2 いきなりの別れ そして始まり、がやりたかった
02
いきなり起こった出来事に対しての対処法があるのなら俺はしりたい。
ちゃんと一回落ち着いて状況を整理してみるとか、
何も考えずに落ち着かせるとか、
まぁそれは色々あるんだろうけど、それより、
「何でみんなここで普通にお茶してんだよ!!」
「ダメかな?」
「ダメだった?」
「....ダメだったかな?」
何でみんなして同じ回答なんだよ!!
もう少し言葉を変えて返答してくれよ、
いつの間にか、ちゃっかりお菓子までいただいちゃってるし、
後で覚えとけよ....
いやいや、それより聞きたいことがあるんだった。
「お前たちの正体はなんなんだ?」
これを聞いてみたかったんだ、
だって俺の友達があの少女の仲間だったんだぜ?
気になるだろそりゃあ。
「それはもう少しでわかるよ
あとこの少女は沖山朱里という名前だ。
朱里とでも呼んでくれ」
どさくさに紛れてこの少女の自己紹介始めたぞこいつ、
まぁずっと少女と呼ぶのもあれだったから、
ありがたいっちゃあありがたいけど
じゃあ、沙羅にも同じことを聞いてみたらどうなるんだ?
「それは、あとのおったのっしみ!!」
普通にハイテンションでごまかすな、
何で二人ともいってくれないんだよ、今いったらいけない理由でもあるのか!?
機密事項にでもなってるのか!?
「....今は待って」
そんな顔でいわれると一旦考えてしまう。
まぁ、今はひとまずおいておこう、よし、次だ。
「一体何がどうなってるんだ?さっぱりわからないんだが」
「まぁ簡単に説明すると、有明海は命を狙われてるんだ」
ここで普通に(有明海)と呼んだのは黙っておこう。
後で絶対覚えとけよ、うん。
て言うか何で俺の命が狙われてるんだ?
「理由は単なるボスの気まぐれさ」
「....は!?」
そんな下らない理由で狙われてるのかよ!!
もう少し何かなかったのか!?そんなの俺がただ不運だっただけじゃん!!
てか、お前ボスとか言うのと繋がってるの!?
「だから、一緒にボスのところに行って説得するんだよ
俺はまだ生きたい!!ってね」
俺のいうことは無視か....ってん?今なんかものすごい
一言が聞こえたような....
「そ、異世界に行くんだよ」
やっぱりか....っということはここから離れるの!?
お家とさよならするの!?まじかよ!?
「....最初はあなたを拉致して無理やりつれていこうとした
黒服を使って」
じゃああのゴツい人は最初から俺を狙ってたの!?
あぶねぇよ!!普通にびびるよそれは!!
「でも彼の性格である人見知りが原因で失敗した。」
助かったよ、その人が人見知りじゃなかったら今頃どうなっていたか....
て言うか人は見かけによらないんだな。
「だから私が直接会いにきた。」
「は、はぁ....」
そこはまぁ納得できる。
「....だから一緒に異世界に来て?」
いやいや、それは無理!!
さすがにいきなりの異世界は無理ですって!!
「異世界ってどんなところだと思う?有明」
いきなり聞かれても....ドラゴンがいたり、魔王がいたり、
伝説の勇者がいたり....とかか?
「はい外れ!!
そんなドラゴンとか魔王とか伝説の勇者とかいるわけないじゃん」
漫画の読みすぎだよ~とか言われたが....
何でみんなして俺の心が読めるんだよ!!
お前ら本当にエスパーか!?
「正解は意外と普通のところだよ?
ちょっと癖が強い人が多いけど」
どうやら俺の思う異世界とはまた違う異世界らしい。
確かにちょっと気になるは気になるが....
「ね?異世界にいってみたくない?」
でもそこはなかなか踏み込みができないなぁ、
だってそれが本当かもわからないからなぁ....
「....どうしてもだめ?」
またうるうるされているんですが....
でも今回は騙されませんから、
「ん~~~....」
(これはヤバイですね....)
(....どうすればいいのかな?)
....なんか福と朱里がひそひそ話し出したんだが、
一体なにを話してるんだ?
「あ!そうだ!!あれをやってみたら?」
なんか沙羅の一言で二人納得しだしたが....
一体なにをするつもりなんだ?
「じゃあさ有明、一回、目をつぶって?」
いきなり何でそんなことしないといけないんだよ、
部屋に何か仕込んだりするのか?
「....殺すよ?」
ちょっと待ってください、目がマジなんですが、
ジリジリ少しずつ近づかないで下さい、
あぁもうわかりました!つぶればいいんでしょう!!つぶれば!!
「じゃあその状態でしばらく待っててね~~!」
と、沙羅に言われて、一体何時間位たったのだろうか、
というぐらいたってる気がする、だめだ、何もわからない。
足音は一応聞こえるけど、近くにはいないらしい。
やばい、足もかなりしびれてきた。
一体このまま何時間待たせるつもりなんだ....?
1人頭のなかでしりとりをしていると、足音が聞こえてきた。
と言うことは戻ってきたな....
「もういいよ!!開けてみて!!」
そこで見たのは、普通の家のなかだった。
家具が全てなくなり何もない部屋でもなく、
人数が5人ぐらい増えて、全員俺に銃を向けていたわけでもなく、
本当に何も変えられていなかった。
家のなかを隅々までチェックしてみても、特に入れ替わってるものや、
なくなっているものはなかった。
じゃあ一体なんでこんなに待たせたんだよ。
「....なぁ、一体なにをしたんだ?」
「.....」
何でだんまりなんですか、
何も変わっていないんだからなにをしたかだけでもいってくれたらいいのに、
そういえば、外が明るいな、朝でもないのに....外!?
あわててカーテンをめくってみた。
「!!!??」
そこに広がっていたのは、なんかやたらデカイビルがなん棟も並んでいたり、
銃や剣などの武器を持った装備がやたらゴツい人などがたくさんいた。
そして、最もビックリしていたのが、俺に馴染みがある建物や、
家々が一切なかった。
っておい、ちょっとまて、と言うことは....
「....異世界到着」
その一言を言われた時は俺はもう何がなんだかわからなかったね。
もう周りを見ても普通の人間はいなかった、いや、居るには居るんだが
なんか俺の知ってる人間ではない。
だって、武器を普通に持ってるんだぜ?そりゃあ驚くでしょ?
なんか鎧みたいなもの着ていてゴツいし、
まぁまずはそんなことより
「なに勝手に異世界につれていってくれてるんだよ!!
今すぐ元の世界に返しやがれ!!」
「まぁまぁ、落ち着いて、キャラが変わってきてますよ」
知らねぇよ!!そんなのお前達が悪いんだろうが!!
本当にいきなり連れて来たからこうなったんだろうが!!
「まぁ、何にしろ、有明海を連れてこなければいけなかった
だから許してください」
また何か礼はしますよって....期待しておこう。(自分でも思うがチョロいな)
そしていつになったらそのあだ名をやめてくれるんだよ。
「つい癖で呼んじゃうんです」
今までの話でわかったこと、多分ここの世界の人達は全員エスパーだ。
うん、絶対そうだそうにきまってる。
「とりあえず、一回外に出ましょう」
とか言ってるけど、もうみんな外にいるし、
気がつくと俺と福だけだし、家にいたの。
なかなかみんな好き勝手にやってますね。
そしてこれは出たあとに気が付いたんだが、
俺の家が丸々異世界に来ていた。本当に家だけが
一体どうやったらきれいに家だけ異世界に移動できるんだよ。
多分今頃現実世界の方はは大騒ぎになってると思う。
でもこれを見て俺はやっと少しだけ実感したよ。
あぁ、本当に異世界に来ちゃったんだってね。
見てくださりありがとうございました。