プロローグ 失敗作の世界
私はエルヴァルの創造神ムーサ。
端的に言えばこの世界は失敗作だ。
人間と魔族が共生するとは…。
それではつまらない、君もそう思うだろう?
私は王道が好きなのだ。
力を持つ魔族が力のない人間を虐げ弄び殺戮を尽くす事を望んでいたのだが…
加えて技術も発達し始め、彼らは創造主である私への信仰を忘れかけている。
作り出した世界といえど、干渉するには”神”である以上信仰が必要なのだ。
よって信仰が消え制御が効かなくなる前にこの世界を消すと決めた。
しかしただ消すだけでは面白くない。
そこでこの世界を創造するとき仕組んでおいたモノの1つを使うことにした。
私が事前に物語の1つとして仕組んでいたモノ「世界の中心」を人間に開かせ
過剰な魔力を放出させることで世界を”物語として”破壊する。
そうすればこの世界も意味を持つだろう。
手始めに人間側の王に干渉し内部を腐らせ魔族と争いを起こさせるとしよう。
人間は、魔族とは違って魔力を視ることができない。
彼らには世界の中心を開くことで人間にも魔法が使えるようになるとでも後で伝えておけばいい。
人間は愚かと相場が決まっているからな。
では、私の世界エルヴァルの破壊を楽しんでいってくれ。