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終・大英 蛇髪/屍姫/道化
「ふ、ふひッ。ふひひひ。いやぁ、良かった良かった。間に合ったみたいだね」
トコトコと、彼は歩く。
暗闇の中、不気味なほど景色から浮いた白い化粧の道化師は、スキップでもするかのように胸を躍らせて、ボロボロになった石でできた城の広間に立った。
「ごめんね、エリザ様。あなたの城、汚しちゃうよ。でも、いいよね。だってあなたはもう――死んでいるのだもの。ふひひひひ……」
笑う男の前には、血に染まった純白のドレス女。その奥には、手を繋いだ少女と男の死体。
そして、その奥には、石のように動かない、多くの通常種たち。
ふひひひ。食べきれるかな。道化は、両手を丸めて口元を隠すように笑った。
笑わずには、いられなかった。
「《第二》と、《第四》。その力も、ボクのものだ――」
にちゃりと、道化の口から涎が滴った。




