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終・大英 原点/頂点/自在天
同時刻。石造りの城に道化が現れた頃、ここにも一つの影が生まれていた。
赤い、廊下。どこまでも赤く、赤く。
病的なまでに赤い廊下を、歩く闇があった。
「なかなか厄介な鍵をかけてくれたな、シャルロット。――我が娘よ」
男が、笑った。
男の前には、病的なまでに白い廊下。
そして男の背後には。
――無数の死骸から溢れる血液が、本来白い廊下を赤く染め上げていた。
「さあ、神話の続きを始めよう。来たまえ、シャルロット。《堕天使》は、俺が喰らう」
男の声と同時に。
無数の武具を持った男たちが駆け付けた。まるでアリでも見るような視線で彼らを見た男は、大きく腕を振るう。
そうして、また。
男の前に、無数の屍が詰みあがる。
彼は吸血鬼の原点であり。
彼は吸血鬼の頂点に位置し。
そして彼は。この世界の自在天。
曰く――真祖、アルカード。




