【スーパーショートシリーズ4】夏の幻
今年も彼女がやってきた。
彼女に逢うのはおよそ1年ぶりのことだ。
彼女はいつも、音を立てて僕に近づいてくる。
でも僕はいつも彼女にちょっかいを出す。
猫だましをしたり、壁ドンをしたり・・・
時にはアロマを炊いて遊んだりもしたっけなぁ。
彼女もまた、僕にちょっかいを出してくる。
それは、さながら風俗のような、かなりヤバい仕打ちで・・・
そんな彼女とちょっかいを出しあうのが心地良い。
でも、度が過ぎることをしてしまうと、たちまち気絶する彼女。そしてすぐさま彼女の親友がやってくる。
その親友もまたかわいい。その子も僕にちょっかいを出してくる。
それも、彼女と同じように・・・
いつも僕とじゃれあう彼女の名前は・・・蚊。
これまでのスーパーショートシリーズとは一味違ったオチにしてみました。
スーパーショートシリーズは、読者の方が思わずクスッとするような短編小説を今後も展開していきます。