4 ゴキブリは意外と凄かった
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とりあえず、というか、もうボスのところにいってからも
やることができてしまったんだが、
(多分普通に帰ったら、絶対一生恨まれる)
まぁ最初はとりあえず、借金はちまちま返済していくとして、
どうやら、さっき申請結果が届いたらしいので、見に行こう。
(申請結果....?
てっきりなにもないと思っていたが、一体何の結果なんだ?)
「....これが結果」
「おぉ!!意外にいいかも!!」
「そうですね、これなら戦力になるかも知れませんね」
そんなに結果がよかったのか?ぜひみてみたいが....
不合格か合格とかの話か?
[結果
あなたは蜚蠊の能力を手に入れました。
その力を有効に使い、この世界で頑張ってください]
なるほど、蜚蠊か....って蜚蠊!?
あのみんなが最も嫌っているというあの蜚蠊!?
「....何か不満でもあったの?」
不満どころか、その申請をした人にクレームを言いたいぐらいですが!?
というか能力とか全く意味がわからないのだが、
「申請をすることで、それぞれのどうぶつの能力を使えるようになるんですよ」
「....ちなみに僕は犰狳「アルマジロ」です」
「私は電気鰻「デンキウサギ」だよ~~」
なるほど、そういうことか....
いわゆるあの某RPGの職業選びみたいなものだろ?
あの勇者か僧侶かみたいな....
それでも蜚蠊はかなりひどいと思うが、
て言うか蜚蠊の能力ってなんだ?
いままで普通にゴキジェットで滅していたからいまいちわからないんだが....
「それはそのうち見つかるって~~
だからさ、早速仕事にいこ?」
仕事....?あの重労働とかがメインのやつか?
やるのに大分抵抗があるが....
「違うよ!裏の方のやつ」
あぁ、確かにいってたな、仕事には表と裏の二種類があるんだったな、
で、裏は申請がいるから....なるほど、
じゃあ今は仕事は何でもできるということか!!
できるだけ簡単なやつがあったらいいんだけどな....
「....仕事、それは殺してほしい、または懲らしめてほしい
という依頼を実行すること」
これまた物騒な仕事ですね、
だから申請がいるのか....ってマジかよ!!?
なにその某仕事人みたいなやつ!!
「そんなに例題を出してはいけないと思うのですが....」
出ちゃうよ!!だって似てるじゃん!!似た者同士じゃん!!
「まぁまぁ落ち着いてよ~そんなに取り乱さないで」
....まぁ確かに取り乱しすぎたな、
まぁこの話題は一旦おいといて....そういえば今冷静に考えたら
朱里の能力ってなんなんだ?
「なぁ....朱里の能力ってなんなんだ?」
「あ、今は聞かない方が....」
ん?今なんか沙羅からいわれたような....気のせいか?
ってなんかうつむいたまま動かなくなっちゃったけど、大丈夫か?
「....何で今それ聞くかなぁ?」
あれ?なんか今すごい怒ってません?
なんか今怒りそうなところありましたっけ?
「何?言いたいことがあんなら早く言えよ!!」
うわーかなり怒ってらっしゃいますねーー。
何でそんなに怒ってるんだ?
「彼女の能力は猛禽「モウキン」、あらゆる鳥の能力を使うことができます
でも、彼女は生まれつきで多重人格を患っているものですから
どの鳥の能力を使うかで人格も変わってしまうんですよ」
なるほど....すごいな、それは、
「いつもは無口な性格で通していますが、能力を使うときと、
その事に触れたときに人格が変わります。
今は....怒の感情ですね」
それは言われなくても見ただけで大体わかるよ!!
と、ツッコミを入れているうちにも朱里の怒りはエスカレートしているな、
「おい!!誰か返事しろよ!!
何で、何も言わねぇんだよ!!」
これ収まるんですか?
と考えていると、沙羅が忍び足で俺の元へ
(これを朱里に渡して)
これは....グミか?
これを渡せば機嫌が治るからって言われてもな....
本当に治るのか?これで逆鱗に触れて半殺しにされるとか嫌なんですけど。
「あの....」
「あ?」
本当に効くんだろうな....!!これで!!
「......」
なにも言わずに奪い取って....あ、今食べてるな....
大丈夫か?うつむいていて表情が見えないからなにも言えない....
「......」
顔がものすごいことになってますけど、
あれ?これ終わってません?俺半殺しにされません?
....マジかよ、やばいな
「....取り乱してごめんなさい」
....一言言わせてくれ
怖ぇよ!!一瞬死にそうになったじゃねぇかよ!!
「ちなみに彼女にオレンジソーダグミをあげると機嫌がよくなります」
「これも彼女の大きな特徴です」
そんな大胆で分かりやすくて簡単な説明ははじめてだよ。
(いろんな意味で)
でもそっちはデンキウナギやアルマジロやモウキンとかだろ?
いいよな、こっちはゴキブリだぞ、一体何の能力かもわからないのに、
「でも僕は守ることしかできませんから」
え?じゃあ攻撃はどうなるんだ?できるのか?
「全く出来ません」
何?いわゆる役立たずとか言うやつですか?
何でそんな能力を持ってるんだよ
それならせめて沙羅の能力は使えるんだろうな....?
「私は一応攻撃型だけどね....
電気が逆流して少ししか使えないんだよ~!」
ある意味全く使えないじゃねぇかよ!!
何で欠点の方がでかいんだよ!!
うちらの能力はデメリットが多いやつしかいないのか?
....いや、朱里の能力なら
「....何?」
って危ねぇ....もう少しでまた怒らせるところだった....
これは扱いを気を付けないとやばいな....
普通に半殺しにされる。
まぁ後々観察してみるとして....本当に俺の能力はなんだ?
今の話を聞いているうちは俺も役に立たない能力だと思うんだが、
「....後ろ」
え?何かあったのか?
ってこれは!!
「....すごいな~!」
家のなかで俺を殺そうとしたやつじゃねぇか!!
危ねぇよ!!ってさっき俺避けたか?
なにも感覚がなかったんだが....
「不意打ちを狙ったはずなんだけどな~~」
あいつは確か....要、だったか、
はて?と首をかしげている。
俺がたまたま避けただけなのか?要がはずしたんじゃないのか?
「まぁいいや、もう一度」
あれ?要はどこに....?
ん?なんか後ろに人の気配がするような....
「壊れて」
いつの間に!!ってうぉ!?なんだこれは!?
体が勝手に動いてる....
そして、気がつくと、背後に拳銃を向けていた俺がいた。
なだ?俺はなにもしてないのに....なぜ体が勝手に?
「....能力を持っちゃったか....」
なんか去る際に舌打ちされた気がするが....多分気のせいだろう。
て言うか本当にこれはなんだ?何でこんなに勝手に体が動く?
「....勝手に動いたんじゃない、全部自分の意志で動いている」
どう言うことだ?そんな感覚少しも感じなかったぞ、
「あなたの蜚蠊の能力、それは相手の気配をいち早く察知することができ、
攻撃に移行することができる」
「要するに、攻撃をすべて予測して避けることができるんです
それがあなたの能力です」
なんだよ、普通に強いじゃねぇかよ、
これは蜚蠊の存在を一回考え直さないといけないかもしれないな....
これまたすごいものを手にしてしまったな、
まぁ、何があれ、これで仕事が少しでもはかどればいいんだが、
みてくださり、ありがとうございました!