事構成が行われた結果、前述した精鋭達が誕生したのである。
しかしここで予想外な事が起きる。ドラギロン王国はそれを知ると、戦場の場所を国連側が指定するように言ってきたのだ。誰もが唖然とし、また嘲笑った。
ただでさえ人数の圧倒的な差がある現状で、よりこちら側に有利な条件を出してきたのだから、余程の自信があるのか、それとも負け惜しみを言いやすくするためか。誰もが後者だと思った。
重視すべきだったのだ。奴らがその情報を手に入れたという事実を。
気付くべきだったのだ。奴らがその情報を知り得た理由を。
そしてそれは、後に巨大な絶望となって人類に襲いかかる事になる。
1月24日に国連は戦場を太平洋の海上に指定。また開戦の日時を2月29日に指定した。
それを聞いた当時の俺は勝利を確信していた。例え敵側に性能が高い軍船があろうとも、数の差でこちらが圧倒的有利な現状は揺るがない。そう思っていた。
(勝った‼︎‼︎)と、誰もが心の中で叫んだ。
それは
あまりにも甘美な
幻想でしかなかったというのに。
そして、運命の日である2月29日が来た。
戦争の様子は報道されなかった。当然である。子供、いや大人でも人が殺される場面は観るべきではない。例えそれが、人類を滅ぼさんとする奴らだとしても。
最も国連本部には、戦場の映像がリアルタイムで送られる。当然の事だが状況把握の為である。
戦力差を考えるに今日一日で決着すると、当時の俺は考えていた。
しかし僅か1時間後、戦争の結果を待ちわびていた俺の耳に、いや全世界の人々に信じ難い言葉が入ってきた。
「我々は敗北しました」
それは国連事務総長による敗北宣言であった。冗談だと思いたかった。
あの軍勢が負けた?
たったの1時間で?
そんなハズないだろ5000万人だぞ?
その大軍がたった1時間で負けるワケないだろ?
信じたくなかった。しかし事務総長は決して子供に聞かせないように念を押し、10分後に説明に入った。
その内容は本来は口にできる事ではない事であると前置きした上で、
・敵側の攻撃は速すぎて目視不可能だった事
・気付いた時には味方の兵士が次々と死んでいった事
・本来使う予定ではなかった核兵器を使用してしまった事
・敵はその核兵器すら無効化した事
・この事から敵は謎の力を用いる事が予想される事
・明日、ドラギロン王国に正式に降伏の意を伝える事
他にも色々と言っていたが、俺の頭には入ってこなかった。今や俺の頭は一つの事しか考えてなかった。
叔父さんはどうなった?
幼い頃に両親を亡くした俺を男手一つで育ててくれた叔父。俺にとっては一番大切な存在だ。
生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ生きててくれ
ただ願った。祈った。しかし事務総長は無情にも言葉を続ける。聞きたくない言葉を。
「生存者の存在は絶望的」だと‼︎
ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな‼︎‼︎
何故負ける?
不思議な力を使う?
核を無効化した?
生存者の存在は絶望的?
精鋭5000万人が全員が死んだ?
嘘だ。そんな事はあり得ない。信じない。信じられるか。信じるもんか。あの叔父さんが死ぬワケない。
その日の夜は眠れなかった。
翌日の午後、降伏の意がドラギロン王国に伝えられた。ドラギロン王国は降伏を受け入れる代わりに条件を出した。「人類を滅ぼせ」と言ってくるものと思ったが、奴らが出した条件は1つだけだった。それは、
「今後人類が生きるのは、陸地の4割にせよ」
というものだった。
しかし今の人類にとってそれは受け入れ難い条件だった。様々な建築物は勿論の事、文明は今も発展し続けている。その結果、今の人類は陸地の8割を居住地域にしているのだ。その半分を捨てろと言うのは、人類の叡智たる文明を滅ぼせという事なのだ。
国連は表面上は承諾した。しかし実行する事は不可能である。
数ヶ月の議論(ドラギロン王国が与えた猶予期間)の末にとある妙案が出た。それは、
1.世界各地の地下には物資の運搬を目的とした街があり、その全てがルートによって繋がっている
2.その街に半分の人類を移動させる。
3.その人類から選別した者達に戦闘訓練を課し、戦士を育てる。
4.その戦士たちこそドラギロン王国を倒す希望とする
というものだった。勿論ドラギロン王国に伝えるのは上記の2つのみである。しかしドラギロン王国は疑う事無くあっさりと言った。「それでも良い」と。
人類の殲滅を望んでいる国の言葉とは思えなかった。モヤモヤした思いを誰もが抱えたが、好機である事に変わりはなかったので良しという結論に至った。
多くの者が戦士となる事を望んだ。無論、俺もその内の1人である。叔父の仇を討つために、俺は戦士として戦うと決めた。
しかし、戦士となるには1つの条件をクリアしなければならない。それは戦士の集う場所を自らの手で探し当てる事である。
これにはいくつかのルールが設けられたが、それについては次の機会に説明する。
俺は早速身支度をし、旅に出る事にした。
そこで俺、ガラード=レオンチェフは出会ったのだ。
共に戦う事になる友たちや
真っ赤に燃え盛る、人ならざる存在に
まず述べますと、ドラギロン王国関連とエンディングは既に決まっています。
しかし、それ以外は真っ白な状態にあります。よって長期に渡り更新しない時期もあるでしょうが、連載を止める事はありません。
これからも、どうぞ見守って下さいますよう
お願いいたします。
※尚、課された条件は「シャーマンキング」という作品を参考にしました。